令和4年度渋谷区予算に賛成討論しました!
こんにちは、神薗まちこです。
3月の第1定例会で令和4年度の予算案を可決、シブヤを笑顔にする会を代表して予算案に対する賛成討論を行いました。
評価ポイントとして
①最重要課題である新型コロナウイルスの感染症対策を講じている点
②ニューノーマルな社会にデジタルを活かして対応をしている点
③シティプライドを持った渋谷民がつながり、共創する仕組み作りを行っている点
④学校をはじめとした公共施設の長寿命化計画を踏まえ、基金に大きく依存することのないバランスの取れた編成になっている点
についてあげました。
このコロナ禍が2年以上続き、苦しい財政状況が続いています。「もっと給付金を!」「もっと中小企業へ支援を!」といったお声もいただく中ではありますが、現状を改善するための策に軽重つけながら、未来へ向けての投資に極力力を割き、苦心の末にたどり着いた予算編成と判断しました。
全文は以下になります。
令和四年度一般会計に関する賛成討論
シブヤを笑顔にする会を代表いたしまして、議案第15号 令和4年度渋谷区一般会計予算に賛成の立場から討論いたします。
令和3年度は、「予測不可能な社会」が毎年続くのだということを象徴する一年でありました。新型コロナウイルス感染症が猛威をふるっている中での、歴史的なチャレンジともいえる無観客での東京2020大会の実施、気候変動による全世界規模での風水害や干ばつ、火山の噴火や地震、先日渋谷区議会でも抗議を決議したロシアによるウクライナ侵略、北朝鮮の相次ぐ弾道ミサイル発射等、様々な危機が全世界で毎年のように起きるという覚悟で、臨機応変に区政運営に取り組む必要があると実感しています。
さて、令和4年度の一般会計予算案ですが、歳入歳出予算額は1,062億6,700万円と、前年度の予算に対して、68億1,800万円、前年比6.9%の増であります。おもだった歳出の構成を見ますと、令和2年度から続く最重要課題である新型コロナウイルス感染症対策、デジタルを活かしたニューノーマルな社会への対応、渋谷区最大の可能性であり、魅力であるシティプライドを持った渋谷民がつながり、共創できる仕組みやまちづくりに予算を割いている点をまず評価したいと思います。
さらに、30年計画となる学校をはじめとした公共施設の大規模な長寿命化計画も踏まえ、基金に大きく依存することのないバランスの取れた編成になっている点も評価いたします。
歳入に目を向けますと、一般財源の大宗を占める特別区税は、株式等譲渡所得の増を見込み、534億7,092万3千円となり、額にして35億6,968万4千円、率にして7.2%の増収となっています。また、寄付金もふるさと納税を活用した戦略的な取り組みなどもあり、複雑化する区民ニーズや不安定な国際情勢等を鑑みた予算案には相当の苦心があったものと拝察いたします。
以下、基本構想の分野に沿って、シブヤを笑顔にする会の提案で実現した事業を中心に評価のポイントをまとめます。
①子育て分野
まず、子育て分野について二点です。
一点目は、渋谷区子育てネウボラの更なる進化のため、約14億4,700万円をかけて対応する点です。今年度夏に施設がオープンした渋谷区子育てネウボラですが、コロナ禍で入場など一定の規制がある中、半年で28,229名の来場者があり、SNS等での積極的な発信やフォロワーの保護者の方々との丁寧なコミュニケーションなど、まさに子育て世帯に寄り添う活動を行っています。次年度の展開として、オンラインを活かした親子番組の配信や対面のイベントの強化を通じて、多様な子育て(例えば、障がいのあるお子さんやシングルマザー、ステップファミリー等)にもフィットするコンテンツを提供し、困ったときにいつでも相談できる体制を構築いただきたいと思います。
さらには、令和4年度4月に渋谷区子育てネウボラ内に東京都児童相談センターのサテライトオフィスが設置され、児童虐待の予防や虐待への迅速な対応する取り組みが推進されること、大変評価しております。今後、渋谷区子育てネウボラは後で触れます重層的支援の子ども分野の要になりますので、ぜひ各所との連携強化をお願いいたします。
二点目は、入園申し込みのオンライン申請を令和4年度秋ごろからスタートするため、約6,700万円を予算化している点です。非来庁型サービスをデジタルで推進することは、コロナ禍の感染症対策はもとより、小さい子どもを抱える保護者世帯にとっては手続きの負担軽減につながり、運営業務を行う職員にとっては業務効率化につながります。RPA事業を導入することで、手作業で行っていた時間が500時間程度、短縮されると報告がありました。内部の処理を効率化し、保育園を検討する際の保護者のニーズや不安に寄り添う窓口対応を行っていただく時間を増やすことは、入園後の満足度に直結すると考えます。また、保育の質ガイドライン作成や運用、国の制度をいかした保育士等の処遇改善を実施することで、更なる保育の質向上を目指している点にも期待をします。
②教育分野
次に、教育分野について、三点です。
一点目は、学校施設長寿命化の基本計画策定のため、約1億600万円の予算を投じる点です。今年度中にロードマップを作成するため、詳細の報告はこれからですが、小学校は神南小学校、中学校は広尾中学校・松濤中学校で第一弾として計画策定が始まると報告がありました。ちがいを力に変えることが出来る次世代人材を育む新しい学びの場作りがスタートします。公共施設の老朽化も進んでいるため、建設を効率化するために施設の複合化を意識した動きになっていますが、これはハード面だけではなく、ソフト面でも重要な観点と考えます。前段でお伝えしたように、渋谷区の一番の資産は「人=渋谷民」の方々であると思います。日本で一番、多様で面白い人の集まる街が渋谷区です。学校が地域の学びや活動の拠点と一体化することで、子どもたちも100人100通りの学びや居場所を得ることが出来ます。まさに大人も子どもも共に学ぶ、活動する、そんな場所ができるということに心からワクワクしています。ぜひ、仮校舎の計画段階から、新しい学びに対応できる設備を整えていただきたいと思います。
二点目は、コミュニティスクールの進化のため、約1,600万円を予算化している点です。令和元年度に渋谷区ではすべての小中学校がコミュニティスクールとなりました。当初は学校運営協議会が中心となって進めていましたが、令和2年度に設置した地域学校協働本部との役割を明確化し、予算の組み換えなども含めて、充実した内容になっています。他自治体の事例を研究し、コミュニティスクールが形骸化してしまう要因をしっかりととらえ、機能的な仕組みと予算変更であると大変評価しております。コミュニティスクールは今後、学校長寿命化の計画が進んでいく際に、魂を吹き込む役目を担うと考えます。学校と地域が、子どもたちや地域の未来を共に考え、共に活動していく起点となる重要な取り組みです。学校や地域のニーズを把握し、繋ぐ役目を担うコーディネーターとも連携しながら、更なるコミュニティスクールの進化を期待します。
教育分野ではその他にも、コロナ禍でのイレギュラーな学校運営、感染症対策、ICTをいかしたデジタル教育の進化、特別支援教育の手厚いサポート、放課後クラブの更なる充実、教育センターでのきめ細やかなサポート、図書館の登録手続きのオンライン化、各施設を安心安全に使うための改修工事など、子どもたちや教員、利用者の方々の学びをしっかりと保障する予算立てになっていることも評価します。
③福祉分野
次に、福祉分野について、三点です。一点目は、重層的支援体制の整備事業に約5,000万円の予算を投じる点です。令和4年度から専門の担当組織を設置し、具体的な施策の検討、実施計画の策定等が行われます。これまでの体制では課題が複雑化し、解決が困難だった方々を切れ目なく支援する体制になるということで多いに期待しています。地域福祉コーディネーター4名の新たな設置、把握しきれていなかったヤングケアラーや引きこもりなどの課題についても、様々な媒体や手法を用いて調査するという報告がなされています。包括的な相談支援、地域と社会とのつながりを作る参加支援、様々な世代や属性が交流できる居場所を整備する地域支援の3つの柱を軸に推進いただければと思います。
二点目は、高齢者デジタルデバイド解消事業の更なる進化に関して、約3億1,600万円を予算化している点です。今年度9月からスタートしたスマホの無料貸与は、現在1,500名程度の方が継続利用しており、75%の方が生活へ良い影響があったと回答しています。次年度はデジタル支援員を50名、更に増員し、町会やシニアクラブへのサポートも充実させ、区内スタートアップ企業との連携による健康増進プログラム、区内大学との連携によるスマホ利用データ分析などが進みます。高齢者の方々のQOL向上に資する活動と期待しています。
三点目は、障がい者理解促進・啓発事業として、約2,300万円を投じている点です。「神宮前六丁目地区第一種市街地再開発事業」で2022年度に竣工予定のランドマークのビルに一般社団法人シブヤフォントが入居するための予算計上があると報告がありました。シブヤフォント事業は、今年度の4月に一般社団法人化し、渋谷区の目指す「ちがいをちからに変える街。」を渋谷区の福祉作業所や桑沢デザインの皆さんと一緒に体現し、その成果を認められ、内閣府「第4回日本オープンイノベーション大賞」選考委員会特別賞等、複数の賞を受賞しています。現在は、文化総合センター大和田8Fにありますが、神宮前6丁目の商業施設に移転することで、区民の方のみならず、来街者の方々にもシブヤフォントに触れてもらう機会になり、理解促進や啓発につながると期待しています。この施設でも、区民や来街者がシブヤフォントのグッズなどを購入できるように要望します。
④健康・スポーツ分野
次に、健康・スポーツ分野についてです。
一点目は、感染症予防対策の事業に約37億4100万円を投じる点です。新型コロナウイルス感染症対策としてのワクチン接種体制や保健所体制の強化、オンライン健康相談事業や休業協力給付金などはもちろんのこと、今年度11月末に厚生労働省から積極的勧奨の再開の通知があったHPVワクチン接種についても、令和3年度予算と比較すると8,800万円の増額、令和4年度の4月より本格的に進めるという報告がありました。迅速な対応を評価いたします。すべてのワクチン接種に関して言えることと思いますが、未成年者の接種に関しては特に、ワクチンをなぜ打つ必要があるか、ワクチンの種類などを丁寧に説明し、親子で理解促進するための対応強化をお願いします。
二点目は、パラスポーツレガシー推進事業に約6,400万円を予算化している点です。区は平成28年から6年かけて、東京2020大会を起点に、多様な人々がパラスポーツとコミュニケーションを通じて、「ダイバーシティ&インクルージョン」を実現する取り組みを行ってきました。東京2020大会終了後も、気軽に体験できるパラスポーツフェスタ、区長杯大会や国際大会での区民観戦、シブヤシティボランティアのスキルアップや活躍の場の創出、区内小中学生とトップアスリートの交流などを行っていくことが、インクルーシブな共生社会へつながると考えます。
また、令和4年度新規で取り組む北渋RUNRUNフェスタやスポーツ庁のSports in life Awardの最優秀賞を受賞したどこでも運動場プロジェクト、高齢者や障がい者向けのeスポーツの体験教室など、誰もが楽しめる取り組みとして、発展していくことを期待しています。
三点目は、一般社団法人渋谷ユナイテッドの事業費に約9,800万円の予算を投じる点です。文部科学省でも、生徒たちにとって豊かな部活動の環境づくりと教員の働き方改革も考慮し、「令和5年度以降、休日の部活動を段階的に地域移行」する検討を進めていますが、渋谷ユナイテッドの取り組みはまさに、その最先端を行く活動と認識しています。ゆくゆくは、誰もが生涯にわたって、スポーツや文化活動を楽しめる総合型地域クラブへ発展させていく取り組みであり、この動きも学校長寿命化計画と連動していくかと思います。現在は区の財源を元に運営がスタートしていますが、将来的には独立して運営ができる体制づくりも期待します。
⑤防災・安全・環境・エネルギー分野
次に、防災・安全・環境・エネルギー分野についてです。
一点目は、防災に関する取り組みの約2億1,700万円の予算化についてです。コロナ禍で実施が難しかった防災訓練に関しても、6月から11月にかけて、恵比寿・大向・上原・笹塚・神宮前の5地区で対面での防災キャラバンが先行実施され、実践的な訓練と合わせてARやVRなどの体験型訓練等、新しい活動が行われることを評価いたします。また避難所の備品に関しても継続的に拡充が行われ、ペット用テント11張りが追加配備されます。ペットの同行避難のルールを各避難所で整備するとともに、2年続けて中止になっている避難所一斉点検の実施もお願いいたします。
二点目は、プラスチック資源回収事業の約3億8,800万円の予算化についてです。令和4年7月から可燃ごみとしていた廃プラスチックを一括回収し、資源としてリサイクルする取り組みが始まり、地球環境の負荷軽減に寄与します。ゴミ分別案内アプリの導入でごみの資源化を住民の方々にも意識して取り組んでいただき、子どもたちへの環境教育も推進いただきますよう、要望いたします。
三点目は、ふれあい植物センターリニューアル約1億6,900万円、恵比寿南一公園リニューアル約3,300万円といった施設や公園の予算についてです。まずは、渋谷清掃工場の地域還元施設として平成17年度より運営してきたふれあい植物センターが、農と食の地域拠点として令和5年度夏にオープンするため、令和4年度にリニューアル整備を行います。
また、恵比寿南一公園では北谷公園に続くPark-PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)事業を活用し、令和4年9月に子ども向けプレーパークやペットと共に利用できるカフェなどを併設します。人の繋がりが生まれ、広がる公園や施設が出来ることによって、地域に日常的なつながりを生み出し、持続可能な街をつくることに寄与すると期待します。これまで以上に、地域の方々へ丁寧な周知や告知をし、コミュニケーションをしっかりとって、愛される施設になることを要望します。
⑥空間とコミュニティのデザイン分野
次に、空間とコミュニティのデザイン分野について二点です。
一点目は地域の状況に合わせた魅力ある空間づくりに、約13億4,100万円の予算を投じる点についてです。令和元年に策定されたまちづくりマスタープランを踏まえ、大山街道は道路と沿道が一体となった「歩いて楽しい道づくり」、玉川上水旧水路緑道は「FARM」をテーマに地域コミュニティを育む緑道へと再整備されます。また、西参道に面している高架下施設と道路は参道にふさわしいにぎわいのある空間に整備され、いずれも官民や地域が連携し、推進していくことで、それぞれの魅力を引き出し、あらたなコミュニティ拠点になることを期待します。
二点目は、本町木密地域の整備に関して、約1億3,900万円の予算化している点です。令和3年度に策定された「本町地区防災都市づくりグランドデザイン」を踏まえ、主要生活道路の整備や無電柱化、不燃化・耐震化、防災や復興拠点の整備、旧神田川支流遊歩道や水道道路沿道の魅力化、子どもたちによる防災力向上方策の検討など、防災力を高めながら、地域やコミュニティの可能性が引き出されるまちづくりが進んでいることを評価いたします。本町地区で得られたノウハウを、渋谷区全域に活かすことを期待します。
⑦文化・エンターテイメント分野
次に、文化・エンターテインメント分野です。
エンターテインメント事業の支援費として、約990万円の予算を投じています。Withコロナでの、ライブハウス等の音楽施設への支援を継続的に行いながら、エンターテイメント事業者と渋谷区のネットワーキングや海外での実践事例研究なども新たに進める点を評価いたします。カルチャーの発信地として、コロナ禍で苦しい状況におかれる事業者の支援をしつつ、渋谷の街の魅力を最大化する新しい取り組みを期待します。
⑧産業振興分野
次に産業振興分野です。
一点目は、デジタル地域通貨事業に約2億7,100万円、予算化している点です。コロナ禍における様々な事業者支援の課題感から生まれた持続的に産業振興を行っていく新しい取り組みです。区内の商店街や中小企業等の活性化支援と共に、ソーシャルアクションポイントのような仕組みを導入することが前にも申し述べた様々な事業で取り組んでいるコミュニティの活性化や地域活動の促進にもつながっていくと大いに期待しております。デジタルならではのログが残るという特性を生かし、データ活用や検証を行い、より効率的・効果的な運営も要望します。
二点目は、スタートアップ支援事業の更なる進化に、約1億9,600万円の予算を投じる点です。この3年間の様々な取り組みを振り返り、世界と比較した際の課題点を解決するため、起業家を育成するアクセラレーター組織やスタートアップ企業が集えるオフィスを設置することについて評価します。渋谷区で日本のスタートアップ業界をけん引するエコシステムが創出されることを期待しますし、区の課題解決につなげるための仕組みづくりを要望します。
三点目は、ふるさと納税をいかしたNPO支援です。ふるさと納税による本区の減収は、令和元年度からの蓄積でみると100億円を超え、看過できない状況です。打破する一手として、コト消費を中心とした渋谷区らしい返礼品の用意をしてきました。令和4年度は区内に500あるNPO法人などを対象に、ふるさと納税をいかした支援をスタートします。予算は500万円と少額ですが、街の課題解決にも寄与する取り組みとして評価いたします。コロナの状況を踏まえてになりますが、将棋のプロ棋士との対局やコンサートなどの返礼品も要望します。
⑨区政運営の分野
最後に、区政運営についてです。
デジタルコミュニケーションプラットフォームの構築に約1億2,000万円の予算を投じる点です。区民の方々の個々のニーズや属性に合わせ、最適な情報や窓口を提供し、利用者本人の同意に基づいて、登録された情報を関連部署で共有し、組織横断的な支援ができるように基盤が整備されます。9月の子育てネウボラ関連事業でのリリースを皮切りに、令和5年度は重層的支援体制整備事業への展開も検討されます。お一人お一人に合った情報や寄り添ったサポートがしづらいという課題に対して、寄与する取り組みと期待します。センシティブな個人情報の取り扱いになるので、セキュリティ面のシステムおよび運用の強化を要望します。
以上、述べましたように、令和4年度渋谷区一般会計予算は、喫緊の課題にスピーディーに対応しながらも、未来への投資に多く予算を割いている点、また数々の先進的な取組と共創できる仕組みやまちづくりに注力している点を高く評価しております。
結びになりますが、シブヤを笑顔にする会は、誰もが笑顔で暮らせる渋谷区を実現するために、全力でその役割を果たしていくことを表明いたしまして、議案第15号令和4年度渋谷区一般会計予算の賛成討論といたします。
⑩特別会計について
シブヤを笑顔にする会を代表いたしまして、議案第十六号 令和四年度渋谷区国民健康保険事業会計予算、議案第十七号 令和四年度渋谷区介護保険事業会計予算、議案第十八号 令和四年度渋谷区後期高齢者医療事業会計予算のそれぞれにつきまして、賛成の立場から討論いたします。
まず、令和四年度渋谷区国民健康保険事業会計予算についてです。歳入歳出予算額は254億8,518万円と、前年度より額にして14億9,667万9千円、率にして6.2%の増となっております。予算増の主な理由は、療養給付費の増によるものです。特別区ではこれまでも独自で、一般財源を投入し、保険料の負担軽減を図っており、令和4年度は新型コロナの影響を考慮して、約2億3,000万円を増額、保険料の上昇抑制を図っています。
合わせて、健康増進につながる特定検診やオンラインでの面談など保健指導を推進、システム改修に関してRPAや納付方法の拡充等によって、効率化が図られることでの区民サービスの向上など、適正な予算と考えます。
次に、令和四年度渋谷区介護保険事業会計予算についてですが、歳入歳出予算額は167億5,187万2千円と、前年度より額にして11億5,880万6千円、率にして7.4%の増となっております。
重層的支援体制の準備期間ということで、新たに2名の生活支援コーディネーターが追加されます。また、福祉保健委員会でも力を入れて提案しておりました認知症予防プログラムの取り組みが新規でスタートします。専門職のアドバイスも取り入れながら、運動、知的活動、座学などのプログラムを組み合わせた効果的な対策になることを期待します。
最後に、令和四年度渋谷区後期高齢者医療事業会計予算についてですが、歳入歳出予算額は67億1,716万7千円と、前年度より額にして7億3,983万7千円、率にして12.4%の増となっております。増えている理由は、保険料負担金被保険者数の増加が見込まれる中で、広域連合負担金が増加したことによるものです。令和4年10月1日から、医療機関等の窓口で支払う医療費の自己負担割合が、現行の「1割」または「3割」に、新たに「2割」が追加され、3区分となり、渋谷区では4,400名の方が対象になると推定しております。変更にあたって、急激な自己負担額の増加をおさえるための経過措置が3年間行われます。また新規として、糖尿病患者に対する保健指導がはいり、重症化を防ぐ事業も始まります。被保険者が増加する中で、持続可能な社会保障システム確立に向けて、保険者としての責務を果たすべく、均衡の取れた予算編成になっていると評価いたします。
以上申し上げて、議案第十六号、議案第十七号、議案第十八号、それぞれについての賛成討論といたします。
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