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私が苦手なHigh five

主に喜びを分かち合う動作として、アメリカでよく行われるHigh five(ハイファイブ)。日本語だと、「ハイタッチ」となるようですが、これ、和製英語。

さて、私が感じる限り、High fiveは、日本のものというより、アメリカのものです。スポーツの世界などでは、日本もアメリカも同じなのかもしれませんが、私を悩ませるのが、日常生活でのHigh fiveです。

アメリカに8-9年暮らす今でも、私はこのHigh fiveが苦手です。苦手、というよりも“Awkward”(ぎこちない)という言葉がぴったり。理由は、たぶん二つ。

理由その1:慣れていない

日本人ではない人のお辞儀に、どことなく、ぎこちなさを感じたことはありませんか?おそらく、私のHigh fiveは、彼らのお辞儀と同じなのです。Nice to meet you!のときの握手は、ある程度しっかりにぎらないと印象が良くないといわれます。ではHigh fiveは?相手の手のひらが出された瞬間、『思いっきり叩くの?』『強すぎて、痛かったりたり、驚かれたりしない?』などの思考が、私の頭をよぎります。その結果、1テンポ遅れ、しかも「パン!」ではなく「ポン!」といった音が聞こえそうな、あいまいなHigh fiveになってしまうのです。

理由その2:いろんなバージョンがある

ひとえにHigh fiveといっても、いろんなバリエーションがあります。手のひらをパチンと合わせた後にゲンコツを合わせる、フィストバンプとのコンビネーション。さらにそのフィストバンプが「シュワ~」とか「プシュ~」とかの声付きではじけるバージョン。コロナのおかげで、フィストバンプに代わり、肘を合わせるエルボーバンプなるものも流行りました。頭の上ではなく、腰の高さあたりで手のひらを合わせるLow fiveなるものだって存在します。もちろん、HighとLowのコンビネーションだって。よって、High fiveを求められると「来た」とまず身構え、そしてどのバージョンなのかを見定めようとする私。なんだかリズムが狂う訳です。

考えてみると、私のこれまでのHigh fiveの場面は、ほぼ仕事の場だったように思います。忙し日を共に乗り切ったとき、阿吽の呼吸で作業がスムーズに進んだとき、よくやったね!の気持ちを伝えるとき、などでしょうか。ということは、相手は一緒に働いている仲間、もしくはボス。お互いのことも分かっているので、私の戸惑いや、ぎこちなさも、笑って受け止めてもらえます。それも含めてコミュニケーション。ありがたいものです。

一方、私が半ばパニックに陥るのが(笑)、野球場でのHigh five。オークランド・アスレチックスファンの旦那さまと、シーズン中は何回か野球観戦に出かけます。基本、お菓子でも食べながら、のんびりと野球を楽しむのですが、そんな中で、心ひそかに私の緊張度がグィーンと上がる瞬間があります。それは、応援しているチームがホームランを打ったとき。前に座っている席の人たちが立ち上がり、大歓声の中、くるりと振り返ります。その瞬間、私の頭はフル回転。え?手はどこ?どこ?どれ?どれなの?何?何なのーーー?!かたまった笑顔で、妙に手をバタバタさせ、挙句の果てに控えめな「ヨイショ!」のHigh fiveで返してしまう私。Awkward...

あぁ、悩ましいHigh five、いつか上手にできる日が来るのだろうか。。。

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