少し前に東京で起きた地下鉄出口で硫酸を使った傷害事件がありました。
その後の報道がないから詳細は不明ですが、その時にマスコミで報道されていたのが「タメ口」が原因の一員だったということ。
大まかにいうと口の利き方が問題となりますが、これは学生時代の些細なことではなく、社会人となってもこれが原因で恨みを買ったり、問題となったりすることが多いと思います。

昔、ある企業から相談を受けた退職勧奨の案件でユニオンと団体交渉事案になったことがありました。交渉中に相手方から出たものの中に

「上司からタメ口で指示されることが屈辱的だった。その謝罪もないと受け入れられない」

というものがありました。上司にヒアリングしましたが命令口調ではなく、「これをこうやって直して」「すぐに電話して」と言ったことだとの証言がありました。周りに簡単に聞き込みした感じでは恐らく間違いないようした。本人はたとえ上司であっても社会人同士なんだから「敬語」で話すのが常識であり、そのことをたびたび上司や先輩にも伝えていたようです。その中で上司と一部の先輩だけ真剣にとらえていなかったようで、「これはハラスメントになるのでしょうか?」と心配していました。

タメ口をきいていただけでセクハラやパワハラになるかは微妙だと思いますが、個人的にはその程度で円滑なコミュニケーションが図れるのであれば考慮しないのは上司として管理能力に欠けるかな?と感じることがあります。そのため、毎年、新人管理職向け研修と定期的におこなう管理職向けの研修時に「言葉遣い」の重要性について伝えています。

いろいろなところで発言していますが、「人のもめ事のほとんどは感情論」です。同じ言葉、同じ場面での対応でも、感情的に面白くないとき、よく思っていない人に対しては悪感情が出ます。特にスマートフォンが浸透して、日常的にネット閲覧が可能となったことにより「コメント」を誰もが気軽に読み書きできるようになりました。これにより2ちゃんねる(現5ちゃんねる)的な書き込みをすることなどが目に付くようになり、これにより日々の言動もこういったものに引っ張られている人が増えているように感じます。

心が変われば行動が変わる
行動が変われば習慣が変わる
習慣が変われば人格が変わる
人格が変われば運命が変わる

言葉による行き違いや、騒動は遥かギリシャや神話の時代から問題となっている物語も多く、それだけ教訓として文章に残されていることが多い事柄です。ハラスメントなどの研修などよりも先にこういった基本的な学びも企業研修には必要なことだと感じています。

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