見出し画像

9月11日に札幌地裁にて、異性同士の事実婚には支給される扶養手当等が同性であることを理由に認められなかったのは、法の下の平等を定めた憲法に反するとして北海道の元職員が道などに損害賠償を求めた裁判の判決がありました。

判決で道等の規定では同性婚の関係は含まれないとして訴えを退ける判断をしました。結果的に憲法違反かどうかそういった内容については今回判断されていませんし、今回の趣旨には関係ないため追求はしませんが、扶養手当の支給等についての相談はたまに出てくることがあります。

ちなみに、私が賃金規定やDX化による賃金制度の変更、相談を受けたときに、最近必ず聞く質問があります。それは賃金制度を

1.本人の家族等を含めた生活のための給与制度
2.少し前からが増えてきた。本人の仕事の内容や本人の仕事の能力に対して評価する制度

どちらの考えにするのかといったものになります。当然ですが、どちらにするのかによって扶養手当などの諸手当を支給をするのか、または基本給を中心としたシンプルな賃金制度にして、毎年本人の評価等によってそれを見直す制度にするのかなどの考え方が変わるためです。日本で今まで賃金の減額等が争いになった場合、裁判所はほぼ必ずと言っていいほど本人へ支払う賃金を大幅に減額する事は認められないといった趣旨の意味で大きな金額の変更を認める事はありません。今まで大企業を中心とした賃金制度は扶養手当や子供手当、住宅ローンがある人の住宅手当など、その人が生活するための援助をするような手当を作ることが多くそれを含めて賃金設定をしていました。そのため裁判所がこういったことを言うのはある程度理解ができると私は思っています。

しかし、数年前からこういった評価制度を見直すといった動きも出ており年功序列的な賃金をやめて本人の能力に即した給与を払うへといった考え方が出ています。最近であればジョブ型雇用といったものもあるようですかその中身を見たりしていると、あくまで今までの給与制度を軸に評価をするだけのようなものが多く純粋に欧米、特にアメリカなどの企業のようにやる仕事の内容ややる業務の内容によって、年収が大きく変わるようなことをする企業はベンチャー企業も含めてほぼないのが実態だと思っています。最近の若者が賃金について不満を述べるときに、歳をとった長く働いている人が賃金を多くもらっていて、仕事に見合っていない給料もらっているのが不満だと言うことを言う人が増えています。欧米でも完全に能力給だけで賃金制度を行っているところは、そんなに多くないと言うのは外資系の人事部からよく話を聞いていますので、これを完全に導入する事は難しいと思いますが、今後は新卒で入ったばっかりや入社して数年しか経っていなくても能力に見合った仕事をするのであれば、今の課長や部長級の給料支給すると言う考え方も定着してくるのかもしれません。そういった場合、今回問題となったような扶養手当等兵の制度は廃止されていくことになると思っています。今回の給与はいわゆる公務員の制度のため、公務員制度の賃金がいきなり変わると言う事はあまりないかもしれませんが、弊社に賃金制度の変更や評価制度の依頼をされたときには年功序列的な制度を止め、またこういった諸手当を一切なくして、その分基本給に組み入れるといった賃金制度を作っていることもあります。まだこの制度で争いになった事は経験していないので、これが有効と認められるのか、訴訟の判断で無効とされるのかといった事は分かりませんが、このような不用意の問題が、今後様々な考え方が欧米から取り入れたり、また発生したりすることによって想定しないものが生まれてくるリスクは高いと思っています。そのため賃金制度をシンプルに、そして評価をしっかりと考えるそういったことをアピールすることが人不足解消に役立つこともあるのではないかと思っています

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?