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[ウエスト・サイド物語] "WEST SIDE STORY"(1961)

レナード・バーンスタインによるあまりにも有名なミュージカル。おそらく中学生のころに初めて観たのだったか。当時はVHSだった。画面中央にでかでかと「Intermission」という文字が表示されたのに驚いた記憶がある。え、これって、早送りしていいの?と。あれから15年以上は経っていると思うけれど、変わらず大好きな映画。思えば、家には「サウンド・オブ・ミュージック」のVHSもあった。自然に見せてくれていた親に感謝だ。
だいぶ前になるが、この作品のシネマティック・コンサートに行ってきた。スクリーンに映し出される映画に合わせて、オーケストラの生演奏を聴けるというコンサートだ。指揮は、レナード・バーンスタインの弟子である佐渡裕氏。「クリック音に合わせて"振る"のは大変」とのことだけれど、素晴らしい演奏だった。佐渡氏によるバーンスタインの楽曲はこれまで何度も聞いてきたけれど、映像に合わせて聞くのはとても贅沢な体験だった。序曲の一音を聞いただけでちょっと泣きそうになった。
(ちなみに佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2010「キャンディード」も観ている。「オン・ザ・タウン」や「ワンダフル・タウン」主要楽曲も佐渡氏の指揮で聞いている)

オープニングから心が躍り、エンドロールまで飽きさせない作り。ストーリーは「ロミオとジュリエット」の現代版だから、これといって突っ込む必要もない。ただバーンスタインの諧謔味あふれる音楽性を随所に感じられて、ダンスも画作りも、いつまで経っても色あせない作品だと思う。血沸き肉躍るという言葉はこのためにあるのではないかと思う。

ダンスパーティの出会いのシーンの美しさも忘れられないし、「America」はぴーちくぱーちく歌いあう女性たちがとってもキュート。「Tonight」は、日本語訳の歌詞が自然に口をついて出てくるのはどこで覚えたものなのだろうか…。中学時代は「今夜だけは~」と歌っていた記憶がある。

名ミュージカルは数多くあれど、いつまでもこの映画が自分にとってはNo.1なのだと思う。そして、公開から50年以上経っても、まだ人間は同じことで争うし、人間は同じように恋をする。人種のこと、格差のこと、いろいろな社会問題は解決してほしいけれど、世代の違う人が同じ共感を抱けることは、嬉しいようで切ない。
ちなみにどうでもいいけれど、私は昔からトニーよりベルナルドが好きだった。

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