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上達を実感するとき

 「将棋が上達したなぁ」と実感するときはどんなときですか? 勝てなかった相手に勝てた時や昇級した時でしょうか。 今回は勝ち負けに関係なく「上達を実感できたとき」について書きたいと思います。

 それは、Abemaビデオで郷田さんと羽生さんの対局を先崎さんが解説しているビデオを見ていた時でした。

第62回 NHK杯テレビ将棋トーナメント 準決勝第2局 羽生善治三冠 対 郷田真隆棋王(2013/3/10放送)

・最終盤で羽生さんが放った、ちょっとまがった△8六銀
・先崎さんと矢内さんが「△8六銀?」となっている時に、△8六銀の意味に気が付いた郷田さんのしぐさ
・△8六銀の意味に気がつき、「(驚きのあまり息を吸ってから)そうか!なるほどっ!羽生さん天才!」と名解説をしてくれた先崎さん
・「鳥肌が立ちますね」とファンの気持ちを代弁してくれた矢内さん

 リアルタイム(2013年)でも見ていたと思うのですが、何度見ても飽きない対局のひとつです。

 先日、お酒を飲みながらこのビデオを見ていた時のこと。いつもはあまり集中して見ていない序盤をふと見たら、なんとゴキゲン中飛車だったのです! 私が良く指す局面と同一局面になり、「そうそう、ここでどう指してよいかいつもわからないんだよなぁ」とつぶやいていました。

 リアルタイム(2013年)の頃、私はゴキゲン中飛車を指していませんでした。勝ち負けにこだわりすぎるあまり、得意戦法しか指さなかったからです。

 それが1年位前から、勝ち負けにこだわりすぎずに将棋を楽しもうと思った私は、いろいろな戦法を指すようになり、ゴキゲン中飛車も指すようになりました。

 以前の私はゴキゲン中飛車の指し方を知らなかったため、この名局を最終盤しか楽しめていませんでした。ところが今の私は序盤から終盤まですべてを楽しめるようになっていたのです!

 羽生さんは、「七冠王の頃と自分と今の自分が対局をしたら、どちらが勝ちますか?」という質問を受けた時、以下のように答えていました。
 「勝負はやってみないとわかりません。今の自分が勝ちたいという希望はありますが(笑)。ただ、今の自分の方が将棋を理解していると自信を持って言えます。」
 
 勝たなくても「将棋が上達した」と実感できるところが、将棋の奥深さではないでしょうか。

おしらせ
 毎月最終金曜日の夜、将棋の森さんで「Shogi Fun Night」が開催されます。私はいつも飲み将として参加して、将棋の話題で盛り上がっています。ご都合の良い方はぜひご参加してみてはいかがでしょうか?

#羽生善治 #郷田真隆 #先崎学 #将棋 #将棋の森

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