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【大学生インタビュー・留学編】直感に従い行動することで、非連続な学びを得る

皆さんこんにちは。Campusful運営の光山(こうやま)です。

このnoteは、大学生の皆さんを対象に、少し先を行く先輩方が「あの時知りたかったこと」を経験談を交えながらお伝えしていくメディアです。

今回インタビューに応じてくださったのは、東京大学工学部3年(取材当時)の木村晟さんです。

非常に冷静な性格でありながら、最後は直感に従い思い切った決断を何度もされている木村さん。
牧場での仕事や留学など、論理的に考えただけでは到底できないような濃い経験をいくつも積まれています。

大学生活をどのように過ごせば良いか悩んでいる大学生の方にとって、大いに参考になるお話となっています。
「少し先をゆく先輩」の生の声、ぜひご覧ください。

ー本日はお時間を頂きありがとうございます。まずは木村さんの高校時代以前のお話をお聞かせください。

大阪の公立の進学校に通っていました。部活動も盛んな高校で、僕はバスケ部に入部していました。朝練などもしっかりしており、部活動は楽しかった思い出が多いです。

一方で勉強面でも進学を意識して1年生から塾に通っていました。家で勉強ができないタイプであることは早々に自覚をしていたので、夜遅くまで塾の自習室にこもって勉強をしていました。

東大を目指した理由は大きく2つあり、1つは進振り制度があることです。大学での学問について高校時代はまだイメージを持てていない状態でしたので、大学2年生の時点で進学する学部・学科を選択できる制度は非常に魅力的でした。もう1つは、一人暮らしをしたかった、というものです。

ーまさに文武両道ですね。大学入学直後は多くの選択肢があるかと思いますが、どのように考え、行動をされましたか。

1年生の時は運動会のボート部での活動に注力していました。
部活動は非常にやりがいがあり、充実した日々を送っていました。ですが一方で、部活動以外の活動にも取り組みたいという想いが抑えられなくなってしまいました。ボート部の皆さんには非常にお世話になったので葛藤もありましたが、1年間でボード部を離れる決断をしました。

そのタイミングでコロナ禍となりオンライン授業に切り替わりました。今ではオンライン授業にも慣れていますが当初はそのことに対する不安もありました。そこで様子見を兼ねて休学し、別の活動にチャレンジすることにしました。部活動を辞めたことで自由に使える時間が増えたことも、新しいチャレンジへの後押しになっています。

具体的には北海道の農家で働くことを決意しました自分で行ってみたい農家さんを探し、直接メールを送りました。コロナ禍ということもあり5件断られましたが、6件目で隔離を条件に、北海道の牧場で受け入れを認めて頂くことができました。また、牧場以外にも果樹園でも働かせて頂いています。

ーものすごい行動力ですね。なぜ牧場で働こうと思ったのでしょうか。

よく聞かれます(笑)。北海道への憧れがあり、一度住んでみて生活を体験したい、という思いが一番の動機です。

正直申し上げて、完全に論理的に行動理由を説明することはできません。一番の理由は「とにかくやってみたいと思ったから」です。心の中に湧き上がる思いを大事にしました。論理ももちろん大事だと認識はしていますが、それ以上に従うべきものがあると考えています。

ー牧場での生活はいかがでしたか。

農家さんの仕事と完全に同じものを任せて頂きました。
10月から12月にかけて参加させて頂いたのですが、朝4時に起床し、氷点下で乳牛の世話をしました。
体力的、気温的には辛い部分もありました。ですが、北海道の農家の生活は自分の肌に合っていることがわかったのは収穫です。
お世話になった農家さんから一次産業の後継者の問題など、今の日本の農業が抱える問題をお話し頂いたりもしましたし、総じてとても有意義な体験でした。

酪農か果樹園か、などは迷っていますが、将来アーリーリタイアをして農業をしたいという気持ちは一層強まりました。
欲を言えば、まだ体験していない漁業にも若いうちにチャレンジしてみたいです。

ー論理的な意思決定からは辿り着けない、とても有意義なご経験ですね。牧場でのお仕事以降のお話もぜひ聞かせてください。

元々留学に興味があったので、チャレンジすることにしました。
IBPという、留学支援を行う企業のプログラムに参加しました。IBPは海外で現地の大学に通い、さらに実際に現地企業のインターンシップにも参加するプログラムです。
どうせ留学するのなら単なる語学留学以上の学びを得たかったので、IBPのプログラムに参加することにしました。

IBPではコーディネーターの方が丁寧に話を聞いてくださり、留学すべき理由などを掘り下げてくださいました。そして最終的に留学する決意が固まりました。

今年(2022年)の4月から、マレーシアの大学に留学しています。講義はオンラインでワークショップは対面という、ハイブリッド形式で行われています。
東大での専攻は理系(工学部)ですが、こちらでは経営やマーケティングアナリティクスなどのビジネス系の学問を専攻しています。
現在留学を開始して2ヶ月が経過しており、来月から現地企業でのインターンにも挑戦したいと考えています。

ー大きく成長できそうな留学方法を選ばれましたね。実際にどのような学びがありましたか?

語学についてはもちろん日々学ぶことがあります。
それ以外にも、現地の経済活動に直接触れることで、多くの学びや気づきがあります。

例えばですが、マレーシアでは日本のコンビニの中でファミリーマートが一番人気です。
他のコンビニチェーンは日本の商品をそのまま展開したのに対し、ファミリーマートはおでんの味をトムヤムクン風にローカライズして販売したところ大ヒットしました。おでん以外の商品でもファミリーマートは現地用の施策を打ち出しており、圧倒的に店舗数を増やしています。

また、勉強に対する学生の熱量は総じて日本よりも大きいと感じています。自分が国を牽引するんだ、という気概を感じます。同世代の方のそのような姿は、自分自身を省みる機会にもなっています。

ー反対に留学で苦労していることがあれば教えてください。

語学の壁は高いです。
留学して2ヶ月で、講義や同級生の話の内容を聞き取れるようにはなりました。ただ、話に入っていけないことが多いです。
とにかく英語が今の最大の悩みです(※)。

ー若くして多くの濃いご経験をされていますね。話は戻りますが休学は勇気のある行動だと思います。悩んだり自問自答したりすることはあるのでしょうか?

僕自身はかなり考え込んでしまう性格です。性格が慎重なので、「今これをやっていいんだっけ?」という疑念は常に頭の片隅にあります。
マレーシアに来てからも、日めくりカレンダーをつけて、毎日5分程度自分を見つめ直しています
ただ、最後は自分の心の声に従い、直感で決めています。休学についても両親から何も言われなかったわけでは無いですが、自分の思いを信じて、説得しました。

ー不安があるからこそ日々内省し、結果的にそれが木村さんの人生の細やかな軌道修正につながっている印象です。今後の展望をお聞かせください。

学部卒業後に就職をするか、大学院に進学するかで迷っています。大学院に進学するのであれば博士課程まで進学したいので、大きな分岐点です。

この1年を通して、働くことが楽しいと感じるかどうかで考えてみたいです。もし働くことを楽しいと思えたら、そのまま就職する可能性も大いにあります。
もしもっと専門分野を究めたいと思えば大学院に進学すると思います。その場合は海外の大学院を受験したいです。

ー内容の濃いお話をありがとうございました。最後に後輩の大学生の皆さんに向けたメッセージをお願いします

僕自身も日々勉強の身ですので恐縮ですが、一つお伝えできることがあるとするならば、日本の学生はまっすぐ過ぎるのかもしれません。求められたこと以外のことについて考える機会は少ないのではないでしょうか。
将来何の意味があるかは今は分かりませんので、周りの声に流されずに、直感的にやってみたいと感じたものは積極的にやってみることをお勧めします。

論理も大切ですが、ぜひご自身の感情も大切にしてもらえればと思います。

※編集部注

インタビューの途中で、留学先の仲間への溶け込み方についての話題になりました。Campusful編集部の留学経験のあるメンバーがその時話した内容を載せます。留学先で同じお悩みがある方の参考になれば幸いです。

  • こちらの話し方が拙くても頑張って拾ってくれる優しい人、良い人を見つけて、まずその人から仲良くなるようにしました。グループで話している様子を観察していると、大体目星をつけられます。

  • 当時は飲み会があったので、飲み会で変なダンスを披露して仲良くなったりもしました。飲み会で仲良くなる、というのは万国共通のようです。

  • 結局は人対人なので、言葉ももちろん大事ですが、相性が良い人を見つける、というのが一つの解決策だと思います。

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