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【批評】5月の亀島一徳「時間に支配されない生き方。自分に献身亀島一徳」

自粛生活真っ只中の5月。太陽燦燦な外の世界と裏腹に、部屋の中はどんよりとしていた。連日起床時間は15時あたり。就寝は5時、下手したら7時なんて日もあり、とにかくひどい生活を送っていた筆者である。筆者がそんな生活をしているということは………そう。亀島一徳も同じ生活を送っていた。

自粛中とはいえ、片付けなければいけない仕事はそれなりにある。それに、健康のことも心配だ。しかし、今は自粛なのだ。その大義名分を掲げ、大いに自堕落な生活を満喫していた。筆者には自宅作業のルールというか、なんとなくの決まった雰囲気のようなものがある。それは「夜ご飯食べ終わったら今日は終わり。残りの時間はボーナスステージ」というルールである。つまり、起床してから夜ご飯を食べ終わるまでが勝負なのだ。ここさえ乗り切れば、何もしなくていい。こういう言い方をすると「昼間の間頑張って働く」という高い意識を感じるかもしれないがそうではない。「昼間、どうにか時間を潰し逃げ切れば、1日何もしなくてもいい」クソみたいなルールである。筆者は必死であった。逃げ切るためにわざと長く寝た日もある。起きてからなんとなく体調が悪い気がしてぼーっとし続けた日も何度もあった。そうして夜に辿り着けば、もう何の心配もいらない。夜なんだから。夜ってのは休む時間だ。

さて、夜がやってきた。何をしよう。亀島一徳とテレビゲームでもしようか。一緒にドラマを見るのもいいな。胸躍らせていた午前0時。亀島一徳が動く。

なんと、パソコンを弄り始めた。真剣な面持ちで画面に向かう姿を見るに、ソリティアをやっているわけではなさそうだ。亀島一徳は、作業を始めた。もう一度言うが、時刻は午前0時である。驚いた私は声をかける。
「何…してるの…?」
「あぁ、ちょっと片付けちゃおうと思って」

開いた口が塞がらない。

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