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こんぶの感想記

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小説、漫画、映画、ゲームなど、自分が見聞きしたコンテンツに対する感想をまとめていきます。物語に対する所感が多く、グラフィカルなものに対する意見は少なめです。
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記事一覧

天気の子をたまたま愛したからではないよ。

天気の子をみた。 ぼくは「周りのことなんてどうでもいいから俺は俺のやりたいことをやる」って感じの話が好きだ。現実でもそういう生き方をしている人に憧れる。 法が人権を認め、インターネットが普及し、やりたいことは、なんでもできる社会が整いつつある。 しかし依然、何者にもなれていない。 愛を持って、何かを捨ててまで突き詰めたいことなんかも、ない。 それでいいじゃんって話なのだが、それでいいじゃんとは当の本人も割り切れていない。 そんなだっせー大人に刺さるのが帆高であり、

こんぶの感想記のもくじ

このnoteは「マガジン:こんぶの感想記」のもくじです。 ● 感想文は作品紹介じゃないぞ できればはじめに読んで欲しい感想についてのお話。 映画の感想● 「カランコエの花」 -後悔できる心- ● 「ボヘミアン・ラプソディ」 -境界を超える力- ● 「湯を沸かすほどの熱い愛」は勇気を沸かす ● 「万引き家族」は無力なのか ● 「フリクリ プログレ」でわからなかったこと ● 「ショーシャンクの空に」希望をみる ● 「アイアンマン」はバカ天才 ● 「ズートピア」を望む人 本の

感想文は作品紹介じゃないぞ

これからnoteに感想文をまとめていく上で断っておきたいことがあったので、今回はそのことについて書きます。 感想文に求めること感想文には、その人が感じたことを書かなければなりません。そこが最低限守られていれば、どんな文章であれ感想文だと思います。だから私が感想文に求めることはその作品の概要ではなく、その作品への共感や反論です。 紹介文に求めることその作品を知らない人、もしくは知りたいと思っている人に向けた文章は紹介文です。感想文とは違います。インターネットに溢れる文章には

「カランコエの花」 -後悔できる心-

下北沢のトリウッドで「カランコエの花」という映画を見た。 LGBTを題材としているけど、本筋はLGBTと違うところに流れているので、そういう話に興味がないなとおもっている人にもおすすめできる。 とてもおもしろい映画だったので興味がある人は見てほしい。上映している劇場は限らているので公式サイトで確認していただきたい。 この記事の構成を読み進めるほどネタバレが多くなっていくようにしていく。なので、興味が出た段階で読むのをやめて劇場に向かうのもいいとおもう。 リアリティまず

「ボヘミアン・ラプソディ」 -境界を超える力-

話題になってるボヘミアン・ラプソディを見ました。Queenを全く知らなくても楽しめると思います。曲しか知らなかったぼくも楽しめました。てかめっちゃおもしろいので見て。 フレディが俺たちの音楽は境界を超えるみたいなことを言っていて、それがすごく刺さったのでそのことについて書きます。 ● 演者と観客に引かれる境界 ここでいう境界とは、演者と観客、発信するものとそれを受け取るものに引かれる線を差します。フレディは「俺はパフォーマーだ。観客の求めることをやる」「詩はリスナーのもの

「湯を沸かすほどの熱い愛」は勇気を沸かす

Amazonプライム会員なら無料で見れます! #中野量太 監督の「湯を沸かすほどの熱い愛」を見ました。 人に勇気を与えるものってなんだろう?と考えることが多いです。 多くの人や作品から勇気をもらって今の自分があると思います。 できれば自分も誰かに勇気を与えるような仕事をしたいと思います。 この作品を見て感じたのは、愛こそが勇気を与えるのかもしれないということです。相手を真剣に思い、それを伝えることが、勇気を沸き起こさせる数少ない道なのではないかと。そこには大層な思想や

「万引き家族」は無力なのか

第71回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールに輝いた、是枝裕和監督「万引き家族」を見ました。 一度見ただけでは登場人物の関係性や抱える問題を全て追いきれませんでした。そのため、この感想には、多分の誤解が含まれていると思います。その部分ご了承の上、ご覧ください。 大きく感じたのは何とも言えない無力感でした。 そのあたりを中心に書いていきたいと思います。 家族愛はどこからやってくる家族愛のお話だと私はとらえました。血の繋がらない者たちが一つ屋根の下で暮らす。年金や万引きで稼いだ

「お金2.0」がお金の話じゃなかった

いまAmazonプライム会員だと ¥0 で読めるみたいです! ●「お金2.0」がお金の話じゃなかった そんなことは,いろんな記事で言われていそうです。 持続可能な経済システムに必要な要件。 既存の枠組みの中で戦わず,新しい枠組み作りでの競争。 お金にならなかったことに価値がつきやすくなる。 シェアと分散化。 などについて,書かれていました。 少し前から,心や脳の構造を知ることが,よいゲームを作るために役立つと考えていたので,その考えを裏付けするような内容が多く,とても

「フリクリ プログレ」でわからなかったこと

なにか作品を鑑賞するときに作者のインタビューとかそういう作品の外にあるものを持ち出しながらああだこうだと言うのは好きじゃない。 いや厳密には好きだけど,一番最初に作品に触れるときには,そういう外の情報というのをできるだけ排除して見たいと思っている。 商業的なものであるならなおさらそうであるけど,その作品の面白さのベースラインはその作品内で完結するはずで,さらにいうとベースラインが面白さを超えないならそれはもう面白くなかったという判断でいいと思っている。 つまり,後付のコ

アプリゲームのレビューを100本書きます。

【 もくじ 】 - ことのいきさつ - ログを残そう - テンプレートをつくろう - 宣伝募集! ● ことのいきさつ 学生最後の春休みに@cobaltr_blueとアプリゲームを作りたいと思っています。手始めになにをすればいいのか。アイデアのつくり方という本いわく、アイデアをつくるためには情報を集め吟味することが不可欠とのことです。影響を受けやすいぼくは「なるほど!」と手を打ち、ゲームを作る前にゲームを遊ばなければと考えたのでした。 ● ログを残そう 善は急げ。しかしちょ

アイデアの魅力

ジェームス W.ヤング 「アイデアのつくり方」を読んだ。以前「考具」という、これまた発想法に関する本で紹介されていて、それ以降、様々な場面で目にすることが多く、段々と「この本は歴史的名著なのかもしれない」と感じて購入するにいたった。 率直な感想としては、アイデアを生み出したい人すべてにおすすめできる。それくらいの良書だった。この本の帯にも書かれているように60分で読み終わるので、発想法に興味がある人は気軽に手にとってみて欲しい。 世の中にはアイデアマンと呼ばれるような、次

熱狂の種火はどこに

箕輪厚介さんが書いた『死ぬこと以外かすり傷』を読みました。 なにか一つに熱狂し,バカになって飛ぶことがいかに強く心を満たすかについて書かれています。 【もくじ】 - 熱狂の矛先を見つけるのは難しい - 首を突っ込んでいけ - 具体的には - 信念のありか - 熱狂の根っこ - 熱狂の種火 = 違和感 - ズレを解消する - 違和感に薪を焚べる ● 熱狂の矛先を見つけるのは難しい 熱狂することの大切さは私も身をもって感じています。そして,多くの人が何かに対して熱狂したいと願

「ショーシャンクの空に」希望をみる

視座が高い人というのは、どこか落ち着いている。集団の中に一人いれば、すぐに見分けがつく。主人公のアンディも例外ではない。アンディはいつだって少し高い場所から先をみている。その先には希望がある。 希望は劇薬かこの映画の主題は「希望を持つべきかどうか」だ。 希望があれば生きる勇気が湧いてくる。 希望があれば屈辱に耐えることができる。 でも、希望がついえたときの反動は大きい。 生きるための希望が奪われれば死が待っている。 期待は失敗したときの苦しみを増大させる。だから希望を持つ

「アイアンマン」はバカ天才

レンタルだと¥199で見れる。 周囲でマーベル熱がすごく、世界的に盛り上がっている証拠なんだろうと思います。 これだけ盛り上がっているんだから見てみるか、という気持ちになり、友達の勧めもあって『アイアンマン』を見ました。 フリ落ちから生まれるテンポ感そんなバカなことあるわけない → ある 俺はそんなことしない → する 絶対に安全 → 爆発 といった、即落ち2コマのような展開が終始続いて痛快です。 大概、言葉と行動は裏腹だし、世界にはいつだって手のひら返しが潜んでい