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自分のこれからのために読む 「コーポレート・トランス・フォーメーション」

友人に勧められて読みました。自分のこれからの行く先を知るためにも。切実に思う部分と、これからの未来にワクワクする部分があったので、書留たいと思います。

●構成としては
第1章、2章で日本の失われた30年について書かれています。その原因が日本的経営モデル「カイシャ」モデルであると。JAPAN AS No1の成功体験から変われず、茹でガエル状態の日本の企業の今の立ち位置を示しています。全ての企業が変わってるのではなく、CXできている企業もあることにも言及してます。

3章、4章で、CX出来る組織、そうなる為の方法論を述べています。基本大企業の話がベース。

5章で中小企業、地方の可能性、この分野こそ日本がCXで変われる部分だと述べています。

6章では企業を超えて、国、世界、個人がCXが進んだときどうなるかで締めています。

●読んで感じたこと
私が働いている企業こそ、その30年を作ってしまったカイシャであり、自分自身も変われていなかった、その思いを強く持ちました。後悔と言うより、いまさらですが現実を見たと言う感じです。

著者の冨山さんは、私が働いているカイシャの社外取締役でもあるので、本の中で、そのカイシャの今のありさまについて言及してる部分がありました。

『松下幸之助さんが家電製品を手掛けた動機が、当時の家事は本当に重労働で、主婦をそこから解放することにあった点に共感したからだそうだ。やはり日本人でも大創業者は「そもそも論」から発想するタイプの人間だったのだ。ちなみに幸之助さんが制定し、今も生き続けるパナソニックの理念中の理念、「私たちの遵奉すべき精神」を見て欲しい。まさにそもそも論が並んでいる。逆に家電のかの字も、製造業のせの字も書いていない。家電を大量生産・大量販売するビジネスを選択したのも、日本的経営スタイルを先行的に確立したのも、ここに書かれているそもそも論をその時代において自らの才覚、組織能力で実現する最適な手段として選んだのである。若き幸之助さんが現代に蘇ったら、パナソニックに関してもおそらく大規模なCXに取り組むことは間違いない。』

そもそも論。

経営理念がしっかり有れば手段などなんでもいい。その時代において最適な手段をとって、世の中に貢献すればいいのだ。

松下幸之助創業者の声が聞こえるようです。

幸之助創業者は、昭和が終わった平成元年1989年に亡くなられました。その2年後の平成3年1991年に私は今のカイシャに入りました。当時はまだ松下の名前がついてました。バブルが弾けた年です。それから29年、まさに失われた30年をカイシャと共に生きてきました。

冨山さんが触れていた、「私たちが遵法すべき精神」は7つあって、いわゆる行動指針、バリューです。

詳しくはこちらから。その他の経営に対する理念も明記しています。↓


この言葉は、社員研修や日常にも、出てくる言葉で社員にとって当たり前の言葉。毎週の朝会で、この言葉をみんなで唱和すると言う、世の中から見れば時代錯誤も甚だしいことを続けているほど身近な言葉です。

しかし、逆を考えれば、当たり前だと軽く思い、この言葉の持つ意味を深く考え、反芻してこなかった。経営者含め、全社員が30年も。

私は、創業者のことをより、知りたくなりました。知ることで、どう変革すれば良いか、自分の歩む道が見えてくるかもと思ってます。

カイシャをトランスフォーメーションすれば、国も個人もトランスフォーメーションする。

そして変わった先に行き着くのが

「時間と場所を選ばない生き方」

これが、本来の生き方であると締め括っているような気がします。


コーポレーション・トランスフォーメーション 日本の会社をつくり変える

       冨山和彦 著  文藝春秋 刊




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