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漫画語りー0. ぼくらだって宇宙人<プラネテス>


  現在アフタヌーンで絶賛連載中の「ヴィンランド・サガ」の作者である幸村誠先生の前作、「プラネテス」。SF漫画であり、今でも根強いファンがいる作品です。ぼくもこの漫画でもっと宇宙を身近に感じることができましたが、泣く泣く本を手放す前に僕が好きなシーンをみなさんとこのnoteで共有しておこうと思います。


あらすじ


  時は2074年、主人公星野八郎太(ハチ)は同僚のフィー、ユーリと共に宇宙空間でデブリ(宇宙空間に漂う役立たない人工物体、通称宇宙ゴミ)回収業者として働いている。デブリはたとえ小さくても宇宙船に少なからず影響を与えるので処理しなくてはならないが、毎回処理してもしても日に日に新しいのが出てくる。そんな絶え間なく続くように見える仕事に疑問を感じたハチは、ある日から一流の宇宙船員としてミッションに参加し、マイ宇宙船を獲得する野望を抱く。しかし、皮肉にも船外活動中の事故から空間喪失症を患いそれをきっかけに以前より独善的な人格に陥ってしまう。そんな中、仕事の新人クルーとしてタナベが加入し、ハチにとって彼女の言動はなにもかも癇に障るのだったが・・・。


好きなシーン①ハチの悟り「宇宙の一部」


  このシーンは自分内面で悩み葛藤していたハチが地球の実家に帰省していた時に、宇宙の関係、自分の存在をふと悟ったシーンです。

ユーリの若き頃のインディアンとの会話でも似たようなことが描かれていましたが、ぼくもこの場面で

地球は宇宙の一部。つまり、地球に住んでる人間も宇宙の一部と考えたらぼくらも宇宙人では?

と認識するようになりました。だから、よく言われる宇宙人は地球外生命体と言った方が正しいのかもしれませんね。


好きなシーン②ハチのプロポーズ「結婚しよう」


  これは、とあることがきっかけで惹かれ合うことになったハチとタナベが、他愛のないしりとりからプロポーズを繰り出す所です。

地球が目の前にある場所でのこのさりげない「結婚しよう」は卑怯です。そして最後に「うん」で終わらせているところも出来すぎた演出かもしれませんが、なんか良いです。ちなみに、この3巻にはタナベとタナベの両親の話もあるのですがそれもほのぼのする話ですので是非。


好きなシーン③木星でのハチのコメント




  少々長くなりましたが、これは葛藤や虚無感から一皮脱いで成長したハチが物語の締めを語るシーンです。

「愛し合うことだけがどうしてもやめられない」

というどストレートに力強い言葉。

解釈は人それぞれですが、ぼくはここでの"愛"は男女の恋愛だけじゃなくて例えば、兄弟愛、家族愛、師弟愛、自然への愛、マザー・テレサやマハトマ・ガンディーのような人類愛、隣人愛なんかも含めていいと思います。

荒れてた時のハチのように、私たちも特に若い時は自分中心な視野で世界を見がちです。

たしかに一人は気楽ですけれど、一人で出来ることはたかが知れてます。

そうして山あり谷ありの人生でいろいろ悩むまくる中で、結局は自分以外の他者を愛するという人間的な本質に辿り着く。

愛を持って自分以外の他者と何かを協力したり共有すれば一人以上の大きな成果や発見を掴めるでしょう。

しかし、ハチが言うように、愛は素晴らしい形にも、時には行きすぎて恐ろしい形にもなり得ます。

だからこそ、ぼくらはこの力をもっとうまく使えるようになれるといい、というかそれを生きる目標にできるといいですね。


まとめ

  実際宇宙空間のデブリは現実問題として今も議論されてる内容だし、今後 近い将来宇宙はわたしたちに身近な存在になるはずですから、宇宙を知る本として『プラネテス』は某大人気宇宙飛行士漫画と同じくらいおすすめです。

 また、漫画ではハチ以外のユーリやフィーにフォーカスしたストーリーもいいドラマです。単行本も4巻と短いので是非一読することをお薦めします!ぼくも早くKindleで買い直すようにしなくては・・・











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