見出し画像

漫画語りー11.「自由」「感動」「真理」を託し、受け継ぐ物語<チ。ー地球の運動についてー>

ついに最終巻の8巻が刊行され堂々完結!
魚豊先生おつかれ様でした!

『チ。』はここ2~3年で連載された漫画の中で最も好きな作品の一つです。

シンプルすぎるタイトルの衝撃もありましたが、中世ヨーロッパで大論争になった「天動説vs地動説」は知識としては知ってたものの、時代背景や説立証に関わった人を漫画の題材にするというのがまず画期的でした。

僕が感じたこの漫画の魅力は、登場人物たちが見せる「何がなんでも命を懸けて後世に繋げる精神や行動力」です。

特に、「理屈っぽく頑固そうなキャラが感情的になった他人の為に行動する」シーンは読んでてめちゃめちゃ熱くなります!

宇宙の話が軸なので、どうしても天文学的な話や、おまけに神学や哲学的な考えも入ってくるため、やや文章が長く、難解な所もありますが、非常に言葉表現が文学作品のように巧みだし、読みやすいようコマ割りも工夫されてるので何度も読み返すことをおすすめします。

<言葉の表現が上手と思った3例>
・ただ吐いただけなのに、「吐き出したのはくだらん常識と積み上げた思い込みだ」と答える(バデーニ)。
・「言わなきゃ・・・」と一旦溜めてからの、「言わなきゃ平穏が。」「言わなきゃ現状が。」「言わなきゃ信仰が。」という言葉を三つ重ねる手法(ヨレンタ)。
・「情熱が暴走の軌跡を経て、時には偉業(うつくしさ)を、時には悲劇(みにくさ)を生む」というルビを使った手法。

8巻なので短いですが、この冊数なのに内容は濃密だし、この冊数だからこそ何度も読み返せます。中世ヨーロッパの時代背景などは非常に勉強になると思うので、是非読んでみてください😊

以下に、個人的に思う見所、好きなシーン、名言をまとめますので、よろしければご参考ください🔽

<個人的な見所>

<個人的名シーン>

<個人的に響いた名言>


おまけ:<ファンアート>

真ん中の木目調の球は物語のキーアイテムです。それを中心に軌道円が囲みます。上の手は、託して天界へ行く側の人です。死なので「血」をイメージしました。
一方で、下の手はまだ現世に生きてる託された側の人です。タイポが土色なので、植物っぽく緑色調にしました。あと、希望的に感じられるので。。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?