14歳を本気で謳歌するのだ

(2008年11月2日 ブログ「松ちゃんの教室」より)

「あの12歳の時のような友だちは、もうできないだろう」

 多感な少年時代の思い出を描いた「スタンド・バイ・ミー」の名台詞。山田洋次監督の学校シリーズ4作目、「学校」外での「学び」を求めて旅に出る主人公は15歳。「キレる17歳」が世間を騒がせたひと頃もあった。

 ちょうどその中間期にあたる14歳は、まさにいろいろな意味で人生の分岐点と言えるかもしれない。そんな14歳に超お勧めの人生読本が、10月に刊行された。『天才バカボン公認副読本 これでいいのだ14歳。』福田淳/赤塚不二夫(講談社・2008/10)

 性転換したIT企業の社長から、境内でカフェを始めた僧侶、そしてパパ's絵本プロジェクトの安藤パパまで、バカボンのパパ並に世間のジョーシキをぶっ壊しながら人生を謳歌する7人の「大人」たちによる対談で構成された1冊。

 そんな「いい歳した大人」たちが、「もっと多様な生き方がある」「本気でやりたいことをやれ」と叱咤激励する、学校では教えてくれない「大人」になるための参考書である。

 中心となった福田淳さんは、ケータイ向け娯楽番組を提供する会社の社長。14歳で観た『スターウォーズ』に人生を決定付けられ、41歳になる今日まで、ずっとその夢を追い続けているという。

 確かに僕自身、紆余曲折はあったけど、今自分のやっていることって子どもの頃にやりたかったことの延長でしかない。思い返せば、小学生の頃から「新聞作り」には並々ならぬ情熱を注いでいた。中学では、何の臆面もなく稚拙なマンガをクラスに掲示してもらったりしていた。結局一貫してやってきたことは、当時からやりたかった「何かを発信すること」なのだ。

 「大人になったら何になるか」でずいぶん悩んだ。夢と現実の間で葛藤もした。でも、「これでいいのだ」と背中を押してくれる何かが、14歳にはきっと必要なのだ。

 先日、中学校の同級生Hさんから数年ぶりに連絡があった。なんでもタイで僕を知っているという人に会って、しばらくぶりに思い出してくれたのだという(遠く海外でそんな知人にめぐり会うとは、世界も広いようで意外に狭い)。Hさんが言うには、「中学生だった当時からかなり個性的だった」らしい。別段、人と変わったことをやりたいと思っていたわけでもなく、あまり前面に出てあれこれ引っ張るのは得意じゃなかったつもりだけど…。でも、当時出会ったすべての友だち、先輩、教師、経験したすべてのことは、現在に至るまで大きな影響を及ぼし続けている。同級生との数年ぶりのやり取りで、そう思わされた。

 そして、いま「大人」としてふるまっているどんなに偉いオッサンや、どんなに立派な聖人君子にも、14歳の時があった。みなさんは、どんな14歳を過ごしましたか? あるいは今、過ごしていますか?


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