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そろそろ考えドキ?モヤる“教会文化”全5回シリーズ(3)新来会者の紹介

 2019年10月、キリスト教放送局 日本FEBC制作の新番組「FEBC Sprout!」の初回ゲストとして招かれて話した5回シリーズ(各15分)。日本の教会に根強く残る因習の中で、特にモヤるもの5つを厳選してツッコミを入れた。時代も社会も変わりゆく中で、そろそろ見直す「考えドキ」ではないだろうか!?

▼日本FEBC 公式サイト

Vol.3 新来会者の紹介

 前回、教会に来て最初の難関である「受付」を無事クリアしたあなた。ようやく礼拝までたどり着き、ほっと安堵したのも束の間。次の試練は、礼拝終了後に突然訪れる。そう、新来会者の紹介という「イベント」である。名前を呼ばれ(しかも間違えていたりすることも多々)、その場で立たされ、全会衆に顔をさらされ、拍手をされ、挙げ句マイクを渡され「何かひと言」…いや、聞いてないよ!! しかもこのご時世、オンラインで全世界に垂れ流されてたりした日には目も当てられない。
 これもおそらくプロテスタント教会ならではの風習。教会側は「よかれと思って」受付で詳細にわたる個人情報を書かせ、「よかれと思って」出席者全員に初めて来た来会者を紹介しようとしてくる。そこにはこれっぽっちの悪意もない。むしろ普段ほとんど新しい人が来ることのない教会にとっては、最大限のおもてなし、あふれんばかりの愛情を伴った理想的ホスピタリティと思い込んでいる可能性すらある。モヤる教会文化は、すべて「無垢な善意」に基づいているからこそ余計に厄介なのだ。
 ちなみに最近の傾向としては、受付の時点で「紹介してもいいですか?」と本人の希望を確認するケースが増えている。

誰もが歓待されて嬉しいわけではないという当然の事実

 ここで気づかなければならないのは、受付と同様、私たち教会にとって都合のいいことは、必ずしも教会を初めて訪ねてくる新来会者(新来者)にとっても都合がいいとは限らないということである。
 今回の放送では、一部の教会で行われている「平和のあいさつ」にも言及した。「主の平和」と言いながら、近隣の出席者と「笑顔で」あいさつを交わすという礼拝内のプログラム。初対面が苦手という人見知りやコミュ障にとっては地獄の時間と言っていい。
 もしかしたら、名前も伏せてお忍びで教会を訪ねてきたかもしれない。家族にも知人にも内緒にしなければならない複雑な事情があるかもしれない。もちろん、アットホームな雰囲気の教会に触れ、優しく声をかけられて喜ぶ新来会者がいることも確かだろう。しかし、「誰もが歓待されて嬉しいわけではない」という、あまりに当然すぎる事実もいま一度確認しておきたい。

モヤる“教会文化” 全ラインナップ

 「受付」に次いで「新来会者の紹介」という難題もクリアできた。おめでとう、恵まれた方! 続けて何度か教会に通うことができたら、今度は別の方角から新手の「刺客」が訪れる。性別、世代別による小グループ、コミュニティへの勧誘である。残りあと2回、メンバーシップ(いのフェスサポーター、いのフェスガチ勢)向けに公開するので、興味関心のある方は、ぜひこちらもご視聴いただきたい。



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