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「便出てません」と言われる

認知症がある方で把握が難しい問題、それは排便。
トイレまでご自身で行けてトイレ動作も出来る。でもいつ排便があったのか分からない。でも確かに(恐らく)出ているのだろう。腹部の張りもないし、食欲もある。腹痛の訴えもない、という感じで私たちは(恐らく)排便あるのだろうという予測を立てます。
でも「便がもう1週間出てません」と。
1週間…食事は毎食全量摂取、水分も摂れていてその凹んだお腹は…恐らく排便ある。その方の居室のトイレを実際見てみたり(もちろんなんの手がかりはありません笑)、たとえば男性であればトイレットペーパーを三角折りにしておき、使った形跡を確認するなどあるのですが、女性の場合は毎回使用するのでこの技は使えない。
便器に汚れがないか、なども見ますがまずない(笑)
トイレに一緒に入って行くことはできないし。
なので、お腹を触らせてもらって、「触った感じ、便はなさそうですねぇ」と言って納得?してもらう感じです。
そこで一旦納得していただけたと思ったら。
まさかの、指を入れてご自身で確認されたケース。
時々おられるのですが自己摘便しただろうという予測が爪を見たらわかるのです。
そして掻き出したけどあんまり出なかった、と。
この方の場合はバイ菌が入るといけないし、腸を傷つけてしまう恐れを話したところしなくなりました。
しかし、皆さん、排便は毎日あるものだと思っていらっしゃるようです。
昔から毎日たくさん出ていたのか、というとそうでもないようで(ここが分からないところではありますが)とにかく排便は毎日あるものだ、毎日ないと不安だ、という考えになるようです。
なので、毎日少ししか出ないと「出ません」という回答になるようでした。

逆もあります。
「便は出てますよ。2.3日に1回です。昔からそんなもんです。」
という会話からしてしっかり認識されているような印象を持ちましたが、
「お腹痛いです」という訴えとともに、よくよく聞いてみると2.3日前に出てはいるがごく少量、しかもその2.3日前も同じくごく少量、その前もだったか…という内容でイレウスとわかった方も。

「出ている」「出ていない」の範囲を確認すること。
聞き方も大事ですし、その方の把握されている内容を細かく聞くことの大事さを学んだケースでした。

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