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ウラールだ!マカピーな日々#0906

マカピーです。
なんと、近所に50㎝ほどのウラールがいたのでした。

今朝の散歩は天候で迷いました。

曇天なのでカワウソが出て来そうと期待して総合運動場へ歩き出したのですが、頭上の黒雲の行方が怪しいのでした。行くべきか?

迷っていると、細かな雨粒を感じたのです!

途中で大雨に当たったらずぶ濡れで帰らねばならないと、考えて「戻ろう!」と決めて家に戻る事にしました。

それでも、近くにサギの姿を認めたので写真をスマホに収める事にしました。

すると、スマホを構えるマカピーの背後を抜けて同じ道路を行く若い散歩者がいたので、50mほど離れてマカピーが後追いする形になったのです。

ところが、途中で彼がぴょーんと脇に飛びのいた場所がありました。

何かあったようです!

やがてマカピーがその地点に来ると道路にロープのようなものがあるのです。

よく見ると「ウラール(蛇)」だったのです。


ね、ヘビでしょう? そりゃ突然見たら驚くわな(笑)

車のタイヤに頭を轢かれたのか、胴体は損傷なく原形をとどめている綺麗なヘビでしたが、見慣れないボルネオのヘビで果たして「毒蛇」なのかどうかよくわかりません。

もし潰れた頭部を持って、口を開けてその牙を見ても、それが毒牙であるのかマカピーには分からないだろうし、無暗に素手で扱わない方が良いと思って写真を撮った後、杖で草むらに放り込んでおきました。


前方のカートを引っ張る女性が野犬群に給餌しているんです!ヤレヤレ

実はマカピーは青年海外協力隊でKudat地区で活動した際にヘビに遭遇しています。

マカピーはその素性を知らなかったのでニワトリ小屋近く捕まえた黒いヘビを日本のアオダイショウと同じように首を持って、村人に見せに行ったのです。

マカピー:「こんなウラールを捕まえたよ」
村人:「おい、何やってんだ。そいつはあぶないんだぞ」
マカピー:「ピュッと唾を吐く、こんなウラールは日本にいないんだ」
村人:「気を付けろ、その唾が目に入ると失明するんだ!」
マカピー:「え・・・毒があるの?(汗)」


ラムサール・サイトでもあるコタキナバル・ウエットランドの看板にサギがいます

マカピー:「じゃあ、どうしたら良いかな?」
村人:「ポトン(切る、つまり殺すこと)しちゃえ。この辺に毒蛇がいるとまずいからな」
マカピー:「うん、分かった」

当時、マカピーは村で活動する際は鍛冶屋さんに頼んで、自分用のパラン(蛮刀)を木のさやに入れて腰につけていたのです。

農作業をするのには重宝するので村人は皆持っていた必需品でしたから。

マカピーはヤシの倒木のところへ行き、腰のパランでそのウラールを切り刻んで近くにあったニワトリ小屋の中に放り込むと、平飼いしているニワトリがワーッと寄ってきてウラールの肉を取り合って食べてしまいました。

後日、調べるとこのウラールは「コブラ」だったと分かったときはちょっと背筋がゾクゾクしました。

以来、マカピーはヘビに手を出さない事にしました!

木から降りて一目散に道路を渡ろうとするリス

そんなある日、一緒に住んでいた同僚隊員のイシミルが共同で住んでいる高床住居の台所に妙なカタマリを持ってきてテーブルの上に置いたのです。

マカピー:「なんだい、その血の付いた肉みたいなのは?」
イシミル:「ああ、さっき仕事の現場から帰って来る時に村人の一人にあったんだけど、そいつは大きなニシキヘビを担いで家に帰るところだったんだ」
マカピー:「え、これニシキヘビの一部なのかい?」
イシミル:「うん、そいつはルングス族の習慣で獲物を持ち帰る時に最初にあった人には、その一部を分け与えなきゃいけないってんで、いきなりパランで頭の下の部分を切り取ってくれたんだ」

なるほど、30センチほどの筒状のカタマリにはウロコのある皮もついています。


コースを変更したから面白いものに会えた?

イシミル:「どうする?」
マカピー:「そりゃ、その村人だって食べるために持って帰って来たんだからオレたちも食べよう!」
イシミル:「どうやって?丸焼きとかステーキとか?」
マカピー:「どれだけ肉がついてるのか分からないからともかく解体してみよう」

なるほど、まず皮をはがすとピンク色の肉が出てきますが、ヘビの骨格は魚の様に背骨からあばら骨が巻くように付いていました。それを除くとあまり肉が残りませんでした。

マカピー:「こんなもんかな?」
イシミル:「じゃあミー・ゴレン(焼きそば)にでも入れようか」
マカピー:「ああ、そうしよう」

鶏肉の味に似たニシキヘビの焼きそばは、またたく間に「若き飢えたる」者の胃の腑に収まってしまったのでした。


次のお話は場所を変えて州都コタキナバル。

そこで定例集会がありドミトリー(事務所兼隊員宿舎)に行くと各地から隊員が集まって来るので、久々に会う顔に賑やかな雰囲気でした。

そこにサンダカン(サバ州東海岸側の港町:かつては日本向けの丸太材輸出港として有名でした)からきた先輩隊員のゼリさんがプラスチック袋に持ってきたものに周囲が騒然としました。

この人はその奇行から、KK隊員のヨッチャンから「怪人」とか「野人」とか呼ばれていたのです。


ね、犬たちが餌を求めて繰り出してきました。危ないんです!

ヨッチャン:「ゼリさんまたサンダカンから変なもの持ってきたんですね。何ですかそれ、肉のカタマリですよね?」
ゼリ:「ああ、勤め先の森林局の同僚から貰ったんで、みんなで食べようと思って持ってきたんだ!」
マカピー:「何なんですか?この黒っぽい皮膚で長いですよ」
ゼリ:「ゾウの鼻!」

そこにいた全員が、ビックリして身を一斉に引いて女性隊員からは「キャーッ!」と悲鳴があがりました。

ヨッチャン:「初めて見たんですけど、食べられるんですかこれ?」
ゼリさん:「オレも食べたことないけど、同僚の言うのには食べられるって言ってたよ!」
マカピー:「じゃあダポール(台所)に持ってゆきます。ティナさん(お手伝い)に料理を手伝ってもらいますね」


近所にある居酒屋け兼日本食レストランのメニュー

マカピーが袋を持って台所に行くとティナさんが来て「それ何?」て聞くので「ヒドゥン・ジャガ(ゾウの鼻)」って言うと目を丸くして「こんなもの食べるの?私は触りたくないわ!」と逃げてしまいました。

ちなみにティナさんはセレベス島のトラジャから出稼ぎに来ていたインドネシア人でしたが、クリスチャンで「ゲテモノ」には手を付けなかったのでした。

結局ゾウの鼻はしばらく冷蔵庫に保管されてBBQ(バーベキュー)の時のスペシャル・ミートとして希望者のみの胃の腑に収まったように覚えています。

これはクラパ(ココナッツ)の中の水を取り出して袋に入れている作業。一つ1リッターほどで4リンギット(120円くらい)

マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。ボルネオのワイルドなお話でした!


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