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単純作業に夢中 マカピーの日々 #1145

マカピーです。
オーキッド(蘭)がびっしりとついた木が切り倒されていました。

「そうだ、ランを這わせたレストラン」て素敵だなあって思ったので、小さな公園を通る散歩の途中だったのでそのオーキッドを2本分ほど木から剥がして持ち帰りました!


これは油ヤシの林に着生したシダ類が朝日を受けている様子

午前7時ころホームステイに戻ってくると、ちょうど農業の先生であるオーナーのサニさんがいたので今朝の収穫物を見せました。

マカピー「ほら、オーキッドだよ!」
サニ:「おお、で、それどうするの?」
マカピー:「公園の倒された木についてたものなんだ。ほらもうすぐ沢山の花が咲くのだからお宅の木に着生させたらカッコイイと思うよ!」
サニ:「あ、そういう事なら裏庭の木に付けようかな」
マカピー:「そうじゃなくて入り口のパンノキの幹に縛り付けたらいいと思うよ?それからそこのあずまやの柱に這わせてもいいかもね!」

何故かサニさんが気乗りしない様子でしたが、やっぱり人目の付かない裏庭に持って行ってしまいました。

どうやら、サニさんは作物に興味があるようですが花卉類は奥さんの領域なのかさほど興味ないのかも知れません。

マイさん宅ではカンコン(空心菜)の種をまいて育てていました!

着生蘭(ラン)の根っこがうまく木の幹を抱き込むように繁殖するには生きた木ではちょっと難しいようです。

枯れ木の樹皮の間に根を伸ばしたりしていますから、ココナツの実を取った部分、コイアって言いますが繊維質とコルク質が混ざった物を緩衝材として使う手もあります。

強制的に針金で縛りつけてもいいのですが、見た目にも悪いのであまり歓迎できません。

ほらね、ちゃんと花が付いているでしょう!

それで先日ロビンの家の前でヤシの皮むきをしている村人がいたのを思い出しました。

そうだ、あのコイアがつかえるぞ!

コイアで縄を作りそれでランを幹に固定するっていい考えじゃないか!

早速、ロビンのところでヤシの実を取った残りのゴミの中から適当な物を拾って来て縄をなう事にしました。

ところが、実際に三つ編みをしてみるとものすごく太いものが出来てしまい頭で描いている、園芸店で売っている「シュロ(棕櫚)のロープ」のようなスマートなものが出来ません。


地面に挿した固い木の先端を鋭利にしたものでヤシの皮を剥がします

1980年代にマカピーが協力隊でマレーシアに来たころは、カンポン(田舎)では小さな店の軒下にコイアで出来たロープがあり火が付いていました。

ユックリとその火が縄を伝わって行くのを利用して、タバコの火を付けたり料理につかう焚き木の火付けに使ったりしていたのです。

つまりマッチを使わなくても良いわけで、フーって息を吹きかけると簡単に炎が付いたりしてなかなかのアイデアなのでした!

当時はマカピーもタバコを吸っていたので、オイル・ライターは持っていましたが「ヤシ紐の火」は印象的でした。

取り出したヤシの硬い殻をもった実があり、割って中の白いコプラを削り取りサンタンとなります

それを作るには、もっとスマートに繊維をそろえる必要がある事に気付きました。

そこでヤシのコイアも一番強い繊維である表皮部分も細かく裂いて、編み込むことにしましたのですが、始めて気付いたのは指先がいたくなるほど繊維ほぐし作業には手間がかかる事でした。

しかも、あまり古いヤシの実でなく表皮に幾分緑が残っているような枯れかかった実の繊維が柔軟性と適度の湿度もありマカピーはヤシの実二つ分ほどを自分の手でほぐしたのでした。

マカピーが夢中になっているので、ハナさんやマイさんが覗き込んで「フーン、上手ね」なんて言われて気を良くして続けることが出来ました。

しばらく夢中で単純作業を続けていたマカピーでした。

ところが辺りが静かなので気が付くと、陽がかなり傾いていてロビン宅の軒下に二人の姿が見えません。

オーキッドを見つけた公園には大きなカシューナッツの木がありました!

ロビンの奥さんに尋ねると、顔で示すように顎をしゃくるのでその方向を見ると車の中に二人がいました。

ああ、呆れてそこで待っていたのね!

というか、ハナさんたちは帰りたかったのにマカピーが夢中になっているのをそっとしておいてくれたのでした。

ヤレヤレ

3mほどヤシ縄をなう事で来たのでそれを持ってホームステイに戻る事にしました。

ちょうどタイミングよくサニさんが庭先にいたのです。

マカピー:「またもや、残りのオーキッドも全部取って来たんだ。だってあのままじゃ地面に押しつぶされちゃいそうだからね」
サニ:「おお、沢山あるね!」
マカピー:「そうなんです。それで自分で縄を作ったので一緒に渡しますね」
サニ:「はーん、よくこんな手間の掛かる作業をしたもんだなスゴイ」


壊れていたと思っていた扇風機に羽を付けて回転させるとはスゴイ

と、喜んでくれました。

ところがサニさんは結局こちらの希望の通り着生蘭を見える所ではなく、またもや裏庭の片隅で人目につかないところに着生させるのでした。

ヤレヤレ

マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。ランが嫌いなのかしら?




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