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マノンの決断 マカピーの日々 ♯1482

割引あり

マカピーです。
久しぶりにマノンに会い、その後彼を家の近くまで送ることになりました。

マノンは約80歳のフィリピン老人です。

35年間単身マレーシアで暮らし家族に仕送りをしながら生きて来たそうです。

聴くところによると彼はかつて製材工場で働いていたようです。

オイルパーム(油ヤシ)畑を作るために広大な土地の木材伐採が行われたのでボルネオ島北部マレーシア国サバ州各地では相当量の木材がきりだされたのです。

ところが、オイルパーム園開発が終わると、当然ながら森林資源が枯渇し製材工場閉鎖がとなるとマノンも解雇されました。

彼は製材工場が持っていた近くの土地に移り住み、仕事に選んだのがパンの行商でした。

自転車の荷台に大きなかごをくくりつけ、朝の2時ころ暗い中ヘッドライトを点けたマノンは街の中心地で売る菓子パンなどを仕入れ、住宅地で売り歩く行商を何年も続けていました。

マカピーが彼の存在を知ったのはこの町に来る前の事でした。

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