どっかで見たことがある名前なんだけどね。マカピーな日々#0461
マカピーです。
『上善如水』という言葉があります。
もともとは中国、道教の始祖である老子の説いた言葉で「上善は水のごとし。水はよく万物を利してしかも争わず」がもとの言葉です。
それで、お酒のみの皆さんはよくご存じかと思いますが、そのこの言葉を銘柄にした越後の清酒があります。
最初に、これを飲んだ時に「おお、ちゃんとお酒なんだね!マカピーはは水にほんのり酒の香りがしてい程度かと勘違いしてた!」と言ったら連れ合いに大笑いされました。
「そんなもの商品になるわけないじゃんか!そもそもうまい酒だから水みたいにガンガン飲めるってわけじゃないぜ」と言われて、ナルホドと思ったのですが、その時に頭の隅に引っかかるものがありモヤモヤしていました。
久々に群馬の実家に行くと、母がまだ亡くなった父の遺品が整理が出来ないでいると言われ、「お前さん、まだ使っていない帯を持って行きなさい」と部屋に入り、箪笥から浴衣にちょうどよさそうな琉球帯を手渡してくれたのでした。
この部屋はかつて祖父母が暮らした部屋でその後に父母が引き継いでいていました。そもそも築110年となる大きな養蚕農家を4年ほど前に全面改装したのですが父母の部屋とキッチン、トイレ、風呂はそのままでした。
部屋を出ようとした時に、ふとかもいにある額縁を見ると「上善如水」とあるではないですか!
ああ、思い出しました。
祖父が生きていた頃、この書は玄関正面に飾ってあったものでした。ちょっと特別扱いされていたのには訳があって、この書は福田赳夫さん(ふくだたけお元首相)の揮毫でした。
そこには赳夫書とあり、さらに祖父の名前があるのでこの書が祖父に進呈したものである事が分かるのでした。
マカピーは子どものころから「上善如水」を毎日眺めていたのに、その名を冠した酒を飲むまで気づかなかったという情けない話なのです。
当時この地域は福田赳夫さんの選挙地盤でもあり、更に福田さんの後に首相となる中曽根康弘さん、小渕恵三さんも同じ地区で、選挙では相当賑やかな土地柄であったのでした。
祖父はマカピーが生まれた年に村長選挙に立候補しています。母によると対抗馬がなく無投票になると思われた登録期日直前に、こともあろうに選挙参謀を務めていた方が立候補し激戦の末、祖父が落選しました。
田舎の村長職ではあるけれど、選挙運動と言っても当時は接待合戦だったようです。
連日の炊き出し等の選挙活動?で現金・預金は底をつき、米びつも味噌醤油薪炭の類まで見事にスッカラカンになったそうで、かろうじて婿養子で来た父の実家の支援を受けて田畑を売却せずに済んだそうです。
(あーあ、民主政治の根幹をなす選挙活動も昔はこんなもんです)
家の改装する側の書棚を整理していた時に、古い農業日誌が出てきてペラペラとめくっていると、どうやら父が祖父と一緒に県内の有線電話を引く作業員として泊まり込みの出稼ぎしている記述がありました。
それは、選挙での借金を返すための農閑期の出稼ぎだったと分かりました。
その後もマカピーが4歳くらいになるまで父はその仕事を継続していましたが、なぜ父が電柱での作業ができるのか今更ながらによく分かりました。
マカピー祖父はその後家族の猛反対(特に母と祖母)を受けたことから、再度村長選に出馬する事はありませんでしたが、県議会議員の選挙参謀などを務めていましたから政治には、かなり興味があったのでしょう。
マカピーが「おじいちゃん、マカピーはアジアの国家選挙管理委員会で仕事をしたことがあるんだ」なんて言ったら、果たして祖父とはどんな会話になっていたでしょうか?
「マカピー、選挙違反はしちゃだめだぞ。でもな、もしも警察に捕まっても、決して口を割っちゃだめなんだ。分かったか?」
思い出の中でマカピー祖父はフフッと笑ったのでした。
マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。海外でもちゃんと在外選挙人登録して投票しています!
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