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ハリー叔父のバイク マカピーの日々 #1429

マカピーです。
久しぶりにバイクで走りましたよ!

ハナさんの治療というより影響で、ハリー叔父の態度に変化が出てきました。

床屋を呼んで整髪をしてスッキリして、「いい男が戻って来た!」とみんなで喜び会いました。

「そういえば海水浴に行こうって言ってなかったっけ?」とマカピーが言うとそこにいたマリア達もみんなが顔を見合わせたのです。

「あ、運転だったらボクがやるよ。今日フォーチュナーに乗って慣れたし、初めての道路でもグーグルマップがあればOKだからさ」

その後話題が移りあまり関心が無さそうなのでマカピーは部屋に戻って寝てしまったのです。

ところが今朝ドアを叩かれ目が覚めたんです。

「何かあったの?」

「え、今から海水浴へ行くの?」

こうして雇った運転手とマリアとフレディ夫妻と我々合計6人で3時間かけて太平洋側の海岸の町へ出かけたのです。


向こうは太平洋

ハリー叔父の決定は彼のお客であるマカピーが希望したから、というよりも彼自身から希望したようでした。

おお、ハリーに積極性が生まれて来たかな?!

車の補助席に座るハリー叔父は痰が詰まるので時々咳き込んだ後で停車しドアを開けてペッと排痰するのです。

これも脳梗塞の後遺症の一つらしく、ハナさんはかつてのクリニック兼住居が貸し出されていたので、それを預かっていた親戚を訪ねて有効期限内の薬や吸引器(ネブライザー)を回収して来て、昨晩からさっそくハリー叔父に使い始めました。

就寝中も排痰困難で苦しんでいたのが軽減したそうです。

ハナさんはマリアに使用法を伝えたのでハナさんがいなくなっても大丈夫だそうです。

海に到着してハリー叔父を下車させ借り上げた休息所に座らせると、さっそく昼食の準備です。

慣れたもので炊事道具一式にポータブルガス台を持ってきていますから後は新鮮なカツオ、イカ そしてタホン(アオヤギ)を近所から買って来ました。

おお、シイラだよねー

マカピーは海の様子を見て戻った後でハリー叔父が海に行きたいというのでフレディと二人で両脇を支えながら砂浜を歩くのでした。

情けない話ですがこれまでマカピーは半身不随となった方の介助をしたことがなかったのです。

麻痺側にいて分かったのはフレディと同じ様に脇に腕を入れて支えると痛いと言われ腕を持ち上げるのですが、マカピーにとってはこの姿勢が結構辛いのです。

しかもハリーの左足がダランとしているから右足を前に出して左足を引き寄せる様にするとつま先が砂にめり込んでしまうのです。

ああ、そういう事なんだ!

フレディは1人で介護する際は、姿勢を低くして左脚のふくらはぎを少し持ち上げていました。

右側でハリー叔父の体重を支えているのがマカピーにも分かるので、マカピーがつま先がめり込まない様にしました。

なかなか思う様にゆかず熱い砂の上での苦闘の末、波打ち際で膝まで浸かった後で、浜に引き上げられた小型漁船の日陰に座らせる事が出来ました。


砂が焼けて熱い

マカピーはハリー叔父が漁民らしき人と話していたので1人で海で泳いだのでした。

フレディも食事準備で戻るのですがハリー叔父の体を横たえ船陰で全身砂をかけ隠しました。

ああ、それって良いかもね!

ハリー叔父は時々咳き込んでも首だけ外に出ているので自由に排痰しているようでした。

三十分程して砂から叔父を出して海水で砂を落としてから、またえっちらおっちら昼食のテーブルに戻りました。

昼食後シャワー室でもう一度洗って着替えをするとこざっぱりし、ハナさん達のカラオケを聞いていました。

日が傾いて来たので車酔いする山道をもどり夕食のテイクアウトを買って戻ったら午後8時になってました。

夕食の後でフレディ達が酒を飲み始めたのですがマカピーはシャワーを浴び自室で横になっているとハナさんが呼びに来ました。

オートバイの後でハナさんは患者を診てました

「明日乗るオートバイを見て!」

「え、今度はオートバイなの?」

ハリー叔父は3年前にホンダの150ccバイクを買っていました。

もうそのバイクに乗れなくなってしまいましたが、マカピーが乗るなら貸してくれると言うのでした。

ところがマカピーにとってこのバイクは想像を超えていたんです。

まずイグニッションキーが無い!

ディスプレイもまるで車の様です。

燃料計も燃費表示あるんだ!

まあ乗ってみて、と言われ、サイドスタンドを戻しまたがってバックするのですが動かない。

何とクラッチレバーだと思った左レバーは後輪ブレーキだったのです!

え、と言う事はこのバイクは「オートマチックじゃんか」

腰掛けるスクータータイプですが強力なエンジンで夜の農道をラクラク走れるのでした。

すごい安定性です!

それでもマカピーにはバイクの限定解除受験のため徹底してにニーグリップ(両膝で燃費タンクを)が大切だと叩き込まれた影響で、はさむものが無い不安感が残るのでした。

しかもUターンする際にハンドル切ってもヘッドライトもディスプレイも車体と一体なので何とも奇妙な感覚なんです!

それはマカピーが若い頃ホンダXL250SとかヤマハXS650を乗っていた頃の乗車感覚だったからだとわかりました。

今のバイクってこう進化してたんだ!

家に戻ると「良いバイクですネ。慣れれば乗れそうです。ところでヘルメットはどこですか?」とハリー叔父に尋ねると彼は動く右手をヒラヒラさせて言いました。

「ヘルメットをしたことないんだよ!」

「え、ずっとノーヘルだったの?」

「もっぱらクルマに乗っていたからね」


こうした三輪車だと相当疲れます

こうして明日のハナさんの元患者訪問はクルマで行く事になりました!

マカピーでした。
最後までお読み頂きありがとうございます✨ 長い一日だった




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