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仲間の脱落 マカピーな日々#0936

マカピーです。ボルネオ島北部マレーシア国サバ州にいます。
出張中にユスフさんが緊急入院しちゃったんです。

マカピー達の出張はユスフさんの車で出かけています。といっても彼は運転が好きなのですがあまりに低速なのでマカピーが代わったり、今回はもっと若いジュルさんがいるので彼に任せる事が多かったのです。

初日の4人の旅は冗談を言ったりワイワイと賑やかで、ユスフさんも独特のウイットに富んだジョークをいって周囲を笑わせていたのです。

この花ってよく見かけるけど・・・

目的地のホテルに着き、しばらくすると何か食べるものが欲しいというユスフさんが沢山のジュースとお菓子を買ってきてご満悦でした。

ユスフ:「マカピーはヤシの水が好きだからこれを買ってきたよ。ボクはパイナップルジュース」
マカピー:「ヤシの実ジュースの缶。しかもタイ国製だよ!こんなに沢山どうするの?」
ユスフ:「部屋の中の冷蔵庫に冷たいジュースがあると幸せだろう?」
マカピー:「・・・そうかなあ」

ユスフさんは部屋にあった備え付けの水のボトルも冷蔵庫で冷しておきました。

ホテルの裏でヤシの実を落としている人がいました


明日の準備の打ち合わせを兼ねていつものレストランで食事をとることにしたのですが、ハナさんは「前日ほとんど寝ていなかった」とベッドに入ってしまい3人で出かける事にしました。

ハナさんは車の中では眠れないタイプで、疲れがどっと出てしまったようです。

マカピー達は、それぞれセルフカフェテリアでご飯におかずをよそったのですが、ユスフさんは相変わらず野菜が嫌いで牛肉の煮つけが二切ほどのった白飯に黒くなるほどショーユをかけ相変わらずパイナップルジュースに追加の氷水を一杯頼んでいました。

レストランに来る前に既に食べていたのでユスフさんは、自分の皿が空になると「猛烈眠いんだ。ホテルのベッドに入りたい」というのでマカピー達もそそくさと食事を切り上げてホテルに戻る事にしました。

部屋に戻るとユスフさんは冷たくなった水を飲んで、あっという間にベッドで大イビキをかいて寝入ってしまいました。


この山は鍾乳洞がありアマツバメの巣(ツバメの巣)が回収できるということでした

異変があったのは明け方の2時半頃でした。
マカピーがなんだか目が覚めてしまい、トイレに行って戻ってくるとユスフさんが「食あたりなのか、苦しいんだ」と言うのです。

薬があるかと言うので、めったに使わない「赤玉」胃腸薬と「新三共胃腸薬」のうち赤玉の方をあげました。

それを冷蔵庫で冷たくなった水で飲むと、しばらくしてトイレに駆け込んで嘔吐してしまいました。

少し落ち着いたと見えたので、スーッとする新三共胃腸薬をあげるとハナさんが起きてきて「どうしたの?」と尋ねるのでした。


やっぱり取ったばかりのヤシの実には勝てない

ユスフ:「どうも、食あたりのようなんだ」
ハナ:「夕食に何を食べたの?」
マカピー:「牛肉と白いご飯それにショーユを沢山。パイナップルジュースも。食事中に眠いと言って帰ってきてすぐに寝ちゃったんだ」
ハナ:「冷たいジュースは、食事の前も飲んだでしょうに。しかも食後すぐに寝ちゃダメなのよ」

そう話している間にもユスフさんはトイレで吐いて苦しそうです。

ハナ:「ジュルさん、ユスフさんを近くのクリニックに連れて行ってこの注射を打ってもらって!」
女医だけあってすぐに処方箋をかいて二人を送りだしました。

しばらくすると戻って来たユスフの様子を見て「どう、注射は効くでしょう?」と声をかけると「ボク注射が嫌いなんだ」というユスフさんにハナさんは「何を馬鹿な事言ってるの、飲み薬では吐き気も収まらないから処方してあげたのに!ちょっと何の薬を貰って来たのよ、見せてちょうだい」

このあたりの海にはワニ(イリエワニ)がいるらしい

ハナ:「これとこれはまあ普通の薬ね。何よこれ!腹痛の患者にこんな薬を出す医者がいるの!とんでもない。ユスフさんこれは飲んじゃダメよ」

しかし、ユスフさんはもう返事をするのもつらい状況となっていて、どうもかなり危ない状況になって来たようです。

マカピー達には日曜日ながら今日も仕事がありますけど、そんな事言っていられません。

一方ユスフさんを病院に入れても、その面倒が見られないので100㎞程離れた場所にユスフさんの娘家族がいるので、ユスフさんに了解を得てその近くの病院に連れてゆくことにしました。

ジュルさんがユスフさんが途中具合が悪くなり3回も休憩を入れながら送り届け戻ってくると既にお昼になっていました。

その日は資材をしないで購入して届ける予定でしたが、殆どの資材店は中国人経営もあって「教会の日」である日曜日は閉じていて買い物ができませんでした。

その間に、ユスフさんの娘から地元の病院では内臓疾患の専門医がいないので別の地方都市に転院させることにしたのですが搬送中に血圧が危険なほど高くなったのでまた元の病院に戻ったというのです。

そりゃヤバいじゃない!

マカピー達3人はユスフさんのもとに駆け付ける事にしました。ハナさんはできれば詳しい病状を知りたかったのもありました。

ほぼユスフさんの娘さんの住む町に入ったところで、ハナさんが娘さんに連絡すると「もう別の都市病院に転院」したというのです。

おいおい、ちゃんと連絡してくださいよね!

急遽車は行き先を変えて更に2時間ほど走って、その病院の救急外来に駆け付けるとバイタルのモニターや尿道カテーテルを付けられたユスフさんがベッドに横たわっていました。

一日前に冗談を言って笑っていたユスフさんはそこにはおらず、大きなおなかの別人がいるような気配でした。

ハナさんが声をかけると「ありがとう。来てくれたんだね」と酸素吸入マスクを外しながら話してくれましたが、やはり辛そうです。


コタキナバルに帰る道。時々雷雨に見舞われます

息子のイジャンが飛行機で駆けつけていました。
ユスフさんはイジャンに何か言って持ってこさせたのは冷たい水のペットボトルでした。

ユスフさんはそれをうまそうに飲んでいましたが、マカピーもハナさんもそれを見ないように後ろを向いていました。

絶食言いつけられていても、守れない父子がいたわけなのです。

翌日、マカピー達は買い出しを済ませそれを現地に運び込んでいると更なる情報が入りました。

ユスフさんはコタキナバルの病院まで500㎞の酷い道を揺られて移送されることになったというのです。それに合わせてマカピー達が使用している車も家に戻すことになりました。

本当に、それでいいのかなあ?
ユスフさんの容態は、やっと救急治療室から一般病棟に移ったばかりなのに。

旅の途中でいろいろな事が起こるのでした。

綺麗な海ですね!

マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。マカピー達もユスフさんの車を戻すべくコタキナバルへ帰る道中です。

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