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マングローブ林で考えた マカピーな日々#0945

マカピーです。ボルネオ島北部マレーシア国サバ州にいます。
[Kotakinabalu Wetland]に行ってマングローブ林を歩いてきました。

そのラムサール・サイト(ラムサール登録された保護区)は、ハジさんのいえから歩いてたった5分ほどの近さにあるのです。


ラムサール・サイトから川が流れ込むリカス湾

で、その前を通って総合運動場のコースを歩く朝の散歩に出かけながら、「開園時間が朝の6時だったらいいのに!」と自分勝手な事を思っていたのですが、結局いつまでたっても実行できていなかったのでした。

これじゃマズイと思って日曜の午後に強い日差しの中、Wetlandへ出かけてきました。

なんでウエット(湿地)なのかと言えば、川がリカス湾に流れ込む湿地にマングローブ林が形成されているからです。

道路建設に伴い干拓事業があったので、昔の海岸線は今よりずっと内陸部であったことがその地形から分かります。


こんな道路標識もあります

そうなんです、都市化に伴ってこの「ウエットランド」の敷地に至るまでの湾からの川も人工的な水路になったのでした。

本当に、面白いところをラムサール・サイトにしたものです!

マカピーは、なんだか「面白い事が起こりそうな予感」でワクワクしながらウエットランドの施設を訪れると・・・「???」全く人の気配がしません。

開店休業中かな?

記帳ノートがあるのでマカピーは日付や、国籍などを書き込み、受付のベル鳴らすと「パパイヤ鈴木さん風」の若者が小窓から挨拶してきました。


駐車場がいっぱいになる事なんてないだろうなあ(笑)

彼はアズミールさんでここのを管理するNGOの職員でした。

マカピーは入園料の15リンギットを支払いながら、彼にあれこれ聞いてみました。

マカピー:「以前ここに日本人がいたって聞いてるんだけど?」
アズミール:「ああ、JOCV(青年海外協力隊)の方ですね。2019年までいましたが、COVID-19の影響で更新が出来ていません。いま再度の派遣を依頼しているのですが、手違で手続きが遅れていて2024年になるそうです」

マカピー:「実はボクもJOCV経験者で、ずいぶん前だけどクダットにいたんだよ!」
アズミール:「本当ですか、そりゃすごい。今は何をされているんですか?」
マカピー:「こっちに戻ってきて仕事を始めているんです」


園内施設の案内板

アズミール:「ところでシローさん(仮名)を知ってますか?」
マカピー:「ああ、彼は同じ住宅地に住んでいるご近所さんです。ほらボクの名刺を差し上げます」
アズミール:「本当だ同じ住所ですね。彼もかつてこちらの事業にかかわった事もあって、ときどき家族でここを訪問していたんですよ」
マカピー:「世の中狭いもんですね」

アズミール:「マカピーさん、ウエットランドへの来園は初めてですか?」
マカピー:「そうなんです。毎日のようにここの入口の前を歩いてるんだけど今回が初めてなの!ほら総合運動場側からもここの様子がちょっと見えるじゃない?」
アズミール:「そうですか、じゃあ簡単にここの説明をしますね。ここは2014年にラムサール・サイトに認定されたマレーシアで最新で一番小さな規模で24ヘクタールしかありません。しかも見ての通りコタキナバルの都市化された中に取り残されたユニークな土地となってます」


この根っこ!ゴミ拾いはなかなか大変そうですよ!

マカピー:「ボクは今年の7月ころ総合運動場内の池にカワウソ一家が来ているのを目撃していたんです。ところが今回10月に戻って来たんだけど同じ場所では全然会えないんだ。施設内で繁殖している野犬が多くてその被害を心配しているんですよね」
アズミール:「ボクはここで働いて5年になるけどカワウソを見たのはたった2回だけですよ。マカピーさんはラッキーですね。野犬もそうですが、ラムサール・サイトの隣がゴルフ場なのも都市化の問題です」


根元を見なければ普通の林って言えるかも

アズミール:「これから園内を見てもらえばわかると思いますが、ゴミが沢山あってガッカリするかもしれません。施設の老朽化もありやる事が沢山あります」
マカピー:「清掃するのなら呼んでくださいね、ボクもよろこんで参加しますよ!それに日本からの参加者を募るのもいいなあ。キナバル登山とウエットランド清掃活動の企画があっても面白いだろうなあ。それから日本の動物園や自然保護団体と共同で何かできたらいいね!」
アズミール:「ありがとうございます。でも話が長くなりそうなので、後でメールしますね。どうぞ遅くならないうちに園内を見て来てください!」

デッキウオーク(桟橋)を進むと、左右両側に見事なタコ足状態をもつ根っこがからんだ、そして静かな不思議な空間が広がっていました。

桟橋にはマングローブ林の主要樹木である、オヒルギやメヒルギの落ち葉に混ざって花や長い棒状の種子苗(胎生果)が落ちていました。

ちなみにこれが泥に刺さるとそこから発芽して新たな木へと成長して行くユニークな繁殖方法なんですが、そうやって自然に繁殖できる数は限られていて、人が手伝って泥に挿してあげるとマングローブ林の再生が早くなります。

マカピーは、その種子を見ながら思いました。きっと、幾本かは川の流れに乗ってリカス湾へ、そして更に旅をしてどこかの国の海岸で芽吹くこともあるかなあって!

桟橋の手すりには園内で見られる動植物の解説がありますし、ところどころに施設内での教室ができるような広場的な場所もあります。

静かなのは来園者がものすごく少ない事にありました。園内で出会ったのは若いカップル一組だけで、日曜日でこれだけしか来ないのでは入場料が期待できる施設ではない事が良く分かります

それでもここに来れば、「環境」と「開発」について考えるよい機会となります。

マングローブ林で見かける種子(胎生果)

特に若い人たちにはここから沢山の事を学んでほしいです。

学校のフィールドトリップとしては規模も小さいながら、いいサイズでしょう。実際に学校からの訪問もある事がセンターの掲示板で分かりました。

これだけの施設があり研究者が活動しながら、子供たちの野外教育や環境教育ができる場所として日本との関係が深まればいいなあって思いました。

コタキナバル市内から車で10分の距離にあります。皆さんも是非機会がありましたら是非訪れてみてください!! マカピーのおすすめです。


死んだ若いオオミズトカゲにアカアリが群がっていました。このアリにかまれると相当痛いです!

マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。行って見ればわかる事がある!







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