トカゲと少年 マカピーの日々#1022
マカピーです。
人によって命のとらえ方も様々なんでしょうね。
マカピーが村の未舗装道路をゆっくり車を進めていると、車の前の道路を横切る物体がありました。
体長30センチほどのオオミズトカゲの幼体でした。
マカピー:「おらおら、ボヤボヤしていると轢いちゃうよ!」
ハナ:「え、どこ行った?・・・ああ大丈夫、慌てて車の前からでたから!」
ところがマカピーの車が発進したとたんの事でした。
マカピーの後ろに控えていたオートバイがバリバリとアクセルを引いてそのトカゲを轢いて立ち去って行っちゃったんです!
あらららら
ハナ:「なんてことよ!こっちが逃がしているのに、なんで轢き殺しちゃうのよ!」
マカピー:「良く分からないけど、あの少年にとってビヤワック(トカゲ)は邪魔者だったのかな?」
ハナ:「それでも無用に殺していい命なんてないのよ!」
マカピー:「そうだね」
大きな道路でも沢山の動物の死骸が転がっています。
車に轢かれちゃったんですね。
一番多いのがこのオオミズトカゲでしょうか?
体重10㎏を超える大物も被害に遭っています。
次には犬が多いという感じですね。
もちろん多くの人は轢きたいと思って殺したのではないと思います。
時速100㎞くらいで走っていると急ハンドルで避ける事はコントロールを失い事故につながりかねないので「轢いてしまう」選択をするわけです。
え、マカピーはどうですって?
はい、今だから正直に言いますが、協力隊時代に貸与されていた車で犬とニワトリを轢いちゃいました。
ザンビアで地方出張中は3台の4輪駆動車で走行中、沿道の村から飛び出してきたブタを先頭車両が轢いた時はバンパーが壊れ、白煙が上がりました。
マカピーは後続車だったのですが「村人を轢いちゃったのか?」って怖くなりました。
この時はドライバーが強く出て「道路に動物を出すんじゃない」という事で死んだブタの損害賠償もせずにこわれたバンパーを針金で縛りあげて立ち去りました。
ボルネオ島北部のマレイシア国サバ州には沢山の民族が暮らしています。
協力隊時代そのうちバジャウ族の村を通過する際はかなり気を使いました。
というのも彼らはムスリムだけでなくかなり戦闘的な部族だと言われていてその村の道路でニワトリを轢いたら、ヤギを弁償する。
ヤギを轢いたらカラバオ(水牛)を、水牛を轢いたら・・・は忘れましたが
人を轢いたら、その場で殺されるだろうという事でした。
その対策としては、「立ち止まらずにバライ・ポリス(警察署)に行き村人を轢いてしまったので私を牢屋に入れてください」と報告しろというのでした。
そうしないと、村人が復習に襲ってくるので身柄を警察に守ってもらうための手段だったんですね。
実はバジャウ族の村ではない別の部族の村で、祭りで酔った年配者が中国系金持ちの車に轢かれて死亡すると、そこに集まって来た村人たちに惨殺されてしまう事件が発生してしましました。
首謀者と言われた村人は30年くらいの刑期だったと思います。
部族は関係なかったんですね!
トカゲを轢いた少年のバイクの事は、もちろん部族とは関係ない事柄ですが虫でもひねり殺すような感覚には悲しいものがあります。
そうした感覚とはマカピー達が人生経験を積んできたから分かった事なのかも知れません。
実は子供の頃アマカエルを捕まえてその肛門に麦わらやクラッカー(花火)を突っ込んで殺すようなことを平気でやったりした世代としては「似たようなことをしてたかも?」って思うのです。
ただしマカピーは友達たちと違って意気地がなく「殺す」遊びが怖くて近づけなかったんですけどね。
不思議な事に夕食を食べているとハナさんがスマホの写真を見せてくれました。
ハナ:「ワタシの犬が轢かれて死んじゃった!」
マカピー:「え、犬飼ってたの?」
ハナ:「フィリピンの家でね。不在中だからそこの村人に飼育をお願いしていたんだけど」
マカピー:「それは残念だったね」
ハナ:「うん、可哀そう!」
マカピーでした。
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