え、あなたは? マカピーの日々 ♯1602
マカピーです。
イフガオ州での活動に集中するのですが、例外もあります。
どうしても病院から見放された肺ガン患者を毎日訪問しているからです。
今日はフローレンスのガソリンスタンドでの患者さんが多く、お昼頃に出かけるつもりが最後の患者を診て遅い昼食をとると午後3時間半を回っていました。
ハナさんに薬を持たないで良いのか尋ねたのですがバッグに入れたもので足りると言う事でした。
プラナスと言うのがその土地の名前でマガット・ダムからの灌漑水路沿いに沢山の養殖池が展開されていました。
マカピーはハナさんの治療が始まると三十分はかかるので徒歩で養殖池を見にゆく事にしました。
灌漑水路沿いの道路に出ると用水路にかかる橋がありました。
私設の竹を使ったものでギシギシしますが大丈夫そうです。
そこにトライシクルがやって来て止まったので運転手を見ると、ハリー叔父宅によく来ていた患者さんの一人でした。
「やあ、こんにちは」
むこうもニッコリしますが、マカピーは橋を渡って反対側の未舗装路をしばらく下ってコンクリートの橋で戻って来るとさっきの運転手が待っていました。
ああ思い出したよ、この人はパスタ(宣教師)でネフローゼ患者です。
え、このあたりに住んでいるんだ。
彼に限らず患者さんたちは随分遠くからやって来るのが実感されます。
「ドクトーラは?」と尋ねて来ました。
やっぱり治療の事かしら?
「あっちの家で治療しているよ」
マカピーが戻るのに息子を乗せたパスタのトライシクルがついて来たのでした。
ハナさんがガン患者の治療を終える前に「パスタと息子に会ったので連れて来た」と伝えておいたのです。
「アラマ、偶然とはいえスゴイわね」
日が暮れかかっているのに近所の人たちがたむろしているのはハナさんに診てもらいたい人たちでした。
昨日子供の薬が無かったのでバッグにしまって置いたものを処方したのは良かったのですが、その後も六人程が診てもらっていましたけれど、薬は持って来ていなかったので処方出来ませんでした。
ほーら、マカピーが心配した通りになっちゃったね。
パスタの治療は横臥した方が良いというのでとっぷり日が暮れたなかを今度はパスタの家に行く事になりました。
こうして行く先々で患者さんが増え、更に偶然にも別の患者に出会ってしまうといつまで経っても帰れなくなり、そこで夕食を出されたので断わらずに一緒に食べたのです。
ハナさんは患者さんから頂き物をしたら必ず喜んで頂く事、食事も出されたら必ず食べる方針でいます。
「よっぽどでなければ、彼らの好意を決して断っては行けないものよ」
フローレンスのところに戻ったのは夜の8時半でした。
ガソリンスタンドは既に店じまいをしてマカピー達を待ってくれたのでした。
そので事の顛末を話して「何処に行っても逃げられないわね」とみんなで笑いました。
今晩からフローレンス家族の古い家にあるイフガオ伝統的家屋で泊めて貰う事になりフローレンス姉のジーナが一緒について来てくれました。
何とここでは井戸水を手押しポンプで汲み上げて使うんですよ!
何と素敵な田舎暮らしでしょう!
マカピーでした。
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