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水たまりとぬかる道 マカピーの日々 ♯1528

マカピーです。
田んぼの中の未舗装路を歩きながら考えました。


フィリピンの田舎町に滞在しています。

滞在先はハナさんの親戚でハリー叔父で、彼は半年前に脳梗塞後遺症で左半身がマヒしています。

彼の家は病に倒れる前に街中から田んぼの中に移動するのでつくった新しい2LDKの家ですし、ソーラーパネル(ポンプ用)があってからちょっと素敵なモダンな家に見えます。

もっとも内容的にはいろいろ滞在に問題があります。

客室にはエアコンが無く、日中は扇風機を回しても暑いのです。

リビングキッチンにも天井扇風機も、台所用の換気扇が無く臭いがこもってしまう構造だったのは、ハリー叔父が本格的に住み始めてから改良して行くつもりだったのかも知れません。


左の叔父の家の前にテントが立てかけてある掘立小屋があります。

今年の4月に会った際に、独り身のハリー叔父の身の回りの世話をするのは、隣の農地を買って家を建てた農民のフレディ家族でした。

ところが、彼らはハリー叔父の農地を小作してその収益の一部を地主に渡すシステムだったらしいですが、ある晩、彼らは叔父の生活費などを持って一時姿をくらましたので叔父はかなり慌てたようです。

その後彼らが帰って来たのですが、叔父との関わりが薄くなっていて新たにタックスという別の男性がハリー叔父の面倒を見ていました。

ところが、そのタックスもマカピーが来ると姿を見せなくなったのです。

ハリー叔父宅の前にある掘立小屋に住んでいると思ったのですが、そこには彼の姿が見えません。

ハリー叔父に尋ねると「町に行った」とボソッと言うだけで、麻痺の影響で彼の発する言葉がよく聞き取れないのです。

もっともマカピー以外とは英語でなくイロカノ語(ルソン島北部言語)をしゃべっているのですけど(笑)

朝から4車線道路は激しく車が行き交っていました!

3日降り続いた雨が上がったので、久々に散歩に出かけました。

田んぼの中の未舗装路はすっかり荒れて「水たまりとぬかるみ」ばかりです。

そういえば日本でこうした道路が少なくなったような気がします。

どこへ行っても舗装路が整備されて、履いている靴が泥だらけになるようなことはなくなっていました。

(もっとも、限界集落などが増えれば昔の状況に戻る事も十分考えられます)

マカピーが幼い頃の日本は、未舗装率が高く、特に群馬の田舎では国道、県道以外に舗装路を見かける事が無かったくらいです。

ですから、道路に水たまりがありぬかるみが出来るのは普通だったんです。

水たまりに入って遊ぶものだから、マカピー達の衣類は泥水でいつも汚れていたでしょう。

きっと野山を駆け巡る子供たちのおかげで母の洗濯は大変だったと思います。


この木の実は食べられるのかしら?

ここでは、洗濯機が無いのでマカピーはバケツにシャツを入れて洗剤をふりかけ洗濯をしています。

それほど汚れているわけではないので洗濯自体は良いのですが、脱水装置が無いので「手搾り」だと干しても乾燥速度がひどく遅い事に気が付きました。

昨日せっかく市場に行ったのに洗濯ばさみを買い忘れたので、乾燥に効く風が吹くと今度はロープから脱落してしまいます。

生活するっていろいろありますね!(笑)

今朝は叔父の息子マーンが来て一緒に朝食を摂った後で、日曜日に山岳地帯の少数民族のところで施した刺青(Tatoo)に薬をつけて落ち着かせていました。

「腫れを防いでいるの?」

「機械彫りじゃないからね。腕首のパターンと少数民族の文字(アルファベット)で4文字入れてもらうのに丸一日かかったんだ」


牛糞に生えたキノコ

「左腕の方も同じ人にやってもらったの?」

「うん、この一つだけ。他の二つは機械彫り。ボクはシンプルな黒一色だけなんだ」

「有名なところなの?」

「平日は人がいないね。でも週末などにはマニラや外国からもそこで彫ってもらう人がいるんだよ。米国人や日本人を見たこともあるよ」

「伝統的なデザインの方が飽きが来ないんだろうね」

「ボクは選んだデザイン(網目)が気に入ってるよ!」

あと一週間もするとデンマークに帰るマーンはベイプ(電子タバコ)をくゆらせながら、ふるさとで彫った刺青を友達に紹介するんだろうなあ。

叔父はかつてバスケットボールの選手だったので180㎝以上ある人で、息子もそれ以上はあるのですがこちらは運動不足でかなり胴回りがタプンタプン状態で、おそらく体重が100㎏はあるでしょう。

さて、足元を気をつけながら未舗装路を歩いて「おや?こんな植物が生えていたんだ」「このキノコは面白いなあ」「この家の穀物貯蔵庫は伝統的なものだから、少数民族の出身かもね」などと考えるのでした。

同じ道でも見えてくるものは違うし、考える事も違うのです。


緑豆の殻から生えたキノコ

田舎の田んぼ道では、殆ど車も来ないしあれこれ考えを楽しみながら歩くことが出来るのはとても気が落ち着くものですね。

セロトニンがでる、朝の散歩は陽の光も浴びることが出来、是非ともおすすめですよ!(笑)

マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。マカピー版「哲学の道」ですね!






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