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ポジティブに生きよう マカピーな日々#0926

マカピーです。ボルネオ島北部マレーシア国サバ州にいまーす。

ユスフさんはなかなかダイ・ハードで憎めない人でした。


荒れ模様のリカス湾

もともとマレーシア国サバ州と言うのは独立前から複雑な歴史的背景を持ち首都クアラルンプールのある半島マレーシア側とは異なるのでした。

一番違うのはサバには沢山の民族が暮らしていることです。

有名どころで言うと、カダザン族でマカピーがクダット地区で村に入っていたのはその亜族的なルングス族でした。そこに首狩り族として恐れられたムルット族(無暗矢鱈と人狩りをしたわけではないですが)などもいますが彼らは基本的に内陸部に展開していた民族です。

多くは白人の宣教師の影響を受けてキリスト教化していますが、SDA(Seventh Days Adventest)の住民もいます。

更にバジャウ族がムスリム化していますが、そこにタウスグ、スルック、ブギスなどの海洋系民族が加わっているのですが、彼らの多くはサバがマレーシアとして独立をした後で、周辺地域から入って来たのです。

サバ州は中国語で「沙巴」と書くのですが「亜庇」(アピ)というのはジュッセルトンと呼ばれた更に前のApi-api(アピアピ)と呼ばれたころの名残で今のコタキナバルを指します。

1960年ころの人口はたったの40万人がいまでは300万といわれているのですから、自然増でそれだけ増えるわけはないわけで、サバ周辺国から流入する人口で複雑化した人種構成となっているのです。

彼らはスルー海近辺に暮らしていた海の民なんですが、スルースルタン王国があってサバ周辺は一時的に貸し出した形だったというのです。
それなのにフィリピンが独立する際に、スルーはそちらに包含されてしまい。
貸し出していたサバの土地も英国北ボルネオ領からマレーシアに合流してしまい「あれ?んぼくたちどこへ行ったらいいの?」的な分割をされてしまったという事です。

まあ、いろいろな解釈があるけど、アラビア半島のベドウィン族の様に国境の概念を持っていなかったのはスルー海の「海の民」にしても同じで、いまだに自由な感じなんですね。


オオバナサルスベリの花

ユスフさんもタウスグ族という事で同じ民族間で話をするとマレー語とは異なる言語を話しますが、マレー語も英語もしゃべります。

現代社会においては多くのサバ人が同じような感じで、所属する民族の言葉、国語であるマレー語そして英語の3つはしゃべることになります。

子どもの頃から慣れ親しんでいた英語の歌も実によく知っていて、歌詞をそらで歌えるのですが、一緒の部屋に寝ていて朝3時ころに目覚めて突然歌い始めるので閉口したものでした。

最初はアザーン(お祈り前の呼びかけ)が始まったのかと思ったのですが、彼は寝ころんだままスマホを眺めてあたりをはばかることなく歌うのでした。

さて、ひょんなことからまたハナさんとユスフさんの3人で旅行することになりました。

ハナさんは事前に「ユスフさん、もう夜明けの歌はダメよ。それからもう少し早く走ろう」と伝えていましたが「ボクの運転がいやだったら乗らなくてもいいよ!」とすねていたのですが「ほら、皆で交代して運転しようね」となだめすかして彼を誘い出すことに成功。

まったくハナさんの交渉力には敬服します。


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そのユスフさん、車の中での話では例の20歳の婚約者?の事をまだ諦めていないのでした。

さすがに、それを聞いたハジさんも「いくら何でも自分の娘より10歳も若い娘を嫁にするには相当な抵抗があるはずだよ!」と言い出す始末。

ユスフさんは「実の娘が、そんな女性と結婚するなら家を出てって言われちゃってるんだ」というので、「え、まだ彼女と続いていたの?先週娘さんと話して諦めていたと思ったんだけど、そうじゃなかったたんだ?」とビックリしました。

娘に状況を説明したハナさんも苦笑いしながら首を振ってます。

ダメだこりゃ。


歩道橋からの眺め、Hiltonホテルが見えますね。

後でハナさんが言いました。
「自分の栄養管理も運動もしないであれだけ肥満だったら膝だって悪くなるわよ、でも変えない。再婚の件も結局二十歳娘に翻弄されているのに、でも変えない。結局人間なんてそうは簡単に今までの習慣を変えられないのよ」

それでも、ユスフさんは今月末にその女性と会う事にしている事が分かりました。

結婚するとなると、婚資(ダウリ)や婚礼式の準備で相当お金がかかるのですが、彼にはその資金が無いというのです。

ハナさんは、ユスフさんたいして「そういう時は『駆け落ち』するのよ!」とかなり無茶な事を言ってます。

マカピーが余りユスフさんを煽るのをやめたら?と伝えると

ハナ:「だって、彼がそうしたいって言うのだからさせればいいのよ。結構うまく行くかも知れないわよ。彼女の両親より自分の方が年上であることを知っているからそれなりに苦労するは承知しているらしいし」

マカピーが車を運転していると、ユスフさんはハナさんにいろいろ相談しては爆笑していたのでどうしたのか尋ねました。

夜のコタキナバルの様子


ユスフ:「ボクはドクター・ハナに今度彼女と会う前に特別の処方お願いしているんだ!」
マカピー:「え、膝の痛み止め?」
ユスフ:「ちがうよ!ほら彼女と会ったら、夜も元気でいなくちゃいけないから萎えないようにしなくちゃいけないんだ」

マカピー:「本当?ハナさんバイアグラの事?」
ハナ:「違うわよ!あんなの使っていたらそのまま死んじゃうわよ。まあ幸せの絶頂で死ぬんだったら、それでもいいかもしれないけど」
ユスフ:「副作用のない強力な武器で、ボクは彼女を喜ばせる事が出来ることになったんだ!」
マカピー:「ユスフさん、リーサルウェポンを手に入れたら他でも使いたくなるんじゃないの?」
ユスフ:「うん、スペアのダーリンがいるからそちらでも使えそうだよ!」


ちょっとおしゃれなラウンジからの眺め

三人で車の中で爆笑しながらの旅は続くのでした。

マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。人間と言うのはすごいですね!


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