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一寸法師のおばあちゃんが教えてくれた事 マカピーな日々#0414

マカピーです。

義母の外来診療同伴で内科エリアで担当医の順番待ちをしていました。

ここにはいろいろな患者さんが来ます。ざっと見渡せば同じように見える景色も、しばらくいると患者とそれに付き添う家族の組み合わせもどれ一つとして同じものがない事に気づきます。

一目で外国人しかも、ほぼインド人だなあっていうおっさんがいました。(いや、もしかするとパキスタン人だったろうか?)

外来用の患者受付や受診場所指示の出ているファイルをいれたフォルダーを出すのですが、彼の英語の対応ができるスタッフがいないようで、インドおっさんはイライラしてあっちへ行ったりこっちへ来たりと、まるで動物園のオリの中のライオンみたいでした。

たびたび立ち寄っては進捗状況を見ているようでしたが、看護師さんが「あと5分待ってください!」と5本指を出して日本語で伝えるのが聞こえました。「5ミニッツ? OK」そして、またウロウロとライオン歩きを始めました。

やがて無事インドおっさんが呼ばれファイルを受けると、「ワカッタ」と入り口の会計方面へ歩いて行くのでした。

見ているマカピーは「ヤレヤレ」とその様子を見ていましたが、内科のスタッフや看護師さんはそんな余韻に浸ることも無く次々に対応に追われていました。(文字通り、看護師さん達は走り回っているんですよ!スゴイ)

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次にマカピーはその受付窓口前にいる車椅子のばあちゃんが気になりました。

ばあちゃんは待合室にいる全員の関心が集まっているのもかまわず、何か大声で独り言をしゃべりながら床をステッキで叩いているのでした。

よく見ると、ばあちゃんはステッキで床を叩いていたのではなく、車椅子を押してくれる人がいないからステッキ(杖)一本で一心に床を掻いていたのでした。

マカピーにはその姿がどこか童話「一寸法師(いっすんぼうし)」の絵の一コマに見えて笑ってしまいました。

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でも、病院の床はツルツルしていて、ばあちゃんのステッキではカメのような速さでしか移動できなかったのです。

マカピーはばあちゃんのところへ歩み寄ってばあちゃんに声をかけました。

マ:「おばちゃん、どこに行くの?」

ばあちゃん:「あん? 外科だ」と見上げながら言いました。

マ:「でも内科に来たんだよね?(診療内容のファイルを見て)」

ばあちゃん:「いいんだ!この間もオレはそっちの外科に行ったんだから!」

マ:「ふーん、そうなんだ。じゃあとりあえず外科へ行こう」と車椅子をゆっくり押して行くと、

ばあちゃん:「ほれ、この部屋で先生に診てもらったんだ!」と診察室を指すのでした。

マ:「じゃあ、外科の受付で聞いてみよう。スミマセン こちらよろしくお願いします」とファイルを受付に渡すと、カウンター内の看護師から返事がありました。

看護師:「えーと、こちらではなく、内科ですね!」

ばあちゃん:「オレは外科で診てもらったんだよ!」と車椅子から叫ぶと、声のあるじを覗き込んだ看護師さんが驚いて

看護師:「あら、○○さん!どうしたの今日は?」

マカピーは面識があるようなので安心し二人を残して立ち去ろうとしました。

マ:「じゃあ私はこれで。後はよろしくお願いします」

その看護師さんは更に驚いた様子で

看護師:「え、付き添いの方ではないんですか?」

マ:「違います。内科でこの方が困っていたのでお連れしました」

看護師:「それは失礼しました。後は私の方でみます。ありがとうございました」

マカピーは大変だなあって思いながら内科エリアに戻ろうとすると背後で看護師がばあちゃんに尋ねるのが聞こえました。

看護師「えー、○〇さん今日はどうやってここまで一人で来たの?」

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内科待合にいる義母のところへ戻ってくると

義母「あのひとどうだったの?」

マ:「本人は外科だって言ってるけど、診察は内科指定なんで混乱しているんだ。でも看護師さんに任せたから大丈夫だと思うよ」

義母:「そう…、私も去年は車椅子にお世話になっていたから他人事ではないのよね」

一寸法師のばあちゃんとインド人おっさんはいろいろな事を教えてくれました。

いろいろなケースがある病院内にはコンシェルジュ的なスタッフと車椅子を押してくれるようなボランティアでもいてくれたらずいぶんと助かるだろうなあ!

(写真は岡野雄一さんの名著「ペコロスの母に会いに行く」を利用させていただきました)

マカピーでした。

最後までお読みいただき感謝します。長く続けられるビジネスに出来ないかな?






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