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不運をつかんだら マカピーの日々 #1416

マカピーです。
やられた、ニセ札をつかんじゃったよ!

マレーシアの紙幣は1、5,10,20、50、100リンギとありその額面を30倍すると日本円になります。

つまりこの国では3千円が最高紙幣という事です。

で、今日レストランの支払いでニセの100リンギ紙幣が使われたのでした。

気付いたのはハナさんで、息子のアジズを呼んで「この100リンギ誰が支払ったの?」と聞きました。

「レイさんだよ。さっき帰って行ったでしょう」

「すぐ呼び戻しなさい。ニセ札よ」

「え、どうして?」

「カラーコピーよ。少し使い込んだように見えるけど、本物のキラキラした線が見えないでしょう」

マカピーも手に取って透かして見ると「透かし絵」が見えません。

「Water print(透かし絵)もないね」

「本当だ」

レイは店によく出入りする知り合いですが、もう姿が見えないのでハナさんは電話して伝えました。

「レイ、あなたが支払った100リンギ紙幣はニセよ。警察に報告したらその罪で7年の監獄行きよ。分かってんの?」

「本当にニセなの? ボクは知らなかったんだ」

「じゃあ戻って来て本物の100リンギを持ってきて交換しなさい」

しかし金の工面がつかないのかレイはまだ戻ってきません。


朝のハノイの街かどで

実は数日前マカピーがレストラン前を掃除していたら、10リンギ紙幣がゴミ箱の近くにあったのを見つけました。

で、マカピーは手に取ってみると直ぐにニセ札だって分かったんです。

それは両面のカラーコピーはまずまずですが、紙質がおかしいのです。当然「透かし」もありません。

「まぎらわしい事をするやつがいるもんだ」とそれを引き裂いてゴミ箱に入れました。

ところが、今回レストランに被害がでたのを知って、先日のニセ札の事を皆に伝えて「注意喚起」しておくべきだったと悔しい思いをしたんです。

確かに中国系の習慣で葬儀などで、模造紙幣を燃やして故人があの世でお金に困らないようにするのでお店に「札束」が売られている事がありますが、そうしたものは明らかに図柄が違うのです。

暗がりで他の紙幣に紛らわせると分からなくなる今回のような悪質なものは明らかに犯罪です。


ブン(米粉の麺)を売るお店、七輪でお湯を沸かしています

ニセ札と言えば北朝〇国のスーパーKとか言われる精巧な米ドル紙幣が有名でしたね。

マカピーが2000年前後、カンボジアの首都プノンペンに滞在していた時にそのスーパーKを作ったとされる日本人の田中某氏がプノンペンに流れ着いて潜伏しているという話がありました。

当時のカンボジアは金さえあれば誰にでも滞在査証が発給されるという噂で、世界中の警察に追われる犯罪者がプノンペンに潜伏していたとも言われていましたね(笑)

偶然なのですが、取引していたプノンペンで印刷業の方が同姓だったのでマカピーはちょび髭の田中さんに聞きました。

「プノンペンでもスーパーKを刷れるんですか?」

「お願いですから、その冗談はやめてください。どこへ行ってもその話で本当に迷惑なんですよ!」

ゴメンナサ~イ!


で、ある日カンボジアでの仕事の会計処理中に異質な20ドル紙幣が混ざっていることに気付きました。

やられた!

当時はカンボジアのリエルと米ドルが共存していていたんです。

哀しいかな当時の自国のリエルはあまり信用が無く、政権が安定せずクーデタの噂があるとなるとドルに頼らざるを得ない状況だったのです。

実際の生活では米ドルのコインは流通していないので一ドル以下のおつりをリエルで貰うような事が多かったのです。

さて、ババを引いてしまったマカピーはどうしたかというと、事務所アシスタントのエキムにそれを見せました。

するとエキムはこう言ったのです。

「マカピーさん、一割目減りますがボクが換金してきましょうか?」

「どういうこと?」

「中央市場(プサートゥメイ)に行けば引き取ってくれる店があるんです」

「じゃあお願いするよ」

こうしてマカピーはちゃんとした20ドル紙幣を交換することが出来たのです。(損失分はマカピー個人の支出です)

ヤレヤレ

高級なコンドミニアムが立ち並ぶ西湖(ホータイ)の一角

スーパーK問題もあり、銀行などでも預入する際のチェックが厳しかったのです。

ところが逆に銀行から現金を引き出そうとすると、今度は銀行がババを出すんですよ!

こうして果てしないババ抜き合戦の攻防が続くのでした!

うっかりするとババを引きかねないので、銀行では支払われたドル紙幣を行員のいるカウンターでチェックします。

そうして気に入らないものがあったらどんどん突き返して新しいもの又は比較的良さそうなものに交換してもらうのでした。

個人口座の現金引き出しでも同じなので、銀行でのこの作業時間が長いのには疲れました!

一枚一枚裏表をチェックしないと、後で誰からも受け付けてもらえない紙幣をもらうことになるから気が抜けないのでした。

紙幣はいろいろな人の手を経ているので、手書き以外にハンコで〇や△それから😊マークなどが余白についているものが多かったのです。

汚れている紙幣をバンコクへ持って行ったりすると両替商が受け付けてくれないので、仕方なくまたプノンペンに戻ってきた際に使うのには何の支障もありませんでしたが(笑)


アオザイを着た女性がいましたが、レストランの従業員かな?

マカピーの日本人の友達はドル紙幣を日本に持って行き銀行で両替することにしたんですが、たまたま忙しかったんで友達に2千ドルわたして代わりに両替をやってもらいました。

ところが、銀行ではそのうちの7枚がはじかれてしまったのです。

銀行の職員は友人の友達に質問がありました。

「この紙幣はどちらからのものですか?」

「ボクは頼まれただけで良く分かりません」

「ではその方をお呼びいただけますか?」

仕方なく後日友人は呼び出された銀行に行って釈明することになりましたが、なんとそこには警官もいたのでした。

「カンボジアの銀行から引き出したボクのお金です」

「この7枚がニセ札の疑いのあるものです」

「え、そうなんですか?他は大丈夫ですか?」

「ハイ他はOKです」

「では、その7枚を持って帰ります」

「いえ、お返しできません」

「どうしてですか?カンボジアに戻ればそのお金は普通に使えるんですよ。ボクのお金ですから返してください」

「この紙幣は偽造の疑いが高いので犯罪調査を開始します。お話を聞く限り犯罪性が低いと思われますので放棄する手続きをしていただければ本件でのことは不問といたします。もしも不服とされる場合は別の手続きを取っていただきますが刑事事件として再調査し時間がかかりますどうされますか?」

「ボク一時帰国何で来週にはカンボジアに帰るんですよ」

「どうしても数カ月はかかるかと思われます」

「・・・分かりました、ニセ札と思われる紙幣の権利を放棄します」

もし彼が友達に頼まずに、しかも警察が出てくる前にサッサと引き下がれば彼は700ドル失わずに済んだのでしょうが、タイミングが悪かったんですね。

ハノイの裏路地にある小さな市場

皆さんなら、ニセ札つかまされたらどうします?

無駄なことに時間を使わず、引きずらずにその事を忘れる事でしょうね!

マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。そんな時代もあったね!



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