見出し画像

エッ、明日出発なんだ。マカピーの日々 #1374

マカピーです。
4か月一緒だったアイベルが今日郷里に戻って行きました。

愛くるしい笑顔を持った若者でした。

仕事がきちんとできてないので叱ると涙ぐんでいました。

コーランを読めるのですがアルファベットが書けませんでした。

カラオケとタバコが好きでした。

兄のバスマルと一緒にハマナスレストランに来ましたが、兄が郷里に去っても一人残ってチャンスを探していました。

アイビルはアジズの兄的存在でした。

それが母親に説得されて郷里に戻ります。

26日が区切りの付く出発予定日だと伝えていたのですが、昨日突然「明日19日に帰る」と言い出しハナさんを慌てさせました。

どういう訳か、みんな急に言い出すのでした!

26日にはマカピーがアイベルを身元引受人のおば夫婦の住む村まで送る予定だったのですが、一週間違いですが肩透かしを食った形です。

でもこうなったら、つまり若者が帰りたくなったら止めても無駄でしょう。

マカピーはハナさんに「いろいろ言っても仕方が無いから何も言わずに送り出そう」と伝えました。

夕べ、仕事を終えたアイベルに聞けば、村から車が回されてくるのでそれで帰るというのです。

そうか、そこまで自分でアレンジできるのだからきっと心配ないよね。

そしたら、ちょうど料理人補佐のジュメも二階の住人から姉家族の家に世話になると去りましたが、こちらは住居を移しただけ。

二階に残るはシェフのアキムです。

こちらは無断外泊だけでなく厨房の清掃管理などを伝えているのですが殆ど守られないままです。

一時期辞めると言った後で「撤回します。ごめんなさい」と言ってきたのですが、その後も仕事場でのおちゃらけが過ぎるので時々「お客さんに騒ぎが聞こえるから静かにしなさい」と注意に行くほどです。

昨金曜日も午前中の休みから欠勤して翌朝に朝帰りしてきましたから、早晩彼も辞めるものと思うのですけどね。

二階にいるのは「IDを持っていないので入国管理局に見つかると逮捕拘留される」人たちだからと、特別に無償でレストランの二階にかくまう形で食事付きで住まわせていたのです。

実際に定期的な「違法滞在者狩り」が行われているのですが、どうも本人たちがピンとこないようでした。

自分だけは捕まらないとでも思っているのでしょうか?

彼らを雇っていると分かっただけでも雇用主は処罰されるで、我々もリスクがあるのを承知で、彼らに幾度も目立たないように注意していたのです。

「もう、疲れたわ。それから二階に誰も住まわせない」とハナさんがぽつりと寂しそうにいいました。

いまだに辞めたノノンの交代の飲み物係は見つからず、ハナさんがやっています。

スタッフの事で「頭が痛い」と言っているハナさんは店の表に「急募」案内を出しました。

ちょうど三日間の店の「お祓い」が終了し、きっと店にあった邪気が退散したと思います。

さらに大局的に見れば、それまで働いていたスタッフの役割はそれぞれあったのだと思うんです。

それが、満了すると一人一人ここから去って行くと考えるべきでしょうね。

だから我々ハマナスレストランとしては、心機一転、新しいスタッフを入れてやって行く転機となると思っています。

今朝は空になったLPGのガスを7本も交換しに店を回りその後も市場に買い出しに行ってお昼に戻ってくるとアイベルは店から姿を消していました。

アイベル、元気で家族仲良く家業を手伝って暮らしてください。元気でね。

マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。星霜は移り人は去る


もしもサポートいただければとても嬉しいです。そのサポートは感謝のバトンタッチとして使わせていただきます!