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目覚める大谷石(おおやいし)マカピーな日々#0349

マカピーです。

近所から大谷石をいただいてきました。

大谷石は軽石凝灰岩で栃木県宇都宮近くにある地層から掘り出されている加工しやすい建築石材として名が知られています。

火山列島である日本にはこうした凝灰岩はいたるところにあるから、それぞれの産地の名前で利用されていますね。

マカピーはこの柔らかい石材がとても好きなんです。

ちょっとノミ(鑿)とカナヅチがあれば簡単に加工でき保湿性もあるので植物も植えられそうなので欲しかったのです。

頂いたのは近所の農家でした。

散歩をしていたら、最近家屋の後ろの生け垣を取り払ってがれきの中に大谷石がありました。

玄関を叩いて「ゴミに出すのだったら大谷石をください」とも言えず、偶然をよそおって2日ほど家の前を通ってそこの家人と会えないものかとチャンスをうかがっていました。(ストーカー?)

家でPC作業の休みで少し横になっていると「あ、散歩に行こう」とフッと思いついたのです。

自転車で例の農家に行って見ると、なんとそこの奥さんが畑から戻るところに出会ったのです。

おおお、なんという幸運!

マ:「すみません、裏のがれきの中から大谷石をいただいてもよろしいでしょうか?」

奥:「ええ、かまいませんよ。でも重いですから大丈夫ですか?」

マ:「大丈夫でしょう!あとで車を回します」

愛車R2の後部座席を倒し、フラットにしたところへ段ボールの箱を平らに敷いてウインドウブレーカーに手袋の姿になって現場に行きました。

奥さんが庭木に水をあげている最中でした。少し話をしたらとても興味深い話がありました。

がれきの後ろに高さ1m20㎝ほどの高さのコンクリート壁で囲われた土地があり不思議に思って尋ねたのです。

マ:「ところでこちらは何ですか?」

奥:「これは水塚(みつか)の土台です。昭和22年(1947年)のカスリン台風で利根川土手が決壊して水害があった時はここに避難したんです。いまでも電柱にその時の洪水の深さを示す印が電柱にありますでしょう?」

マ:「はい、知ってます。ああこれが水塚だったんですか。この近辺で見るのは珍しいですね?」

奥:「沢山あったのですが、取り壊してしまったのです。うちもつい最近までこの高台のうえに2階建ての水塚があったんですよ」

https://www.ntt-fsoken.co.jp/research/pdf/2020_02.pdf

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https://www.ntt-fsoken.co.jp/research/pdf/2020_02.pdfより


マ:「え?木が茂っていたので気づきませんでした。すると、洪水でつかう舟も格納されていたんですか?」

奥:「はい、揚げ舟でよくご存じですね。それは近くの神社に運びました。数年前までは小学校の社会科の授業で生徒さんが先生に引率されて見学に来てたんですよ」

マ:「利根川の護岸工事もあって洪水がほとんどなくなったので、こうしたものがだんだん消えてしまうんですね」

奥:「本当は、いつ洪水が発生するか分からないんですけどね」

マ:「確かに、数年前の鬼怒川のように、とんでもない大雨が降ったら土手が決壊して洪水発生の可能性はありますよね」

奥:「大谷石も風化してもろくなってきたので、周囲をコンクリートで固めたのですが、もう私たちも年を取って維持できないから取り壊すことにしたんです」

マ:「大谷石は東武線沿線の古い駅のプラットフォームの基礎に使われていますね。東京駅でも大谷石が使われていたと聞きました。それだけ沢山掘り出したんですね。以前陥没事故がありましたけど」

奥:「栃木県側に行くと、沿線には大谷石の土蔵が沢山見ることが出来ますね」

話が尽きなくなってきたので、積み込み作業を始めることにしました。

一本で階段ができる100㎝ほどある一本の大谷石はおそらく80㎏はあるでしょう、とても一人では持ち上げられないことが分かりました。

R2の後部に乗せられるのは割れた3分の1ほどの大きさの石を持ち上げるのが精いっぱい。

それを6つほど載せたらかなりの重量になるのが分かりそれで家に戻りました。

狭い庭の縁に並べるのに、荷台から引き出すにも腰を痛めないようソロリソロリと作業しました。

段ボール箱を片付け、コードレス掃除機で車内をきれいにして戻り風呂に入ると心地よい肉体疲労でした。

さて、この大谷石で何をしようかな?(笑)

マカピーでした。

最後までお読みいただき感謝します。年季の入った大谷石で苔をはやしたいなあ。


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