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そうか、君も去るんだね マカピーの日々 #1369

マカピーです。
今朝ハナさんからアイビルが親元へ戻ると聞きました。

ハナ:「夕べ母親と電話したアイビルが帰らなくちゃいけないっていうのよ」

マカピー:「彼の兄は先に帰ったけどアイビルはこっちで仕事を探すって事だったよね」

ハナ:「それが、母親が泣いて帰って来るように懇願するから負けちゃったのよ。もう大人なのに母親の涙には勝てないのね。三ヵ月分の給与を渡して、本来の身元引受人だったサレーのところに届ける事にしましょう」

実はマカピーはアイビルを叱って2度ほど泣かせたことがあります。

それは、レストランでは清潔管理が大切なのにそれを怠ったスタッフ全員を叱ったのですが彼は若い(19歳)事もあって涙を流していたと、後でハナさん経由で聞きました。

14歳のアジズとも一番仲がいいのはその年齢が近い事だけでなく、お互いにふざけ合いいろいろは話が出来る兄貴分だったのです。

昨日も海藻出荷から帰ってきながら、「金曜日の休みに近くの公園整備された山へピクニック行こう。そうそうアイビルも一緒に行ければいいね」と話していたところだったのです。

彼の住む島には電気も水道も無いそうです。
浅瀬に海藻を栽培して生計を立てているそうですが、国際価格の下落で出稼ぎに兄弟二人で海を渡って親戚を頼って来たのでした。

アイビルは敬虔なムスリムで日に5回の祈りを欠かしません。

なんとアイビルはアラビア語でのコーランの詠唱もしますし、アラビア語もきれいに書けるのです。

ところが、マレー語もしゃべるのですがアルファベットがうまく書けない、「文盲」でお店のお客さんの注文をメモすることが出来ないのでした。

ただ、記憶力が良いのできちんと注文内容を伝えることが出来るのであまり問題ではありませんでした。

それでも文字の練習をしているようでした。

4か月ほどの付き合いでしたが、いつまでもいるものとマカピーは勝手に思い込んでいました。

それが母親の電話一本で「ボクは一人でもここに残る」って言っていたアイビルも帰るのです。

なんだか寂しいなあ。

これまで去った他の人たちとは違う感情だったのは、アイビルが特別だったからかしら?

アイビルは先ほど給与の一部で近くのスーパーマーケットにいって女性もののサンダルを買っていたのを見かけました。

おそらく母親用らしいです。

アイビルと家族が幸せでありますように祈るしかありません。

マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。後、幾日一緒にいるのかな?


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