臥薪嘗胆(がしんしょうたん)かな?マカピーの日々 #1246
マカピーです。
寝たのは薪の上ではなく床でしたけど!
マカピーが関わるアディキッチン第2弾は1号店から100㎞以上離れていたのでした。
「居ぬき物件」だったので、とりあえず手付金を支払って、大工のタンさんたちに来てもらい、電灯修理や壁のペイントをするなど改装を始めたのでした。
ところが、家主から「支払いが無ければ、改修工事をさせない」と連絡があったのです。
「オイオイ、手付金で商売が始められるっていう話と違うでしょう」と思いつつもとりあえず言い値の半額を追加で支払うことで、何とか作業を継続したのでした。
居抜き物件なので、アディキッチン一号店の様に自前で厨房機器を購入する必要もありません。
それから什器類も殆ど揃っているし、テイクアウト用の容器なども残っていました。
もちろん、今後営業許可の申請、従業員の予防接種証明とかも必要になります。
(マレーシアでは食品に関わる従業員は腸チフスの予防接種証明が必要なのです)
前回は大工3人組を連れて行ってしっかり仕事をしてもらうつもりで店舗2階に泊まってもらって仕事をしてもらったのです。
ところが、3日後に様子を見に行くとタンさんとランさんの家族がいるではないですか!
マカピー:「ど、どういう事?なんで家族同伴になったの?」
ハナ:「ワタシもビックリしてわよ!聞いたら入国管理局の手入れがあると聞いて村に残っているのが不安になって出て来ちゃったって言うのよ」
サバ州がマレーシアとして合流したのが1963年で、それまでは北ボルネオという英国保護領でした。
その英国側もフィリピンのスルー国王とブルネイの国王からこの土地を借りていたという複雑な経緯があり、そちらの話がきちんと整理される前に独立せずにマラヤ連合に合流してしまったのでした。
この土地は昔からスルー海を統治していたスルー王国(現在のフィリピン領)の漁民たちが自由に行き来していたのですが、サバのマレーシア国帰属で元からいた住民もいきなり「外国人」扱いになってしまったケースが頻発するのでした。
マカピーが関係している人の多くが、マレーシア国籍を持たないで暮らしているフィリピン系の人がいるのでした。
マレーシアの基幹産業でもあるアブラヤシ農園で働く人の多くはそうしたフィリピン系、インドネシア系の人が多いのです。
それを政府が時々「手入れ」をして捕まえた「外国人」を移民局の留置所に留め置き、さらに「本国送還」したりしています。
ちなみに、タンさんたちが捕まると、仮保釈してもらうのに一人千リンギ(3万円)かかる事になり、家族がいると更にリスクが高まるのでした。
マカピー:「じゃあ、今日の午後帰るクルマに乗っけて村に送り届けよう。これじゃあ大工の仕事にならないよ!」
ハナ:「実は手入れが始まったのがコタキナバルだったというのに関係ない連中がパニックになっているのよ。しかもその手入れをする移民局の事務所ってこの店から100メートルしか離れていないじゃない!まるで『飛んで火にいる夏の虫』とはこの事よ!バカバカしいったらありゃしない!」
マカピー:「だからさ、家族を早めに連れて帰ろうよ!」
ハナ:「何で勝手に来たのに私達が連れて帰らなきゃいけないのよ。今日だってJPJ(交通警察)の道路封鎖しての一斉チェックがあったでしょう。あれに引っかかって国籍のない人を乗せていた事が判明すると私達の問題にもなるのよ!」
マカピー:「え、ぼくらも? マカピーもイミグレの世話になりたくないなー(笑)」
人気のなかった店舗から子供のにぎやかな声がして来れば、近所の人から警察に通報が行く可能性もあるので「静かにするのよ!」と子供たちに言い聞かせるのですが、それは不可能な事です。
結局家族は先に返したのですが、ひと段落つけて一旦タンさんたちにも村に帰ってもらい、昨日再度町に戻って来てアディキッチン2号店の改修工事を始めたのでした。
今回はアピが発熱でこれなく、ランも来れないのでタンさんに「1人作業でも良いから、行ってちょうだい」と依頼。
すると、関係ないタンさん家族も旅行の支度したので「え、なんで?」とハナさんに尋ねると「さあ、こうなったら彼女にも食器洗いを手伝ってもらいましょう」「戦力になるかなあ?」
午後遅くから作業をして店舗から出るゴミをゴミ収集場に運搬して、夕食を取り休むことに。
2階に上がると、唯一エアコンがあるのが事務所と居室が併設された一部屋で寝る事になったのですが、ベッドも何もないのです。
床に寝る事になったのですが、衣類を枕にしてもやっぱり床に寝ると翌日体がかなり疲れるのでした。
夢心地の中で「いつまでこんな生活が続くのかしら?」って自問したのでした。
マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。アピ夫婦を二号店に送るにしてもベッドは必要だなあ!
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