料理は芸術だ マカピーの日々 #1074
マカピーです。
マカピー妻の手料理はとてもおいしいのです!
三か月ぶりに帰国して、家事を手伝うのですがなかなか三カ月前のようにうまく行きません。
その理由は・・・「忘れてしまった」からです。
モタモタしているマカピーを見て背後から声がかかります「まったくどうしてそれほどユックリしているの?頭の中でシミュレーションが出来ていないから無駄な動きになっているのよ!」
そうは言われても、手順を思い出せないのでいきなりトップギアで走れないこちらの事情があるのでした。
「ちょっとー、どうしてこの皿がここにあるのよ!あっちの棚でしょう?」
あらら、どうやらまたミスったようです。
こうなると、洗った調理器具なども確実に片付けられないのでキッチンのカウンターの上に置いて、マカピー妻の判断を仰ぐことになります。
「ったく、どうして元の場所に収められないのよ!」
心の中では「マカピーがこれを使うときに取り出していないから!元の住所が分からないのは当然でしょう!」と叫んでますけど。
それでも「世界平和」を好むマカピーは「あ、忘れちゃったんだ」と笑ってごまかすのですが「アナタの記憶って毎月、真っ新に更新されてしまうってわけ?ホント信じられないわ」
キッチンはマカピー妻の聖域なのです。
そして彼女の料理は手早くそして旨いのです。
それはマカピーのおのろけでも、お世辞でもありません。
我が家を訪れるお客さんも認める程彼女の料理の腕前は評判なんです。
マカピーの仕事の関係で海外で家族で暮らしている際には、毎月のように沢山のお客さんを呼んでの食事会がありました。
バレーボールやテニスをやっていた際の集まりもありましたね。
さらに、普段日本食から遠ざかった生活をしている日本人のボランティアなど若い人たちを呼んでのパーティーをしたのでした。
それは、かつてマカピー達が若い頃、日本人家庭に呼ばれて恩恵にあずかっていたからでもあり恩返しでもありました。
だから参加人数が多くてもマカピー妻は「ものおじ」しません。
彼女は献立を考えて、仕込みは前日からはじめ調理はその日の午前中には終了しています。
それでいて、食事開始時間に合わせて熱く仕上げ「つくり立て」を提供します。
「ホステス」としてはマカピー妻はお客さんの前にいて会話する事を求められますから、キッチンには調理済みの鍋やフライパンが沢山あって、最後の仕上げを待っているのでした。
「アナタみたいに、行き当たりばったりで作業していたら幾日あっても足らないわよ!」
確かに「料理は段取り」そのもので、それは「ゴッド・ハンド(神の手)」とよばれる外科医が、頭の中で術式をシミュレーションしているのと同じことをしているらしいのです。
しかも毎回メモを取っておいて、幾度も訪れる客に対して同じ種類の皿を出さないように注意しながらというきめ細やかなところがあります。
「はい、アナタは料理が出来ないのだからテーブルセットと飲み物の面倒を見てちょうだい」
彼女は独身時代タイでボランティア活動をしていた際に、国際協力に関わるチーフアドバイザーご夫妻に調理やテーブルマナーをいろいろ教わったのだそうです。
その中のひとつが、「パーティーではホストとホステスが席を外してはいけない」でした。
マカピーが酒に酔っぱらってしまい、お客さんをそっちのけでソファでグーグー寝てしまうのは「アウト」だったのです。
さらに「ホステスは客に酒を注いではいけない」というのです。
マカピーは「酒を注ぐ」行為をそういう風に見ていたことは無かったのですが、「ホステス」は飲み屋の「酌婦」でなくパーティーを主催する主人の一人だというのです。
確かに他の欧米系の家庭での食事会でも、飲み物をアレンジするのは「ホスト」の役目で女性が注ぐことはありませんでした。
こうしてマカピーは海外生活でいろいろ彼女から学んできたのです。
彼女が調理台とガスレンジで作業をしている隣の流しで洗い物をしていると「狭いキッチンに二人並んでしなくてもいいでしょう?アナタ邪魔だからあっちに行って!」
という一方で、「ボーっと見てないで、使った食器をさっさと片づけなさいよ」と矛盾した号令が飛び交うのですから、今でもマカピー妻の邪魔にならない、タイミングよい片付け作業をしないといけない緊張したマカピー妻の戦場が「キッチン」なんですよ!
マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。そう、食事は芸術です!
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