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イカン・ユーと話した マカピーな日々#0910

マカピーです。サバにいます。
長らくイカン・ユー(サメ)はどこへ行ったのか探していたんです。

もちろん魚のサメを探していたのでも、シンガポールのリー・クワン・ユー元首相の関係者を探していたわけではありません。

マレー語でイカンは「魚」でサメの事をイカン・ユーって言うのですが、この場合はマカピーの友達のニックネームです。


パヤオ・ライス(鹿肉ですって!)

青年海外協力隊でマレーシアに派遣された人でかなりの男性隊員がマレー人女性と結婚したと思います。

マカピーもサバ州だけでも幾人か知ってますがイカンユーもその一人でした。

イカンユーは派遣前研修も一緒に受け、マレー語も習った同期生です。
(たまに話題に出てくるヒラさんもそうです!)

一度彼のいる海に面した町を訪ねたことがありました。イカンユーは隊員の任期を終えすぐに地元の女性と結婚したと聞いたのですが、家族に会うことは無く、地元の会社に勤めてい海産物の会社の現場を訪ねました。

その海がとてもきれいなサンゴ礁で、今でも忘れられませんでした。

月日は流れ、マカピーはあの港町に仕事絡みで来たのですが、どうにも当時の事が全く思い出されません。

案内してくれたアミールさんに車中で尋ねました。


きれいな海ですね

マカピー:「ボクここに来たことがあるんだけど全然思い出せないんだ。当時は空港も小さかったし周囲のパームオイルもまだ小さかったんだ。海の町だけでなくオイルパームの政府スキームに入った協力隊の仲間が住んでいた所にも行ったことがあるんだけど、それもどこか思い出せないんだ。困ったなあ」
アミール:「え、政府スキームですって。この辺では一つだけなんですよ。それにボクはそこに2年ほど暮らしていたんです」
マカピー:「ボクが尋ねた場所で初めてカカオ(チョコレートの原料となるカカオマス)生産を見たんです。他はまだ植えたばかりのオイルパーム(クラパ・サウィット)ばかりで、そこで日本人の協力隊員が野菜作り指導をしていたんです」

アミール:「まさしくボクがいた場所だけがカカオとクラパサウィットをやっていたんです。でもそれはボクがまだ幼かったころです」
マカピー:「じゃあきっと、そこだね。そうかアミールさんはそこの人だったんだ。偶然にも嬉しいなあ」

さて、雨降りでの視察が終わりアミールさんに地元のホテルに連れて行ってもらいました。

「ここなら、高くないしオーナーを知っているからいいと思います」と紹介されたのです。


ヒラメ?とエイ

びしょ濡れのズボンとジャケットをハンガーにかけ、少し街を歩いて銀行のATMで地元と通貨(リンギット)を下ろして明日のチェックアウトの現金を準備しました。

銀行から戻る頃に雨が本降りになって、足早にホテルに戻るとツルツルの頭にちょっといかつい顔のオーナーがいました。

彼が2階のベランダに出てタバコを吸っていたので、後を追って話しかけてみました。

マカピー:「このホテルのホナって名前はアナタの名前ですか?」
ホナ:「ああそうだよ。本当はジョナサンなんだけどね。いつもそう呼ばれていたからね」
マカピー:「(急に思い出した)ところでホナさんはここの生まれなの?」
ホナ:「ああ、そうだよ」

マカピー:「ずいぶん前の事になるんだけど、この町にいた日本人で地元の日本の会社に勤めていたんだ。もう会社はやっていないと聞くけどその人の事聞いたことある?
ホナ:「そいつは、バジャウ女性と結婚したのか?」
マカピー:「そう! え、知ってんの?」

ホナ:「イカンユー(仮名です。本当は日本名)だろう!」
マカピー:「そう、イカンユー!まだこの辺にいるのかな?」
ホナ:「ああ、隣町にいるよ。電話番号を教えてやるからこっちにおいで」

ホナさんは自室に戻り、スマホを出すと電話番号を検索しました。
ホナ:「しまった、削除しちまってたぞ。大丈夫だ、イカンユーの娘を知ってるから、そっちに電話してイカンユー妻の電話番号を聞いてみる」
マカピー:「え、イカンユーの妻の電話番号?」
ホナ:「イカンユーは電話持ってないんだ。だからあいつの奥さんに電話することになってんだ」
マカピー:「へ、どういう事?」


乾燥ナマコです

ホナさんから電話番号をもらい、喜び勇んで教えられた電話番号に電話しました。

確かに、女性の声です。
マカピー:「日本から来た、マカピーと言います。イカンユーはいますか?」
イカンユー妻:「はい、待ってました。イカンユーを呼んできます」
どうやら、娘からホナさん情報を聞いていたようです。
しばらくすると、懐かしいとぼけた声が聞こえてきました。

イカンユー:「はい、イカンユーです」
マカピー:「マカピーです。クダットに行っていた、同期のマカピーだよ」
イカンユー:「うん、わかるよ。あのマカピーだね」
マカピー:「ああ、このまどろっこしさ。まさしくイカンユーだ!」
イカンユー:「ええ?何のこと?」

マカピー:「何でもいいや、ボクは今隣町に来ているんだ。そこのホテルのオーナーのホナさんに尋ねたらイカンユーの事知っていたから電話番号教えてもらってこうして電話してんだよ!」
イカンユー:「へー、そのホテルのオーナーってボク知らないなあ!」

マカピー:「そんなことはどうだっていいんだ!オーナーが知ってて更に娘さんとコンタクトし事があるんだって」
イカンユー:「へーそうなんだ」

マカピー:「おい!大丈夫か?っていうか話してると全く以前と変わらない調子だなあ!イカンユー」
イカンユー:「うん、もうあんまり仕事しなくなってフラフラしてんだ」
マカピー:「イカンユーは以前もフラフラ波間に漂っているような印象だったけどね。娘がいると聞いたけど子供は何人?」
イカンユー:「6人。一人孫がいる」
マカピー:「こっちは3人だよ。でも孫一人は同じだね」

イカンユー:「ところでマカピーは何しに隣町にいるんだい?仕事それとも観光?」
マカピー:「仕事。サバの会社に呼ばれて7月から日本とコタキナバルを行ったり来たり始めたんだ。イカンユーは水産が専門だったよな」
イカンユー:「うーん、おそらくそちらの役に立たないだろうけどね」
マカピー:「そんなことないよ。自分の知り合いが地元にいてくれるだけでも勇気が湧いてくるもの」


リラックスしすぎている猫

イカンユー:「そういってもらえると嬉しいよ」
マカピー:「明日の午後にイカンユーのいる町に移動することになってんだ」
イカンユー:「時間が取れたらまた連絡してよ。ボクの方はいつでも対応できるからさ」
マカピー:「そうかい。ありがとうホテルと予定が決まったらまた連絡するね」

長年、行方知れずのイカンユーだと思っていたら、ひょんな事から消息確認が取れました。

こんな事ってあるんだ!


ミミガイとかいわれるアワビの一種

マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。感動の再会ありかな(笑)








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