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マカピー車椅子に乗る! マカピーの日々 ♯1530

マカピーです。
半身不随のハリー叔父用の車いすを探しに行きました。

実は昨晩8時ころ、ハリー叔父宅の前に車が止まったので「今頃誰かしら?」って思っていると、ハリー叔父が部屋から手製の車椅子に乗って出て来て「ドクトーラ(女医)だよ!」と言うのでした。

え、つまりハナさんて事なの、どうして?

ベランダに出ると、ミニバスから荷物を降ろしているハナさんがいました!

「え、なんで? フライトがキャンセルになったんでしょう! バスで来るなんて言ってなかったでしょうに!」

「サプライズよ!(笑)」

何はともあれ、無事に到着できたのは良かったです。

距離的には400㎞の道のりなのですが、道路工事などで10時間で到着できないのはマカピーもハナさんも経験済み。

後で話を聞くと、一旦発券したマニラ:イザベラ間のフライトがキャンセルとなったのは、台風3号がモンスーン期の雲を刺激して大雨を降らせたので各地で洪水や土砂崩れを発生していたからです。

かなりしっかりした作りですね

特に首都圏マニラの被害が深刻で、そこにあるマニラ空港全体がカオス状態で国際線も国内線もダイヤが乱れ切って4つあるターミナル内に利用者があふれかえる事態になっていたのだそうです。

しかもキャンセルされたフライトの料金の払い戻しが1か月かかると言われ「ふざけるな!」と怒った客と航空会社との激しいやり取りなどもありぐったりしていたそうです。

それじゃあバスで行こうとタクシーを走らせるのですが、そのバスターミナルも運行時間が無茶苦茶となりそこにも利用者が溢れかえる状況だったのだそうです。

「アッラー(神様)がついているわ!」といつも言っているハナさんですが今回ばかりはいつになるか分からなそうだなあってマカピーは思っていたのです。

ところが、彼女は諦めずに「白タク」的に運行している個人小型バス(トヨタのハイエース)がイザベラに行くのを探し出して乗ったのだそうです。

マカピーの乗った通常のバスの5倍くらい支払っていましたが、殆どのバスが運行していない状況下ではそれでも良しとすべきでしょう。

しかも、その運転手がハナさんの行く先だけでなく、なんとハリー叔父のことまで知っているという偶然が重なり、街道から入った先にある叔父宅まで連れて来てくれたと言うわけです。

うーん、やっぱりハナさんは「強運の持ち主」です!


フットレストはワンタッチで取り外せます

今朝は晴れたのでマカピーは散歩に出かけようと思ったのですが、ハナさんが食品を買いにに行きたいというので、街道でトライシクル(オートバイに側車をつけた三輪車)に乗って市場に出かけました。

マカピーにとっては数度目となる市場は次第にマカピーの勝手知ったる場所になりつつ、ハナさんを案内しながら食料品や洗濯用の大きなタライを購入してからトライシクルで戻りました。

その新鮮な材料(カボチャの花など)を料理してハリー叔父と一緒に朝食を摂ると、ハナさんは「じゃあ、午後は別の大きな町に行って叔父用の車椅子を見に行きましょう」というじゃないですか。

疲れを知らないハナさんです。

遠い町というのは車で30分ほどかかり、その郊外には空港がありハナさんは昨日そこへ飛んでくる予定だったんです。

そこの町はSM Cityがあるのです。

SMと言っても、フィリピン以外では通用しないイニシャルですね(笑)

Shoe Mart (シューマート)というデパートメントストアでフィリピン各地にショッピングモールを展開していてその町にもあるのです。

通常は「SM」と言えばフィリピン人であればシューマートだと分かり、それがある町は他の町より人が集まる中心地であると言えます。

あ、日本の靴屋さんの「シューマート」とは違いますよ。

https://ph.ryugaku-au.net/information/philippines-shoppingmall/


ハナさんはかつてこちらで医者として働いていた際に、SM City近くの医療器具専門店を利用していた事があるからそこを目指していたんです。

店舗に入ると、入口のショウウィンドウに二台の車椅子が展示されていたのでした。

早速一つを出してもらい、マカピーはそれに乗って使い心地を確認しました。

ハリー叔父は左半身がマヒしているので、自家製車椅子(誰かに頼んで作ってもらったもので、キャスターの付いた板の上にプラスチック椅子を固定したもの)に座りながら動く右足で床を蹴って移動していました。

「どうして、ハリー叔父はちゃんとした車椅子を使わないの?」

マカピーはハナさんに尋ねたことがありました。

「叔父はあれに乗ると本当の病人に思われるのが嫌だったらしいわ」

「そんなこと言っても、やっぱりちゃんとした車椅子は研究されていて安定感もあり取り回しが楽だと思うけどなあ」

「健常者が急に半身麻痺を患うと、気持ちがなかなか追いつかないものよ」

「ナルホド」


こんな感じで折りたためるのですね

ところが、今回マカピーがこちらに来ると叔父の乗っていた黒塗りのトヨタ・フォーチュナーの代わりにイノーバが出迎えに来ていました。

「あれ、車が変わったの?」と尋ねると運転手とその妻らしき女性が言うには「ハリー叔父はフォーチュナーを売ってしまったので、このイノーバを借りている」という事でした。

ところが、ハナさんによると今年の1月に脳梗塞で倒れてから3月にマカピー達が会ったころ叔父を面倒見ているというフレディ夫妻でしたが、次第に素行が悪くなっていたのです。

そもそもハリー叔父から彼の家のある隣の土地を買い取って家を建てるのにすべて叔父の世話になっていたのに、いまだにその地代の一部しか支払わないばかりか、ハリー叔父の田畑の耕作収穫で得られた収入のハリー叔父に支払う分を全く支払わないのでした。

叔父の日常生活を世話しているにしても、次第に勝手な振る舞いがエスカレートしてトヨタ車もホンダバイクも必要が無くても勝手に使用するようになっていった上に、ある日渡してあった生活費や借金を踏み倒すように姿を消したのでハリー叔父はハナさんに涙の電話をかけてきたのでした。

マカピーはハナさんから「フレディ達の事は叔父と話さないでね」と言われたので、こちらに来ても「コムスタ!」と挨拶する程度なのですが数カ月前から比べて相当人相が悪くなっているのでした。

悪い事をするとこんなにも「顔つきが悪く」なるものなんですね!

ハナさんはハリー叔父に会うと、さっそくフレディ達との関係をハッキリさせ必要であれば親戚の弁護士に間に入ってもらい、必要であれば出て行ってもらう態度に出るべきだと伝えています。

その為には機能回復を目指して医療器具や按摩によるリハビリをしながらもっと行動範囲を広げられるようにちゃんとした車椅子を使いましょうと言う事で、ようやく叔父が購入に賛成することになったので品定めに出かけたのでした。

マカピーが車椅子に乗るのはこれが初めてではありません。

ウズベキスタン共和国で看護教育のプロジェクトに関わった際に車椅子に乗ったのですが、かなり簡易的なものだったので軽くて折りたたむとヒョイッと車に入れる事が可能でした。

あんなものを想像していたのですが、これはステンレス製で取り外せる頭当て(ヘッドレスト)や足当て(フットレスト)が付いていなくても15㎏ほどありそうでかなり重いです。

でもリクライニングになった際の後方転倒防止バーもあり、さすがにつくりはしっかりしています。

問題はハリー叔父に似せてフットレストを折りたたんだままで足で床を蹴ってみるとフットレストの留め金のネジが素脚に当たる事が分かりました。

「そこを凹ネジに替えてもらえないか?」と店のスタッフに尋ねたのですが加工が出来ないとの事で、もしもこれを購入したら自分でやすりで削り取ろうかなって思っています。

更に店に尋ねると3割ほど安くできるそうですが、利用者である叔父の傷病証明書と医者の処方箋が必要となるとの事です。

後で確認するとハリー叔父は当該IDを持っていて、ハナさんは医者なので処方箋に「ハリー患者は日常生活に車椅子を必要としている」と書けばいいらしいです。


おお、久々に見るビールがSMに売ってました!やっぱりサンミゲルだね!

ハリー叔父はかなり乗り気になっているで、一気に購入に漕ぎつけて彼のQOL(生活の質)を維持したいですね!

マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。車椅子で左右の車を逆方向に回すとその場でクルクル回れるんですね!



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