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ネパール山中で マカピーの日々 #1270

マカピーです。
フッとネパールでのトレッキングを思い出しました。

最初にお知らせしますが、話の内容と写真があまりにかけ離れていても気にしないでください!

本格的なエベレストやアンナプルナへの登山では費用もかなりかかります。

更に装備もガイドやエベレスト方面であればシェルパ族のお世話になるし入山許可も必要です。

そこへゆくとトレッキングは低山散策ということで、本格装備もなしにスニーカーで、白く光る神々の座と呼ばれるヒマラヤを遠くに見ながらゆっくりと山里を歩く感じです。

雨が降るとキノコがはえます

沿道には小さな店もあり、自由にミネラルウォーターもミルク入りのチャイで一休み。

更に少し待てばプレッシャークッカーでダルバートタルカリ食事も作ってくれます。

小さな畑には菜の花やシコクビエ、そばの花咲いている中をポクポク歩いているととっても懐かしいゆったりとした気持ちになるものです。

そう、ネパールのトレッキングはオススメですよ!

nネパールの国花であるラリグラスは真っ赤な花をつけるシャクナゲである高度帯だけに咲きます。

その林が開花期を迎えると素晴らしい光景となります。

それを見にネパールにトレッキングに来る人もいるくらいすごいのです!

少し大き目な家がロッジをしていて、気に入ったらそこで泊まれば良いのです。

昔のようにシラミに喰われることも殆どありません(笑)

夜には自家製ドブロクのチャンが飲めるかもしれませんね。

蒸留酒のロキシーに干し肉を炙ったスクティがあれば最高ですが、シンプルな料理は噛み締めると素材の味が楽しめるのでした。

きれいな緑色した海藻

ビスターリ、ビスターリ

ゆっくりでいいんだよ

急ぐたびじゃあないんだから

ある日昼食にダルバートタルカリを注文すると、やおら米をといだのにはビックリしました。

そうなんです。電気も水道もないんだから保温機能の付いた炊飯器があるはずもありません。

燃料節約と高地での生炊きを防ぐので圧力鍋が広く利用されているのでした。

30分もしないで美味しい炊き立て御飯の香りが立ち込め、裏庭の塔の立った菜っ葉をいくつか掻き取りそれを炒めモンゴ豆のダルをかければ、これぞ王道のダルバートタルカリの出来上がり。

味が気になりますよね。

ちょっとの味の素も効いて最高に美味しいもので、マカピーはそれ以降これだけ美味いダルバートタルカリにであった事がありません。

市場に野菜が届けられた

ネパールは造山活動が活発な地域で、インド亜大陸がユーラシア大陸と衝突しせり上がってできたのがヒマラヤ山脈であると教科書で習った覚えがあります。

長い期間に侵食が進みふもとも深い谷が形成されました。

そこに住む人々は谷沿いに住むことはなく尾根沿いに集落を作ったのは、風通しが良い尾根の方がマラリアに罹る恐れが少なかったからと言われています。

マカピーは結核病の仕事でそんな村に行ったことがあります。

結核は抗結核薬を半年間飲み続ければおおかた完治します。

ところが当時推奨されていた直接監視下での短期化学療法では患者がクリニックや保健所へ行って毎日薬を飲むシステムでした。

ですが、大きな集落にしか薬はありません。

今いる尾根の村の向こうに保健所のある集落が見えます。

直線距離で500メートル程の隣村との間には深い谷がありそこを往復出来る患者は少ないのでした。

それなら一ヶ月分の薬を出せばいいじゃないか!

ゴモットモです。

ですが、何故直接監視下にこだわるのかは人間の習慣にありました。

皆さんも風邪の薬を一週間飲むように言われても、回復してくればもう飲まなくなりますよね。

海藻苗を紐に取り付ける作業

結核治療でも多くの患者が治療完了しない内に勝手に止めちゃうと病気がぶり返すだけでなく薬剤耐性菌薬にパワーアップして恐ろしい事になります。

治療出来る薬がなくなってしまうのです。

治療を開始したら完治するまで手を緩めないことです。

更に貧困地域では、薬をもらった患者が薬を飲んだことにしてそれを薬局に売って現金化してしまったり、日本では考えられない事が起こるんです。

薬の副作用で体調不良になることもあります。

現在は4つの薬を一つにした合剤が主流ですが、リファンピシン、エタンブトール、ピラジナミド、イソニアジドがバラバラに何錠も飲まされると患者負担もあり毎日大変なんです。

特にリファンピシンは尿が赤く色付くので心理的にも辛いのでした。

実はそのことはマカピー家族にも結核患者がいたからよく分かるのでした。

毎日飲んだ事を確認するのであればと活躍したのが村にいた補助看護師でした。

彼女が毎日患者に代わって深い谷を上下して薬もらい患者に飲ませた結果、その地域の治療成績が劇的に改善したのです!

誰もいない朝のサッカーグラウンド

日本人医師が彼女のこれまでの献身的活動を褒めた後で尋ねました。

どうしてお金ももらえないのに、半年間も続けられたんですか?

彼女はニコニコしながら、こどもの頃から面倒を見てくれた近所のオジサンの病気が治るのならちっとも大変じゃあないって答えたのです。

この話を聞いて医師は、良い薬も必要だけどやっぱり最後は人なんだなあって改めて感じたそうです。

マカピーでした。
最後までお読み頂き感謝します。ネパールを思い出して帰りたくなりました!



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