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アウト・オブ・カバリッジ マカピーの日々 #1354

マカピーです。
サリンがレストランを去りました。

サリンの挙動は普通と少し違っていました。

既に去ったファラは「アブノーマル(異常)」と言ってはばかりませんでした。

サレがファラを除く7名と辞めた日に現れたのがシェフのオトと翌日現れた洗い場担当のサリンだったのでした。

彼らが来てくれなかったら閉店しなければならなかった訳ですから、マカピーは今でも感謝しています。

救急箱

ところがオトがアルコールを断てずに仕事がおろそかになり、ハナさんの再三の注意でも立ち直れず去ったのでした。

サリンはニコチン中毒のようで給与の殆どが煙となってしまうのでした。

それはサリンの自由なのですが、彼には別れた妻との間に一人息子がいてサリンの母親が育てていました。

ある日サリンの母親が夫(再婚相手)とその息子とレストランを訪ねて来たことがありました。

でもサリンは彼らの訪問に全く関心を示さなかったのでした。

マカピーが「息子が来てるんだからテーブルで話したら?」と声を掛けたのですが母親が「いいのよ。サリンはむかしからそうなの」と諦めてました。

うーむ、たしかにサリンて感情の出し方もしゃべり方も独特なものがある事を思い出しました。

サリンが最初にレストランに来た頃は髪の毛がモジャモジャでハナさんが隣のサロンに引っぱって行き散髪しました。

ひどく痩せていて満足に食べていなかったのですが、まかないメシを食べて2ヶ月の間にまともになりました。

買い出しに行く魚市場近辺

「変な男」サリンは働く仲間からからかわれながらもいさかいを起こすことも無く過ごしていました。

元来彼は争いを好まない平和な男だったのです。

それでも、彼と話しても受け答えがおかしいのでハナさんからは「アウト・オブ・カバリッジ」(圏外)と言われながらも一緒に働いていたのです。

ただし彼の仕事で困った事がありました。

それはサリンは持ち場である洗い場で異常に洗剤を使うのです。

おそらくサリンには使用量の加減が出来ないので毎日洗剤1本を使い切ってしまうんです。

ハナさんは「油が付いてない食器でも何でも洗剤を使わないで。あなたはのおかげで洗剤ばかり買ってるのよ」

サリンはその場でコックリとうなづくのですが、直ぐにもとの洗剤使い倒しが始まるのでした。

春節のメッセージ

ハマナスレストランはまだ固定客が少ないこともあり、それほど余裕がありません。

ですからサービスの質を下げずに節約を心掛けているのです。

それでサリンは「アウト・オブ・カバリッジ」だから仕方ないって言ってられなくなりとうとうハナさんは彼に去ってもらう決定をしました。

最初にサリンを哀れに思いマカピーが心配するのをいとわず雇ったハナさんでしたが、とうとう諦めざるを得なかった訳です。

不器用で誤解されやすいサリンに仕事の機会があることを祈るばかりです。

マカピーでした。
最後までお読み頂き感謝します。適材適所を提供したいです

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