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チルってる?

朝は決まって7時は手前頃にドリップしたコーヒーを飲んでいる。
ティファールでお湯を沸かしてスーサイドスクワッドのマグカップにコーヒーを注ぎながらぼーっと空中を眺めつつ、たまにこぼして慌てふためく。
それからキッチンの換気扇の下でタバコに火をつけるのが日課だ。
部屋での紙タバコはこの時間に1本だけしか吸わない。
最近はそれも減ってきている。
キッチンから10分くらいテレビを眺めつつ少しだけ目が覚めてきてからようやく動き出す。
朝食はここ20年くらい食べていない。
人の身体って不思議なもんで”ひとり暮らしの習慣”ってやつなんだろうけれど、食べるとその日の調子が気怠くなってしまって何かと不都合になってしまう。
ホテルや温泉旅館の朝食はバイキングなんて地獄モード。
せめてもの小さめデニッシュとオレンジジュースがあればそれだけでいいと「○○の間」みたいな宴会場の入口まで思っているけれど、いざ目の前にすると結局は貧乏性。
「うはー!」と興奮してしまい無理をしてでも食べた挙句にその日は辛くなって後悔するという毎度おなじみのパターンになる。
というわけで、とりわけ食べない方がすこぶる元気がいい。

ジム・ジャームッシュ監督の「コーヒー&シガレッツ」のようなあの波風が起きない空気感が好きだ。
何本目か忘れたけれど「カリフォルニアのどこかで」のイギー・ポップとトム・ウェイツのあの感じに昔から憧れている。
「ジュークボックス(だったっけ?)にお前の曲、入ってないよ」っていうだけのあのなんの変哲もないやり取り。
当時は何を観せられてるんだと思ってしまって「つまんねぇ!」のレッテルを貼ったけれど、大人になって観直してから「分かるわ~」に変わった。
カフェインを摂取するときに必要なことってそんな取り止めもしない時間だったりする。

先日どこかでタバコを吸っている時に「細いタバコが似合うよね」と言われた。
試供品で貰ったラッキーストライクのフィルターシガレット。
どこで登録をしたのかは覚えていないけれど、JTさんから忘れた頃にぽんっと自宅のポストに試供品が届く。
JTさんありがとうございます。
人生でこの方誰かにプレゼントをおねだりしたりしたことはないけれど、これはありがたい品だ。
それ以来はそれを口にしている。
値段も廉価で「これはいい!」とちょうど値上がりする時期だったので切り替えて以降これを買うようになった。
ただそれだけだ。
夜のお仕事人が咥えているようなイメージの細いタバコは吸いたくはない。
チャコールなので茶色く短いそのタバコは、その時着ていた迷彩柄のシャツに合って見えたんでしょう。
違法なものはダメ、ゼッタイ。
もしくはチェ・ゲバラのような革命家。
違う、あれは葉巻だ。
レボレーターやドミネーターっていい響きですね。
元々眠りが浅いので中途半端な時間に目を覚ましてしまい、早朝から豆を挽いてドリップしてみたらゆるい感じになってしまった。
たまにはそんな時間、所謂”チル”ってやつが必要だ。
元はと言えば寝つきが悪いだけなので決して格好がつくものではないが。

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