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救急車が赤信号で停止!?!?

悪い冗談だと思っていたけど。
 
緊急走行中の救急車が、今は赤信号で止まるんだ、と聞いたことがあった。 理由は、サイレンの音がうるさいという苦情が来るからだと。 赤信号で止まった車に阻まれて救急車が動けず、その間サイレンが鳴りっぱなしになると、うるさくてかなわんということらしい。 だから救急車が赤信号で動けない時にはサイレンを消すということになり、サイレンの音がなければ周りの車もいよいよ動かないから、通常の車にまじって信号待ち、ということになると。 救急車が!?
 
そんなのお笑いコントの世界じゃないのか、としか思えなかったのだけど、それが本当だというのを、目の前で見てしまった。
 
場所は東京都の文京区。 文京区といえば、東京大学をはじめ多数の大学があり、教育熱心なイメージがあって、「文化の文京区」 なんて言われたりするところだ。 かなりお上品な土地柄である。
 
その文京区の、大きな通りが丁字路になっているところで、私は信号待ちをしていた。 時刻はお昼どき。 丁の字の縦線にあたる道の下のほうから、サイレンを鳴らして救急車がやってきた! 交差点に近づくんだけど、その道では赤信号になっていて、車が10台以上止まっている。 車たち、どいてあげないと!
 
片側が 3車線ぐらいある大きい道路である。 動く場所がないわけではない。 でも、道をあけようと動いた車は後方の 2台ぐらいと、左車線の前から 2番目に停車していたタクシー 1台だけだった。
 
それだけで、ほとんどの車はまったく動かず、その場にでんと居座っていたから、救急車は通れなかった。
 
あれっ、救急車が通れないぞ、と思ったら、その救急車はサイレンの音をそこで消してしまった。 うそぉ~ん。
 
そのまま周りの車と一緒に信号待ちをして、青信号になってから動き出し、サイレンを鳴らし、左折していった。 左折しながら、「ありがとうございます!」 とスピーカーから声がした。
 
いや、全然ありがとうじゃないよ・・・
 
自分が見た光景に寒気がした。 どこからどう見ても救急車なのに、道をゆずろうともせず、平気で知らん顔でいられるのって、人間としてどこかおかしくないか?
 
救急車の意味はわかってる? 一刻を争う状態の人が乗ってるかもしれないんだよ。 人の命がかかっているんだよ。
 
もし自分や自分の大事な家族が救急車に乗って、赤信号で止まったおかげで助からなかったなんてことがあっても、しょうがないよね、と納得できるんだろうか?
 
そういえば、はっきり見たのはこれが初めてだったのだけど、数か月前にも あれっ? と思ったことがあった。
 
それは板橋区の、首都高沿いの大きな道路だった。 道路からちょっと離れたところにいたのでよく見えなかったのだけど、右のほうから聞こえてきた救急車のサイレンの音が、私の近くに来て消えた。 おかしいな、どこかに曲がって行ったのなら音は聞こえるはずだし、と思って見てみたら、車がごちゃごちゃっと赤信号で止まっているようだった。 車の流れはまったくなかった。 しばらくして信号が青になったみたいで、車が動き出したら、救急車のサイレンの音が復活した。 ッホピーポーピーポー! えっ!? いま救急車止まってた!?
 
ということがあった。 あれも、気のせいではなかったんだな。 きっと本当に救急車が 「赤信号で」 止まっていたのだ。
 
何だこれは。 救急車が緊急走行できないなんて、救急車の意味ある?
 
だいたい、救急車のサイレンの音が 「うるさい」 と苦情になること自体が、ちょっと狂ってる。 うるさいのは当たり前じゃん、みんなに聞こえるように鳴らしてるんだから! 普通に走ってる車のどれよりも優先して通行しなきゃいけない、それが緊急車両だから!
 
救急車が通ろうとしてるのに、平気で道をふさいでいられる神経が、人間としてどうかしている。
 
そういう人って、もし道端で人が倒れてても、無関心でいられるってこと? 気にならないし、心配する気持ちも起きないし、助けようとも思わないってこと?
 
そうかもしれない。 ほかの場所だと違うかもしれないが、少なくとも今の東京は、そういう社会になってしまっている。
 
これじゃあ生きづらいはずだな。
 
同じ緊急車両でも、警察の車に関しては、赤信号で止まったり、サイレンの音を消したりという話は聞かない。 ますます変な話だ。 警察車両にはいそいそと道をゆずるけど、救急車にはゆずらないって事か!? 救急車をなめているということか!?
 
もしかして、ここにも 「強い者には弱く、弱い者に厳しい」 今の日本人が発動されているのか。
 
この先いつ自分が、救急車で運ばれるような事態になるともしれない。 日本に住んでいることはリスクなのではないか。 緊急車両がまともに機能していないなんて、少なくとも先進国の姿ではない。 日本人はいったい何を考えているのだ。
 

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