革を「育てる」。経年変化ってなんだろう
革の醍醐味、エイジング。「使うほどに手になじむ!」とよく言ったものですが、その正体とは。
エイジング(経年変化) について。
”経年劣化”との違い
布製品やプラ製品など世の中に出回るほとんどのものは新品がその価値のピークといえると思います。時間が経つにつれて古くなり、壊れていく。毎日のように使うものでは、数年で寿命が来るものが多いのではないかと思います。時が経つにつれて状態が悪くなっていく。これが経年劣化です。
こと革においては”経年変化”はポジティブな意味合いで使われる
ことばの定義・意味合いとしては変化の一種劣化するのだと思いますが、この記事でいうそれは、いわゆる味が出てきた状態、これがエイジング(経年変化)です。
革という素材は丈夫で長持ちします。お手入れされた状態であれば10年20年毎日使っても壊れない頑丈さが魅力です。1つの同じアイテムを長く使えることで、愛着が増す。傷や汚れなども含め、変化を楽しむ。このアイテムと一緒に歩んだ人生そのものを表している。
革製品にはそんな消耗品と違う思いを持つ方が多いのかなと思います。
どんな変化?
基本的には見た目として色は濃くなるか、光沢が増すか。両方の場合が多いかもしれません。
手触りとしてはザラザラだったものがすべすべに、固かったものが柔らかくなっていきます。
変化は不可逆的なもので、逆の状態にはなりません。
そして、使った人によって違う表情を見せます。
毎日ぶらしがけや布で磨く人、傷などを気にせずガンガン使う人。長年使ったアイテムはそのユーザーの個性が出ます。
革製品のエイジングを楽しもう
革製品のエイジングを楽しむにはまずあなたにあった革製品を手に入れるところから。
お気に入りが見つかったら、早速使うその前に以下のポイントを掴んでおきましょう。
ポイント
革の種類によってエイジングするスピードや変化の幅が違う
革の種類によってその変化するスピードが違います。数週間で変化を実感できるものから、数年経ってもほとんど変わらないものも存在します。
変化する幅も薄いクリーム色から焦げ茶色まで変化するものや、色はそのままで光沢が出るもの、ずっと変わらないもの、とさまざま。
詳しく分類すると鞣し方法や色の染め方(顔料染め、染料染め)などとても深いので、この領域はまた別の記事にてご紹介します。
写真に残しておこう
エイジングのスピードは様々ですが、基本的にゆるやか~に進行します。
昨日と今日の状態を見比べてもたぶんわからないです。
なので、写真で残しておきましょう。数ヶ月ほど使ってから振り返ってみると結構違うもんだなーと感動できますよ。
手入れは必須ではない
「革製品はお手入れしないといけなそうで敷居が高いわ」(誤用)と考えている方に朗報です。「手入れしなくてもいいよ!」
例えば毎日触るようなお財布・キーケース・ペンケース。
これらは手で触れることで手の脂が塗り込まれ、少しずつ磨かれていきますので、特段お手入れはなくても問題ありません。
カバンなども基本的には同じで、大事にしまい込むよりも使ってあげることがお手入れになります。
もちろん時間をかけて、手をかけて、定期的にオイルを入れたり拭いてあげたりしてあげるとより良い状態で長持ちさせることができますが、気が乗ったらで構いません。そんな理由で革をあきらめてはもったいないです。
エイジングは焦らずに
無理にエイジングを急ぐのはあまりお勧めしません。
デニムなんかだとあらかじめ穴あけたり傷つけたりして売っていますね。
必要以上にゴシゴシとこすってみたりわざと地面に落としたり。色々と私もやってみたことがあります。ですが、愛着が湧く前に飽きてしまったり、ボロボロにしてしまったり。革にも申し訳ないなと思いやめました。
焦らずじっくりと付き合っていき、気づいたら味わいが出たな、と気づく。数カ月から数年のスパンでゆるやかに変化をしていきます。
定期的に写真を撮りながら、振り返ってみてみると楽しめますよ。
過保護もあんまり良くない
オイルを毎日いっぱい塗ったりしなくても大丈夫です。
植物も水をやり過ぎると枯れてしまうように、何事もやりすぎはNGです。
エイジング例 愛用のブーツ。
そんな皆さんの「人生のお供」としてエイジングを楽しめる革製品をご用意しています。
このアイテムはどんな変化をしますか?とご相談ください。
※靴はやっていません。
お時間やご予算が許せば革の素材からフルオーダーもお受けいたします。
お気軽にご相談ください。
Creema
minne ※商品追加中
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