【革紹介】Rugato(ルガトー):革の宝石
奥深い革の世界。1つの種類を掘り下げて語るコーナーです。
今回はベルギー製の革「ルガトー」を紹介します。
余談が多めで読むと革に少しだけ詳しくなれるかも?
想定される読者の方は革に興味がある方、革にどんな種類があるのか知りたい方向け。
革の宝石と称される透明感のある発色
概要
ベルギーにただ一つしかないタンナー「タンナリー・マズール社」で作られるショルダーです。一般的な革と性格が全く異なる特徴的な革です。
色の美しさ、天然の模様の美しさは唯一無二。
革を頂いた牛の個体によっても差が出る上、部位によるシワの入り方がそれぞれ違うため、2m × 1mの一枚から11cm × 22cmほどの小物にした際はガラッと表情が違うものを作ることができるため楽しい。
・用語の補足
タンナー:鞣し加工(なめし:動物の【皮】を処理し、生地の【革】として使える状態に加工すること)を行う業者です。
ショルダー:一枚革の単位です。ダブルショルダーともいわれ、両肩(前足)と背中部分をとった革です。ヨーロッパでは部位により用途が分かれるため、あらかじめ分割されておしりの部分は靴底、などとそれぞれ専門のたんなーが分業しています。
ちなみにアメリカでは背骨のラインで右半身と左半身をパカっと2つにした「半裁」という形が主流。アメリカから技術が来た日本でも同じ取り方をします。
特徴
なんといっても目を引くのが鮮やかな透明感のある発色とトラ模様。
ショルダー(肩部分)はよく動くためによく伸縮し、しわが入ります。
シワはまだらになったり色むらになったりと通常嫌われ、なるべく隠される「トラ縞」を逆手に取ってむしろ目立たせて、生かした天然のデザイン。
1つとして同じ模様がないため、それぞれの作品が唯一無二のデザインです。
エイジング
革の特性として非常にパリッとして硬いものになります。
使い込んでもそれほどクタッとすることなく、よく曲げる部分から少しずつ柔らかくなっていきます。
また、小物などは特に使う中で手の脂が染みてより艶が増していくといった育ち方をします。色が濃くなったりという変化はあまりなく、元から光沢のある革のため、経年変化を楽しみたい方には変化が少なく物足りなく感じるかもしれませんが、逆に綺麗なままで愛用したいという方にはピッタリといえます。
お手入れ
この革に関してはお手入れはいらないと考えて大丈夫です。
表面のコーティングによりオイルが抜けてひび割れたりというトラブルが起きにくい種類になっています。
この革でつくったもの(ちょっと宣伝)
美しい縞の模様を活かした作品です!
現在アイテムが少ないですが、この革をつかったカード入れを販売しています。
お好みに合わせてボタンの色が5種類からお選びいただけるセミオーダー品となっています。私の作品の中でもいちばんの人気を頂いています。
名刺入れやカード入れとして、またはお薬などをしまったりする小物入れとして小さいながら頼りになる収納力があります。
詳しくはリンク先をご覧ください。
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