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銀ちゃんといっしょ 103

私の大事な大事な大事なもの

子育て時代
毎週ではないけれど
半同居の鬱陶しい主人の実家から
めまぐるしく過ぎる平日のバタバタから
逃げるように子どもを連れて実家に帰っていました

車で10分もかからない距離
たくさんの食糧を買い込んで
たいてい着くなりお昼寝モードで
横になっていました
子どもたちはそれぞれに好きな遊びをしています

ある時
小学校低学年の娘が母と二人して
真剣な面持ちで話し込んでいました
こたつの上にはチラシを切って作ったメモ用紙が
たくさん散らばっています

何を書いているのか覗いてみると
娘の名前があらゆる漢字を使って書かれていました

娘の名前はひらがな3文字

きっと娘が母に
自分の名前の漢字を尋ねたんでしょう

娘の名前は私が高校生の頃から決まっていました

もっと遡って中学生の頃が発端
その名前の同級生が2人いました

その2人とも美人でもなく可愛くもなかったんです

注・これは中学生の見解です
きっと今の私が見たら
2人とも可愛らしかったと思います

でも性格がとても良くて優しくて
可愛がられるタイプでした
それで可愛い名前だなって思っていました

高校生になって読んだ少女漫画で大好きな作品に
その名前の女子が準主役で登場しました
性格描写は実のところハッキリ覚えていませんが
主役の男子が実はその女子が大好きだったって感じ

その頃から〝女の子ができたら◯◯こ〟って

さて3人めに女の子を授かりました
主人は〝任せた〟〝好きにつけて良いよ〟と

名前の〝音〟は決めていたけど
あてはめる〝漢字〟で迷いました

〝好きにして良いよ〟と言った主人が
候補にあげる漢字に難癖をつけてきます
私も言われたら〝そうだな~〟なんて

考え続けて決まらずにひらがなになりました

それだけの理由だったんです

そんな経緯がまだわからない娘が
こたつに入って婆ちゃんと
仲良く顔を付き合わせて悩んでいる姿
これを見られただけでも
私の〝名付け〟は大成功だったと思っています

でも1つ困ったのは
小学校時代の課題〝名付けの理由〟でした
だってまさか漫画の準主役なんて理由…
どうにかこうにかでっち上げました


そして実はその名前にした決定打は
私のかけがえのない親友の名前です

彼女の名前に〝こ〟をつけたんです

もしも仲が悪くなったら…
もしも何かひどい事になって喧嘩別れしたら…

そんな事は全く考えませんでした
今これを書いていて〝そういえば…〟と
頭をかすめただけ

私にとって
生涯かけがえのない〝名付け〟になりました

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