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銀ちゃんといっしょ 32

父親

何歳までだったか…
私にとって父親はヒーローでした
国民なら誰でも知ってる所で働いていて
家庭を顧みずに働いているのがカッコいいと…
それに引き換え母親は家にいて
〝主婦をしてるだけ〟じゃないかって

それが
とんでもなく見当違いの考え方だってわかるまで
父親は私のヒーローでした

それが崩れ去ってからは
父親との仲違いは増えるばかり

二言目には〝男は…〟〝女は…〟と
男性に有利な話しかしない

悔しいかな
その考え方は思考の根底に根付いてしまっています

そういう時代だったから
というのが常套句
常套句であり現実だったから

でもそんな時代でも
子どもと遊び
家庭での時間を大切にしていた人も
たくさんいたと思う

今の時代でも
仕事が忙しくて子どもと遊んでやれないって…
やれなかったって悩んだり後悔してる
〝父ちゃん〟たちがいる
単身赴任の人なんか尚更の事

家族が大切だからって
頑張れば頑張るほど
家族との時間が取れなくなって
コミュニケーションができないから嫌われて…

〝子どもたちに好かれたい!〟
〝気持ち悪がられてもいい!好かれたい!〟って

先日某所で
そんな父ちゃんたちの書き込みを見て
哀愁を感じました

私の父親はそんな哀愁の漂う父ちゃんとは違う

自分の事しか考えてなかったと思う

〝時々物凄く冷たい目になる…〟
新婚時代に主人に言われたセリフ
嘘やおべんちゃらが言えない主人だから
間違いなく本当の事

私は父親にそっくりな顔をしています

母方の祖母が母が結婚を決めた時に
〝あの人はアイスだ〟と言っていたらしい

別にいつも仏頂面をしていた訳でもない
怒鳴り散らされてた訳でもない
何かを猛烈に反対された訳でもない

逆に

何かを教えてもらった訳でもない
味方になって助けてもらった訳でもない
たくさんの褒め言葉をもらった訳でもない

結局のところ
ほぼ関わっていないだけ

ただ存在していただけ

母から聞いた話によると……
父親の父親は家では個室で
いつも1人でこもって本を読んだり
物思いにふけっていたらしい

だから父親としては
そういう父親しか見て来なかったから
どう〝父親〟をしたら良いのか
わからなかったのかも知れない

私はきっと父親みたいな人と結婚するんだろうな
と思っていました
男は仕事
女は家の事と子どもの事
そういう役割分担
家族で遊びに行くなんて考えられないような…

実際に一緒になったのは子煩悩な主人
授かった3人の子どもたちのお風呂は
全員主人が入れました
遊び事も全部主人

私の言い分としては
母親は子どもと子宮でつながっていたから大丈夫
父親はそうじゃないから努力をしないといけない
というもの

主人にはそんな言い分を振りかざす必要もなく
私には勿体ないぐらいの〝父親〟を
してくれています

私は父親との確執を解消しないまま
父親をあちらへ見送る事になりました
涙も出ませんでした

今でも

そんな〝アイス〟な所が
あの父親の娘なんでしょうか

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