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誰もが行く道

今朝ちょっと切なくなった話

散歩中によくお会いする人だけど
半年以上見かけていなかった人
70代後半
お客さんでもある男性です
挨拶だけではなく会えば必ず立ち話をする人です
遠目でその人だとわかり声をかけました
〝お久しぶりですね〜!〟
〝あ〜本当に!〟と言いながら近寄って来て
ごん太を撫でます
そして〝あれ?いつも犬と一緒でしたっけ?〟と…
………え?と思ったけれど〝はい〟とだけ答えました
私がごん太抜きで散歩をした事はありません
二言三言季節の会話をして別れました

少し歩いて公園の水場でごん太が水を飲んでいる時
その人が戻って来ました
会った所からはかなりの距離でした
〝すみません…思い出せなくて……お名前は?〟
と聞いてきました
名乗るとすぐにわかっていただけました

聞くと
最近物忘れがひどくなってきて
長年お付き合いのある隣の人がたずねて来た時に
どうにも思い出せなくて名前を聞いてしまった…と
病院へ行った方が良いのか…?と
悩んでいるようでした

病院へ行くのが正解なのかもわからないので
返す言葉が見つからず
〝思いつめないで
奥様とよく話し合うと良いと思いますよ〟
とだけ答えました
脳に何かの疾患がある可能性もあるはずです
でもそんな事を言うと思いつめてしまいそうだし…
言葉が無力だと感じました

いつもニコニコとして
暑い真夏でも麦わら帽子を被って散歩を欠かさず
いろんな人と立ち話をしている姿を見かけ
こういう老後なら
ボケてしまったりしないんだろうなと
思っていた人です
寂しさを感じました

本当にいつ何があるかわかりません
一日一日を大切にしていくしかない

それしかない…のでしょうか

ごん太はその人をちゃんと覚えていて
笑顔で尻尾を振りながら見上げていました




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