凄い名前のロウリュ用アロマオイル
Noteを利用している皆様、はじめまして。
株式会社アクトパス(サウナや大型スパ施設のコンサルティング・プロデュースを行う会社です)に4月から入社しました、新入社員のハラダと申します。
新卒の唯一の特権である「産まれたてホヤホヤの感覚」を活かして、温浴施設で驚いたことや、感動したことをお伝えできたらと思います。
Noteデビューのテーマは「ネーミング」です。
読者の皆様は、「サウナ用アロマオイル」と聞いてどんな種類を思い浮かべるでしょうか。
特に多いのは、白樺、ユーカリ、ミント…あたりと踏んでおります。
愛煙家かつサウナーの方は、「タール一択!」と答えられる方もいらっしゃるかもしれません。
私はといえば、強烈なアロマオイルと出会ってしまい、ロウリュで使う液体といえば、それしか名前が浮かばないという禁断症状に陥っています…
1月某日…
「本日使用するアロマオイルは
『ととのえトリップ』
です。ととのいを深める効果があります。」
初めて聴いたときの衝撃は忘れられません。
私はもちろん、周りのお客様、説明した熱波師当人ですらニヤついていました。
この「攻めすぎていないか?」という声が殺到しそうなネーミングの威力を私なりに分析してみます。
凄さ(1)「命令形」
もう皆様もお気づきかもしれませんが、名前の前半部に「ととのい」ではなく「ととのえ」という命令形が選択されています。
ある種の「強制」です。
初めて聞いたときは、
「液体ごときが何様だ。俺が好きなときに『ととのう』んだ。『ととのう、ととのわない』のも俺の自由だ!」
という強い反抗心を抱きました。
しかし、その抵抗は熱波が始まってから、わずか2分で脆くも崩れさりました。
(ととのいなさいよ…)
(ととのったら楽になれるぜ?)
(その反抗心になんの意味があるんだい?)
そんな声がどこからか聴こえてくるのです。
ハッと思い、周りのお客様を見まわしても、熱波師をみても声を出している様子はありません。
そうです。
「ととのえトリップ」が私に呼びかけていたのです。
それからは、文字通り「なすがまま」でした。
女王アリから司令を出される働きアリが如く、
「ととのえ」という命令にひれ伏していました。
凄さ(2)「動名詞終わり」
気づけば、アウフグースも終わり、水風呂の中にいました。
液体に膝をついた悔しさが段々とこみ上げてきました。
あのとき顔に流れていたのは汗が涙が今となってはわかりません。
「隊長、命令には従いました。見返りを下さい!」
問いかけました。
(俺の名前をよく見てみろ。答えはそこにある。)
…ととのえ『トリップ』
…ととのって、『旅にいけ』
「ありがとうございます!」
そこにあったのは、ただただ感謝の意です。
やっとその時に、「『動詞』は『名詞』と比べて、具体性を伴うためにイメージがしやすい」と大学で学んだことを思い出しました。
つまり、「トリップ」という動名詞で終わることで、サウナ室内を飛び越えて、休憩中の感覚まで潜在意識のレベルで誘導されていたのです。
ダラダラと書いてしまいましたが、結局伝えたいことは、
「人は言葉に依存する」
ということです。
呼び名は単なる文字列ではなく、与える印象まで操作してしまう可能性があると考えます。
「キティ」と呼ばれる友人は実物よりも可愛く見えるし、「ゴルゴ」と呼ばれている友人は厳つく見えます。
モノでもヒトでも、名前をつけるときは、
「周りの方からこんな風にイメージを持ってほしい」
と意識して名付けると効果的かもしれません。
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