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私の心は、ハノイの空のように慌ただしいみたい


「スコール」の季節がやってきた。


私が暮らすハノイでは5月〜11月が雨季。その期間は、突発的に大雨が降る。

「今日は晴れていて気持ちいい〜!」なんてのも束の間。ものの10分で雲行きが怪しなって、あれよあれよいう間にドシャ降りになる。

激しい雨で視界が悪くなるし、突風が吹くから傘なんてお飾り。

だから雨がふり始めると、急いでカフェに駆け込んだり、強制的に軒下でひと休みをしなければならない。

…とはいうもののスコールは突発的な現象だから、すこし待てば必ず止む。

コーヒーを飲んだり読書をして1時間くらい待っていると、何事もなかったようにまた晴れるんだ。

これが、雨季のハノイ。

ハノイの空って、ほんと慌ただしいよね。

私の心の中でも、よく「スコール」に近い現象がおこる。

基本的に淡々と仕事をこなすタイプ(だと思っている)なんだけど、ちょっとしたことで自ら不安を掻き立ててしまう。

スコールのきっかけは、本当に単純。

「本当にこれでいいのかな?」

そんな些細な自問自答から、心の雲行きが一気に怪しくなる。

つい10分前まではゴリゴリ仕事をしていても、心に雨雲が出現するともうダメ。作業していた手がピタッと止まってしまうんだ。

「いや・・・こんなんじゃダメだ!」

何が引き金なのかは、自分でもわからない。

でも負の感情を溜め込んでいたバケツがひっくり返り、ネガティブの雨が心の中で降りそそぐ。

「私・・・もうムリかも・・・。」

とまあこんな感じで、心のスコールは突然始まってしまう。

ちなみにこうなると、私の場合は前に進めない。だからネガティブの雨が止むまでは、どこかで雨宿りをする必要があるんだ。

歩くことをやめて、すこし休む。

時の流れに身を任せる…じゃないけど、心のスコールをきっかけにマインドセットをすることは、私の場合よくあること。

スコールって、実は雨よりも「風」の方がすごい。

だから傘でガードしながら無理に歩くと、飛ばされそうになるし、かえって危なかったりする。

そのせいか「スコールの中どうやって歩こう?」と考える人は、ほとんどいない。

それよりも「どこで雨宿りしよう」とか「その間なにをしよう」とか、スコールの間「どう楽しく休むか」が大切になる。

前に進むことは一旦あきらめて、休むことだけを考える。

これが、スコールの鉄則だ。

どこかに駆け込んで、待つだけでいい。
いつ止むかなんて誰にもわからないけど、じっと待っていれば空は必ず晴れてくれる。

そして、心も同じ。

突如スコールに見舞われて歩けなくなってしまうこともあるけど、そのときはまた歩けるようになるまで待つようにしている。

心のスコールは、立ち止まるサイン。

焦らず、気長に待てばいい。
スコール後の、晴れやかな空だけを楽しみにしながらね。

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