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沖縄ラバーなフロサポの「キャンプに行くならここも行け」その2~牧志公設市場界隈~

レンタカーを借りて、キャンプ地の中城村(なかぐすくそん)に直接向かうのもよろしいわけですが、キャンプの予定によっては直接行かずにちょっと寄り道をしたいときもあるかと思います。そんなときにおすすめなのがド定番ではありますが牧志の公設市場あたりです。

いまとなっては思いっきり栄えている土地ですが、戦前までは湿地帯で人もほとんどいないような場所でした。戦後に今の国際通りが整備されるにつれて人が集まり、1951年にできたのがこの公設市場。最初のころは近くの川の氾濫で市場が水浸しになることも多かったと言います。

観光名所ではあるのですが、地元の方もまた多く訪れていて、特に正月やシーミー(本土でいうお盆?先祖を忍んで一族で宴会をします)の時期などにはごちそうを作るための食材を探してごったがえします。

そんな牧志の公設市場でもとみに有名なのが熱帯魚っぽい色鮮やかな魚屋さんで、ここで買った魚を2階の食堂に持っていき幾ばくかの調理料を払うと、刺身やら、バター焼き(沖縄の魚は淡白な魚が多いので、バターやマーガリンでコクをだすことが多いです)、マース(塩)煮などにしてくれます。

魚屋さんは何軒もあり、この魚屋さんゾーンはイユマチ(魚の市場)といいます。

また公設市場の中には肉を扱うゾーンもあり、ここはシシマチ(肉の市場)といいます。有名なのはサングラスをしている豚の頭(皮の部分をチラガーといいます)や、アグー豚のばら肉、あるいは石垣牛などが並べられていますが、オキナワっぽいというと塩漬けにした豚ばら肉のスーチカーなどをおみやげにいかがでしょう。生肉と違って、それほど気を使わずに持って帰れるし、その後の保存もけっこうできます。大概のお店で海外産の安いもの、県産(沖縄産)のそこそこのもの2種類を売っていたかと思います。

そして牛も食べます。
苦手な方もいるかもしれませんが、この牛の中身と書いてあるのは牛の内臓です。沖縄の食文化は日本の食文化に準じている所もあり、また一方で独自の発展を遂げているものもあり、その独自なものの一つがこの肉食文化なのだと思います。冷房が効いているとはいえ冷蔵庫のような温度でもないところに内臓が置かれているのですが、新鮮さもあって目を引くような鮮やかな色合いでそこにあります。東南アジアに行くと、炎天下のマーケットで生肉が売られたりしているのを見るのですが、それと同様、肉を知り尽くしているからこそできる売り方なのかと思ってみています。

市場をふらふらしていると目につくのは鮮やかな魚や、迫力のあるお肉なのですが、一方で沖縄の方の普段の食材も多く売られています。これは、かまぼこ屋さん。ピンクのものやいわゆるかまぼこ型のものもありますが、なんといってもなじみ深いのが左側にある棒状のかまぼこ。沖縄そばに入っているかまぼこはこの棒状のかまぼこを斜め切りにしたもので、そばの触感にアクセントを与える名脇役。

そのまま食べると魚の味が濃厚にでた上質なおつまみになります。あげられているから日持ちもするので、これも沖縄土産の一つとしてお勧めしたいと思います。

もともとの沖縄のかまぼこはグルクンという魚を材料にして作っていたのですが、いまではそのグルクンで作ったかまぼこを作るところは数軒しかなくなってしまいました。公設市場あたりにもそれを売るお店があるのですが、午後のわずかな時間しか空いておらず、それもすぐに売り切れてしまいます。

次にこんぶ屋さん。戻しただけの昆布、細切りにした昆布、切干にした大根、それらをミックスしたものなどいろいろな昆布製品が並べられていて見ているだけでも楽しいです。

沖縄では昆布は取れないのですが、15世紀くらい?に沖縄は日本と中国の貿易の中継基地となっており、中国にもっていく途中の北海道の昆布の一部(不良品?)が沖縄にも供給され、それ以来、沖縄で昆布が広まっていったといわれます。よく沖縄は長寿の島と言われてますが、その一つを担うのが昆布だしを使った料理。だしがちゃんとしていると、脂分、塩分などを控えても味が濃く、満足感が得られることから、全体としてヘルシーな料理になるとのこと。

そして、出汁文化のもう片方を担うのが鰹節。おそらく薩摩藩との関係の中で作られるようになった鰹節ですが、沖縄でも特に美ら海水族館で有名な本部半島あたりで鰹が良く獲れ、往時は本部半島でも鰹節が大量に作られていたそうです。

このお店は公設市場を出てすぐにある乾物屋さんで、鰹節やら昆布やらいろいろな乾物が置いてあります。この鰹節は頼むとその場で削ってくれるので、これもお土産にいいのかなって思います。立ち込める鰹節の香りにしあわせになれますよ。

http://matsumoto-shoten.jp/

乾物屋さんからさらにちょっと歩いていくと、こんなお店があります。うなぎの寝床といった細長いお店には何人かのおねーさんがいらして、もくもくとなにかを作っています。

で、作っているのがこれ。ポークたまごおにぎりです。ご存じのように戦後27年に渡って「アメリカだった」沖縄にはアメリカの食材が多く浸透しました。その一つがスパムで、それとたまごをご飯にはさんだポーク(スパムのこと)たまごおにぎりも自然発生的に生まれていきました。
ここのお店のポークたまごおにぎりはおにぎりというよりご飯のサンドイッチみたいなかたちで、去年流行ったオニギラズの元祖といわれてたりします。
たきたてのごはんと、ボークの塩気、たまごの甘味が口の中に広がる、いくらでもたべられそうな魅惑のメニュー。
私はたまごとポークのみのプレーンをいつも食べていますが、いくつかのバリエーションもそろっているので、何種類かテイクアウトしてキャンプにいくのもまたいいんじゃないでしょうか。

http://s.tabelog.com/okinawa/A4701/A470101/47015021/

最後に紹介するのが節子鮮魚店。ポークたまごのお店の並び(といっても50mくらい離れてますが)にある、魚の卸しのような店構えです。ここでは沖縄の魚や、沖縄のではないけど生ガキなどをいただくことができます。

そして、一番のおすすめポイントは昼から開いているということ。写真の生ガキ、さしみ、ビールのセットは1000円なので、牧志散歩のついでにちょっと一杯というのもオツかなと。

ほぼほぼ地元民ばかりの店なのですが、たまに観光客が入ってくるとその地元の方が話しかけ、そのまま盛り上がってる姿などもまたここでよく見る風景です。

http://s.tabelog.com/okinawa/A4701/A470101/47007542/

しがない(ほぼ)無職の中年ですが、サポートしていただけたら喜びます。