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2023年を終えて

まもなく2023年が終わりを迎え、私たちは2024年という新たな時代に突入することになります。
2022年が「そうであった」ように、また2021年がそうであったように、2023年も多くの不確実性を抱えた一年でした。

まず喜ばしい点から挙げると、私たちはコロナ禍を乗り越えて正常化へと進みました。私事ですが、今年は3年ぶりに宴会が復活しました。マスクをつけなくなって久しい方々をお見受けすることもございます。例えコロナウイルスに罹患する人がいても、それは最早「治る病」なのだと広く認識されています。
実に素晴らしいことです。これは私たち投資家や、偉大なる国家がリスクを背負い、新薬を開発し続けたからこその結果です。この事実は投資家の勝利の事例の一つだと言っても過言ではありません。

他にも、米国ではハイブリッド勤務が定着しつつあります。コロナ禍後は完全なる職場への回帰も予想されていましたが、現在のところ、そのようにはなっていません。ハイブリッド勤務を支え続けている遠隔会議システム等のテクノロジーは、私たち投資家がリスクを背負ったからこその産物だとみることができます。その点、コロナ禍中もコロナ禍後も、投資家冥利につきると感じています。

一方で、ロシアによるウクライナへの侵攻は依然解決の糸口がみえていません。また2023年後半には、ハマスによるイスラエル侵攻もあり、両者は現在戦禍にあります。他にも米中の戦略的対立など、地政学的に不安定な出来事が続いていることには心を痛めている方も多いことでしょう。
しかしながら、私たちは必ずこれらを乗り越えていけると確信しています。

そう確信できる根拠の一つとして、下記にとある記事を引用します。これらの記事は私が2023年初に執筆した内容です。

『ウォール街のストラテジストの間では、痛みを伴わないインフレ鈍化の実現は難しいとの見方が支配的だ。過去の事例を踏まえれば、深刻なリセッション(景気後退)を伴わず、市場が目下織り込んでいるペースでインフレが低下することはほぼあり得ない。先週公表された経済指標は個人消費が落ち込んでいる兆候を示した。また多くの企業が人員削減を発表。業績見通しの下方修正も相次いでいる。一方で、中国の経済再開や労働市場の継続的な引き締まりは、いずれもインフレ圧力となり、現在の想定以上にFRBが利上げする可能性がある。』

要約すると、「相場の先行きは良くわからない。なぜなら、インフレを加速させる要因も低下する要因も混在している。しかも、FRBは利上げを継続すると言っている。従って、株高が続くと考えるには時期尚早だ」ということです。

同記事は下記のように締めています。

『たとえ、市場の思惑通りにインフレが鈍化したとしても、物価の冷え込みと共に経済がリセッション(景気後退)入りすれば、株式市場にも苦境が訪れるだろう。
昨年夏以降、債券市場では景気後退の前兆とされる逆イールド(長短金利の逆転)が発生。投資家が成長減速と将来の利下げを見込んでいることを示唆している。
これは現在の株高の持続性に疑問を投げかける強力な理由になる。こう述べるのは、ストラテガスのテクニカル・マクロ分析責任者、クリス・ベローン氏だ。
「イールドカーブがその反対を示唆していない以上、リスク資産をやみくもに買い持ちにすることはできない」』

迫りくる景気後退を控え、WSJの記事では下記のように紹介されていました。

『アマースト・ピアポントのシニア・マネージングディレクター、スティーブン・エイブラハムス氏は「株は非常に割高に見える」とし、「株から債券への再配分は容易に判断できる」と述べた。』

他にも、米資産運用会社ブラックロックは投資家に社債や住宅ローン担保証券(MBS)の保有を増やし、米国株や欧州株へのエクスポージャーを縮小するよう提言しています。

『最近のリポートやポッドキャストで、高金利が続き、投資家が織り込んでいるより厳しい景気後退を引き起こす可能性を踏まえると、先進国市場の株価はまだ高過ぎる』と述べています。

以上の2つの記事は、いずれも2023年の株式相場をネガティブに予想していたものです。たった一年前のことですが、当時は不確実性が永遠に続き、インフレの収束はまるで見通せないと市場参加者は感じていました。実際にリスク資産は大きく売られ、現金などの無リスク資産への流入が2023年を通して続きました。個人的には居心地の悪い相場だったと、生涯忘れることはないでしょう。

しかしながら、結末はいかがでしょうか。読者の皆様はすでにご承知のとおり、ディスインフレが進行しており、執筆時現在、なんとS&P500指数は最高値付近にあります。これは、ほとんど全てのウォール街の「賢人」たちが予想できなかったものです。

私は考えます。おそらく、「賢人」たちは私たち人間が持つ適応能力を見誤ったのだと。各企業はサプライチェーンを最適化してみせました。それによって、モノのディスインフレが進行しました。また、適切な人員の再配置を行い、効率性を高めました。その他、多くの移民を受け入れることで、欠けていた労働力を補いました。これら全ては私たち人間が、コロナという未曾有の災害、それに続くインフレに適応してきたからこそ成し遂げられた結果です。

乗り越えるべき苦難は、常に私たちの前にあります。過去そうであり、現在そうであるように、未来にも待ち受けています。その度に、私たちは私たちが持つ強さによって、時代を作っていくことでしょう。

最後に、年初に受けた「賢人」たちのネガティブな未来予想図を受け、当時の私はどう考えていたのか改めて引用したいと思います。

私がみている時間軸は、20年後の世界であって、今年や来年ではありません。実際に2020年から2021年にかけて短期間でリスク資産は大きく上昇しました。一方で、2021年から2022年にかけて短期間でリスク資産は大きく暴落しました。しかし、そのどちらもが20年後の世界から振り返ってみると異なる見え方がしていると確信しています。

本当の意味で長期投資を実現できる投資家は一握りの人だけです。よって、多くの投資家が短期的な経済環境(ミクロ)に左右されて一喜一憂しますが、本質を見失ってはいけないと私は考えています。
資産運用の本質は利益であり、利益は経済規模に基づきます。世界の経済が拡大するならば企業はマクロの恩恵を受けられますし、そうでないなら資本主義は成り立ちません。

大切なのは、何を信じて資産を運用するか、だと私は考えています。
私は世界経済の拡大を信じているから、長期で投資します。従いまして、短期的に景気後退が予想されている2023年も積極的にリスク資産に資金を投じます。

私はおそらく今回も「過去の私自身」に救われることになりそうです。「賢人」の予想に惑わされず、己の信念を貫いた過去の私に感謝を。

それでは皆さま、2023年もお疲れ様でした!!
来年も皆さま共に明るい未来を歩んでいけることを心より願っております。
よいお年を。

最後のさいごに現在の私がトップピックだと考えている個別株を3(+3)つ程挙げます。普段は推奨銘柄のような位置付けにあたるような内容は避けているのですが、年末ですので、当たるも八卦当たらぬも八卦な宝くじとしてお納めください。笑

マスタープラン加入者様向け(リスク許容度中、リターン要求度中)

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