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「うしろむき夕食店」を読んで

 ポプラブッククラブ7月の本は、noteでも飛び飛びに読んでいた(ごめんなさい)「うしろむき夕食」(冬森灯著)。

 ささくれてた気持ちをほっこり包みこみ、ひたすら心に寄り添って鎮めてくれる、そんなお話でした。
 そして、やっぱり(ここもごめんなさい)紙の本が好きだなあと改めて思いました。

手づつみの包装紙は、いつもすぐにブックカバーにしてます。丁度いい大きさ!
↓コレ

 表紙も素敵ですよね。エビフライの❤が目を引いて、美味しそうなビールまで……なのに「うしろむき」なんですよ、ってのは、帯文に目をやって解決。そう、人間、前を向くだけじゃなくて……とつい独自見解を語りたくなりますがぐっと我慢。このエビフライに添えられたタルタルソースもね…………いかんいかん、先に参ります。

あらすじはこちらから。 
(ポプラ社さんのサイトへ飛びます。)

 美味しそうな五つの皿、そしておまけの小皿からなるお話です。

 お皿を提供するのは通称「うしろむき夕食店」のシマさんと孫の希乃香さん。迷いながらようやくたどり着いたら「お帰りなさい!」で出迎えてもらえる、アットホームなお店です。表紙のエビフライはその最初に出てきます。

●感想

 五つそれぞれに味わいが違っていて、へえ~もあり、ウルウルもあるのですが、なかでもビーフシチューとハンバーグのお話がお気に入りです。

 初めて合う、なんだかトゲトゲしい夫の母とのやり取り。ドキドキでしたよねえ。夫の食べ方に疑問を持ちながらも自分も、そこから二人の関係が解けていくところが大好きです。お鍋焦がしちゃうし。

 あなたとならパンと玉ねぎ。それしかなくても幸せ。お互いがお互いを想うがゆえの年月のめぐり。悲喜こもごもを乗り越えての二人。そういう人生もあるんだなあと感慨しきり。それも手に汗握るイノシシとの対決があってこそ!

 人と距離を取らなきゃ行けなかったり、職場がギスギスしてたり、なんだか落ち着かない日々を送っていて、こういうときこそ、前を向け、より、うしろを見て、という優しいメッセージが心にしみてきます。

 とても素敵な人たちに出会えました。とても温かくて書き留めたくなる言葉をもらいました。
 ありがとうございました。

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