【MaaS体験記#4】福井県永平寺町でZEN driveを利用してみた
はじめに
このnoteでは、全国各地のMaaSのサービスを実際に体験して、その感想などを発信していきます。
現在、日本各地で数多くのMaaSの実証実験が実施されていますが、サービスの内容や対象範囲などは実施主体者により様々です。
そこで、このnoteでは実際にMaaSを利用した感想や他のMaaSサービスと比較して、サービス間の違いなど、体験をもとに考察していきたいと思います。
第4弾の今回は福井県永平寺町で展開されているZEN driveの体験記です。
永平寺町に取り組み
永平寺町は、その名前の通り曹洞宗大本山の「永平寺」がある町で、そんな伝統ある町でとても先進的な取り組みが行われています。
永平寺町では2017年より、自動運転の取り組みが行われています。2017年から毎年のように試走イベントや実証実験が行われ、2021年には国内初の自動運転レベル3(条件付自動運転)による営業運行が開始されました。2022年にはレベル4(特定条件下における完全自動運転)の運行を目指しているそうです。
自動運転のレベル分け
レベル5:完全自動運転
レベル4:特定条件下における完全自動運転
レベル3:条件付自動運転
レベル2:特定条件下での自動運転機能
レベル1:運転支援
運行は「永平寺参(まい)ろーど」という2002年に廃線となった京福電鉄永平寺線の跡地を整備した遊歩道で行われています。
もともと線路だけあって、まっすぐな所が多いです。
自動走行車両による移動サービス「ZEN drive」を利用してみた
自動運転車両
自動運転車両はYAMAHA製のランドカーがベース車両になっています。
電磁誘導式の自動運転となっており、道を外すことはありません。安全に利用者を運んでくれます。
車内にはカメラやマイクなど遠隔監視に必要な機器が設置されています。
横展開しやすいように、車両も含め搭載されている機器は全て市販品を使用しているそうです。
私たちが乗ったのはレベル2(特定条件下での自動運転機能)の車両のため保安運転者が搭乗されていましたが、レベル3の車両は無人になります。
車両同士がすれ違うポイントでも自動停止し車両を待ちます。
東古市(えちぜん鉄道永平寺口駅)から志比(永平寺門前)までのおよそ6kmを時速12~14km/h・40分程度で結びます。景色を眺めながら移動したい方にはぴったりです。
遠隔監視室
遠隔監視室はレベル3の運行時に監視の拠点となります。車両が無人となるため、この監視室で監視・操作を行います。監視・操作者1名に対して3台の車両を管理するそうです。
今回は永平寺町総合政策課の方にお話を伺うことができました。お時間を割いていただき、ありがとうございます!
曹洞宗 永平寺
せっかく永平寺町に来たので、曹洞宗永平寺に行ってみました。
永平寺は1244年に創建された日本曹洞宗の大本山となる寺院です。一般の方でも参拝でき、広い境内を見てまわれます。山の斜面に建てられており、階段が多く、まわるのも大変でしたが、非日常の空間を体感でき一見の価値はあると思いました。
また、坐禅体験が行わるそうです。お時間のある方はいかがでしょうか?
門前には禅宗の開祖「達磨」をモチーフにした“だるまぷりん”のお店がありました。とても美味しかったです。
まとめ
さて、今回は福井県永平寺町を訪れ、自動走行車両による移動サービス「ZEN drive」を利用してみました。
自動運転とはいえ、車の往来の無い遊歩道をゆっくり走行しているため、怖さは一切感じません。安全に私たちを運んでくれました。
えちぜん鉄道の永平寺口駅から永平寺まで乗った場合、40分かかりますが100円で移動できます。バスを利用した場合は430円。観光に来た方は少しでも移動時間を削りたい気持ちもあると思いますが、季節によっては景色を楽しみながら“安く”移動できます。
また、予約不要・現金払いで乗れるため利用の敷居が低く、子どもからお年寄りまでどなたでも利用しやすいと感じました。
地域の方の理解もあり、皆さんが車両に注意を払ってくれるそうで、取り組み開始から今まで無事故で運行されているそうです。モビリティには事故はつきものと思っていましたがスゴいことです。
これからレベル4の運行も計画されているそうですので、お越しの際は乗ってみてはいかがでしょうか?
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